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うるう年余らかせてる指先に牡丹の雪が小さく積もる
あの太陽の上へと急ぐ鳥たちに言葉もなくて風に立ってる
豆乳を飲んでことりと朝が来て一角獣をベッドに仕舞う
真夜中にスペースデブリ掃き出して孤独という名の船で逝きます
告白は乳白色の空模様 君が並べたホワイトアスパラ
羊が夢を見ているのかも知れないこんな雨の日はこんな雨の日は
どこでもドアの向こう側に私ではない私が私をみてる
生卵割る時星屑散らばって小さな殻を奥歯で噛んだ
背のあおい魚が食べたくなったからあなたのところへ電話したんだ
カルダモン、クミンシード、ターメリク 木陰の席で羊を待ってる
虚しさに胸を傷めるこの夜は君に捧げた世が世であれば サヨナラの声を遮る窓硝子叩けば孤独 夜行は蝸牛 TOKYOは目を閉じている僕たちは灯りを点けずドアを潜った
薬局の緊急事態の夕暮れのスマートフォンの落とした床の
家族という一瞬だけの密着を不確かな手で引き寄せる朝
名前という名前呼んで避難所の床のように冷たい平伏す