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SynologyNASで複数拠点の監視カメラシステムを作った話。

こんにちは、菱田(@satoshi817)です。
去年お客さんから「予算がそんなに無いんだけど、本社と2つの営業所に監視カメラをつけたい」という無茶振りを頂いたので、趣味レベルでいいならとお引き受けして、SynologyNASのSurveillanceStationを使ったシステムを構築しました。
SynologyNASを利用した複数拠点を接続した監視カメラシステムについてはネットにあまり記事がなかったので、記事を書いてみます。


全体の構成

今回のシステムはこんな構成で組んでいます。
NAS:DS723+×3台
監視カメラ:HV-800G2A5×3台 HV-800E6A5×4台 VIGI C340W×4台 HV-WF800A5×2台 AXIS M3057-PLVE MkII×1台
※別途Synology Device-License-Packを購入し、NASに接続できるカメラライセンスは増やしています。
※1箇所だけHV-WF800A5を設置すると3ヶ月くらいで必ず故障する場所がありました。原因が謎なのですが、C340Wに置き換えたところ今のところトラブルなく動いています。
サポートに問い合わせて1度交換してもらったのですが、再度同じ現象が起こり、原因解明がめんどくさかったんで、買い換えちゃいました。

カメラの構成

NAS同士を接続する

SurveillanceStationにはCMSという仕組みがあり、他のサイトにあるNAS同士を接続し、同じサイト内にあるかのように操作できます。
接続は簡単で、Quickconnect IDとクレデンシャルを入力するだけで接続が完了します。

CMSアプリのサーバ接続設定画面

CMSでNAS同士で接続した場合、接続したNASに送信される全てのリアルタイムビューをホストに設定したNASのアカウントで監視が可能です。
録画はそれぞれのNASで行なわれる形になります。
また、各NASのアプリアップデートもホストサーバアカウントから一括でできるようになるので、管理者が少ない場合でも便利に利用できます。

アカウントを発行し、映像を確認する

細かいユーザー設定ができるので、拠点Aの担当者アカウントは拠点Aの映像だけ閲覧可能、本社管理者は全映像が閲覧可能のように設定できます。
全アカウントがホストサーバを経由して映像を確認することも、例えば、拠点Aは拠点Aのサーバに直接アクセスして映像を確認することもできます

ユーザー権限プロファイル作成画面

映像はPCでも見れますし、DS camアプリでも確認できます。

VisualStationが無い問題をChromecastで解決する

以前はVisualStationという製品群があり、PCレスでモニターに監視カメラの映像を常時表示できていましたが、現在は販売されていません。販売店に残った在庫がAmazonで出てたりするのですが、7年も前のh.264しか再生できない機種だったりするので、今から買うのは気が引けます。
ということで少し困っていたのですが、以下の構成でカメラ映像を常時表示するだけの用途なら問題無く対応できました。

Chromecast with Google TVUSB-Cハブワイヤレスキーボード&マウス+DS camアプリ+ATV Launcher


ライブビュー用に使った機材とアプリ

Chromecastの開発者モードを有効にしてDS camアプリ&ランチャーをサイドロードしてデフォルトランチャーを変更する必要があります。
詳しいやり方はこちらの記事で解説されています。
https://smartasw.com/archives/10450
ランチャーアプリは他のアプリでも大丈夫なはずです。

VisualStationが無い問題がわりとネックだったのですが、上手いこと閃きました。
2月くらいに展示会でSynologyの人と話した時は新モデルを準備中といったような話をしていたのですが、その後特に音沙汰がないですね。
この記事が誰かの助けになれば嬉しいです。

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