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早慶ならメガバンク余裕の時代は終わった

三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行

日本の金融業界はあらゆる再編を経て、現在の三行に集約された。日本の心臓部として、経済を根底から支えている。


1.メガバンクはスタンプラリー

数十年前から5年ほど前まで。早慶の上位学部(慶應法・経済 早稲田政経・法)の間ではメガバンクはスタンプラリーと呼ばれていた。
どういうことか。このような学部生なら説明会に毎回参加し、出席したという証をスタンプラリーのように稼ぐ。すると、面接である程度の受け答えができれば内定を簡単に取れるということだ。私が聞いた話だと、慶應法の15人のゼミで8人がみずほに内定し、1人もみずほに行かなかったという話もある。それほど、メガバンクの内定を取ることは容易であった。当時はメガバンクも人員拡大しており、三行合計で年で5,000人以上採用を行なっていた。そのような状況では、早慶上位学部の学生は息をするように内定を取れた。

2.メガバンクの人員削減

先日の日経新聞で2023年度のメガバンクの新卒採用予定人数は三行合わせて1,100人と発表された。5年ほど前の約1/5となった。つまり、メガバンクに内定するのは5倍以上難しくなったというわけだ。メガバンクを受けるような人たちは旧帝大、早慶、上智マーチあたりであろう。その中で4,000人が削減。内定辞退者も鑑みれば倍の8,000人レベルで内定数が減ったと考えていいだろう。メガバンクをスタンプラリーで内定を取れるという時代は終わったのである。私が就活をした時も、慶應法の間でメガバンクが簡単という認識はなかった。三菱UFJ銀行や三井住友銀行に内定をもらった人は、素直に「すごい」と言われていた。みずほに行く人は知り合いにはいなかった、、、、。5年ほど前なら「私も内定もらった!」と多くの人が言っていただろう。客観的に見ても、メガバンクの内定をもらっている人は、慶應法・経済の中でも真面目で優秀な学生が多かった。

3.私の体験談

私は慶應法出身でメガバンクを就活時点で受けていた。特に志望してたわけではないが、早慶の人はとりあえずで受ける人が多い。三菱UFJ銀行に関してはOne to Oneというインターンシップに参加しなければ内定は厳しかったため、申し込んでいなかった私は本選考で書類で落とされた。三井住友銀行はプライベートセッションという名のもの、何度も何度も面接を課された。みずほ銀行も同様で、キャリアラウンジという名のもと通過するとリクルーターが付いてくれた。どこまで進んで内定をもらったかは隠しておくが、選考は長く、慶應法経済でも相当優秀な学生しか内定をもらえなかった。私の友人は慶應法、有名私立男子校出身でなかなか優秀な学生で緑銀行に行きたかった。しかし、最終の1つ前?め落とされたと嘆いていた。慶應法のある程度優秀な学生でもメガバンクから内定をもらうのは今では難しくなっている。メガバンクは東大生からも今でも一定の人気を博しており、同期に東大生は多いだろう。学歴が重要視されるメガバンクにとって、MARCH生は内定を取れたとしても出世の面で悩みそうだ。また、メガバンクは50歳ごろに定年を迎え、出向させられ、年収は半減する。同じ金融で最大手の東京海上日動、日本生命、野村證券が60歳定年を維持していると考えると、出世できない限りメガバンクの妙味は薄いか。

4.メガバンクをお勧めするか

内定を取ることが難しく、出向のあるメガバンク。私は今でもおすすめする。メガバンクは30歳で年収1,000万前後になる。ここまで高給な業界は商社・コンサル・金融・広告の上位企業ぐらいだろう。その中ならメガバンクは比較的内定を取りやすいはずだ。また、フリーランスやベンチャー志向の人の一部は「メガバンクなんてある意味ない!銀行に就職するとか終わってる!」などとTwitterやYoutubeで叫んているが本当にそうだろうか。みなさんが日頃目にする大企業の多くはメガバンクがなければ何もできない。ソフトバンクはみずほ銀行がなくなれば経営できなくなるだろうし、総合商社やプラントは融資を受けなければビジネスを作り出すことすらできない。それを最近流行りのIT企業の金融部門に任せれるのか?無理である。数兆円、数十兆円という大金を用意できないし、過去に築き上げた大規模な融資データから行うデューデリは?AIは確かにすごいが、過去の実践例があるメガバンクの情報量はすごい。メガバンクは経済の根幹で潰してはならない。さらに、メガバンクで働いていれば、毎日接するお金に関する知識も蓄えることができる。人員削減や銀行不要論が叫ばれているが、メガバンクに入るメリットは大いにあると考えている。仕事は確かにつまらなそうなものも多いかもしれない。だが、真面目に堅実に仕事をこなせる人、本気で日本経済を根底から支えたいと考える人にとっては素晴らしいキャリアの一歩目ではないか。

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