iQOS LOVE
喫煙者の僕は去年の9月から、フィリップモリスジャパンの電子加熱タバコ「iQOS」を使っている。
iQOSは、吸い始めの何日間かは本当に不味い。
芋というかヒジキというか、おでんというか……、まあとにかく、おかしな物を蒸した蒸気を吸っている感じがする。
なんでこんな物を吸ってるんだろ、と非常に虚しい気分になる。
しかし不思議なもので、ある時点で頭のスイッチが切り替わり、「あれ、美味いかもな」となる。
すると今度は、これまでの普通のタバコが臭くて煙くて、イヤになるのだ。ニコチンを摂取する手段に対する認識が、頭の中でスイッチされるのだろうけど、この感覚は本当に不思議なものなのだ。
この半年間、iQOSへと完全移行し、普通のタバコは吸わなくなっていたのだが。
昨日、大事なiQOSを自らの手で壊してしまった。
iQOSというのは、「ホルダー」という円筒状の器具に、「ヒートスティック」という短いタバコ状のものを刺して吸う。
ヒートスティックは、どんな構造になっているのか。ちょっともったいないけど一本、バラしてみると……。
タバコの葉を刻まず、縦方向に短く切りそろえて詰められているのが分かる。タバコの葉っぱ自体は1cm程度しか入ってなくて、フィルター部分が長いのですね。
そして葉っぱに近い部分のフィルターがミソで、ここに水蒸気を発生させるものが入っているらしい。
で、ホルダーの内部には、加熱ブレードという細長い板状の部品がある。このブレードがタバコ葉を貫通し、フィルターの水蒸気発生部まで到達。スイッチを入れると葉っぱとフィルターが同時に加熱され、ニコチンが溶け込た水蒸気が発生。で、吸う……らしいです。
iQOSのやや厄介な点は、こうした複雑な機構のため、ホルダーの内側にタバコ葉のかすが残って汚れていくので、定期的にお手入れしなければならないこと。
でも、おいしく吸うためだと思えば、このお手入れも苦ではなく、僕はけっこうせっせとお手入れをしていた。
そして昨日。
ふと見ると、加熱ブレードにも燃えカスのような黒い物がけっこうこびり付いている。
じゃあ、キレイキレイしましょ、と思って、加熱ブレードの汚れを、細いヘラでコリコリと落としていたら。
「パキーン!」といい音がして、ブレードが根元から折れてしまったんですね。
ああぁ……。余計なことするんじゃなかった。
一番大事なものが折れてしまった。これがなければ、何にもすることができない。まあ、適切な表現かどうか分かりませんが、去勢されてしまったようなもんです。
大慌てでネットで調べてみると、iQOSはユーザー登録さえしていれば、このブレード破損については一回限り、無償交換対象であるということが判明。
さらに大慌てでiQOSのお客様相談室に電話!! すると……、24時間以内に新しいホルダーを送ってくれるとの対応。
フィリップモリスさん、ナイス! 安心して手続きを済ませた。
さて、じゃあ一服……。
あ。
あ!
ここで、24時間くらい我慢すればいいのだけど、できないのが喫煙者の性。
じゃあ、普通のタバコで乗り切りましょ、ということで、コンビニに走り、久しぶりに”燃やすタバコ”を買いました。
買ったのはiQOSへの切り替え前に愛用していたタバコ「中南海 1」。
久しぶりに吸う煙のタバコ。
ふう~。
ん? 悪くないね。美味しいじゃないの。
一口目はそう思った。
でもそれは束の間の錯覚だったのか。二口、三口と吸い込むたびに広がる違和感。
うわー、不味い不味い! 臭い臭い! 煙い煙い! ぺっぺっ。
吸い終わった後に口と喉に残った後味がまた最悪。あまりに気持ち悪くて、何度もうがいをしてしまったほどだ。
こんなにも、こんなにも普通のタバコって、臭かったのか!?
信じられなくて、確かめようと思い、数時間をあけてもう一服。
ふう~。
ん??
あ~~~、やっぱり、まっずいまっずい!
これでもう、はっきりしました。
僕は普通の”燃やすタバコ”は受け付けない体質になりました。
今朝方早く、iQOSの新しいホルダーが来着。
フィリップモリスさん、迅速な対応素晴らしい!
と、フィリップモリスジャパンがある方角に頭を垂れつつ、きれいな新品ホルダーに頬ずりしつつ、ヒートスティックをおもむろに刺し込み、一口。
ふう~。
ああ、美味い~。
これですよ、これ。
そして、長年にわたるタバコと僕の関わりについて思いをめぐらしていくのですが……。
長くなってしまったので、今回はこのへんで。
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