役立つ書籍紹介! 「第1感」 著マルコスグラッドウェル編
私が読んだ本で役立つものを内容をアウトプッ
トしガイドの視点で紹介します
参考になるかどうか分かりませんが情報として
役立ちます
私の信念はガイドを増やすことで地球環境の
保全をする事です
役立つ書籍紹介!
「第1感」 著マルコスグラッドウェル編
●第1感 「最初の2秒の何となくが正しい」
「何となくやばい」は正しい!
究極の安全管理 予防法
「何となくやばい」は正しい!
参加書籍 「第1感」
著マルコスグラッドウェル
<目次>
1 トピックス
2登山における安全管理 予防方法
3悩むケース
4第1感について
5ガイドに必要な能力
6事故の多いガイドの特徴(私の考察)
7第1感、活用時のダークサイド(留意点)
8その他必要な知識
1 トピックス
まず、はじめに、本題からそれますが
知床観光船で被害に遭われた方に
「謹んでご冥福をお祈りいたします。」
この事故についてはズサンな運行管理と安全管理の未熟に
よるものですが、何よりもその背景にはお客様の安全よりも
お金(売り上げ)を優先してしまった結果によるものだと思い
ます。
当日、運転した船長も気の毒ですが、そのような方針の会社
に従事しており、顧客の安全より会社の売り上げを優先した
上に起こった人災だと思います。
このようなケースは観光事業者における永遠
のテーマであり、北海道のトムラウシの登山
事故を始め、過去にもたくさんありました。
今回においても、他の観光船会社は危険だと認め、運行を
中止しています。
当日、運行したのはこの会社だけです
又、このような売り上げ優先主義の会社を嫌
だと思い、退社した従業員もたくさんいます
おそらく、今回の船長もリスクが高い事は知っていながら、
会社の方針には逆らえず出港したのではないかと思います
船長の判断で
「今日は海上が危険なので、運行を取りやめます」
と決断していたら、招かない事故だったと思います
問題点としては、「危険を認識していながらも会社に逆らえない
社員がいる」という事と会社としても「会社に逆らわない社員を
雇用している」という事です
登山ガイド界においても、とてもよくあるケースです。
失礼ながら自分で判断・決断できるガイドは個人ガイドや
登山専門のツアー会社の仕事をします。
そうでない方は大手旅行会社の仕事をしています。
今回のテーマである安全管理の予防法について、あくまでも
このケースを克服した上での話になります
要するに安全管理の原則は
「顧客の安全よりお金を優先するな!」
という事です
安全管理の予防の鉄則は
「リスクが高い時は迷わず中止する」
2登山における安全管理 予防方法
危険度やリスクの高いアクティビティのツアー参加者を
案内する役目である登山ガイドは一般的に下記の条件では
ツアーを中止するかルートを変える決断をします
・著しく天候や条件が悪い
・数時間後に悪天候が予想される
・崩落等の危険箇所がある
・災害リスクがある
・危険生物のリスクがある
・明らかに顧客にとって無理な行程である
・明らかに顧客の経験やスキルが低い
・装備不足
・健康状態やコンディションが悪い
このようなケースでは、判断や決断で悩みません。
すぐに実行するハズです
3悩むケース
上記の場合では情報が明確なので、決断においては
悩みません
ただし、情報が明確でなかったり、リスク度合いが
微妙な場合はガイドとして判断に迷いが生じて
しまいます
参加者に対しても説明が不足し、参加者自身
も納得しにくいケースとなります
現実的にはこのようなケースがほとんどです
ガイド養成や指導者的な立場の場合に私は
「悩んだらやめる」
「何となくやばい」と判断したらやめる
ように伝えています
「何となくやばい」とはいわゆる第1感で感じ
る事になりますが、
ガイドとしてはこの第1感を当てにした方がう
まくいくような気が
するからです
仮に第1感を信じてツアーを中止した場合は
アクシデントは起こりません
大体の登山事故はこのような状況でもツアー
を実行さた場合に起こります
そこでガイドとして、第1感についての知識や
メカニズム、
活用するために必要な事を学習しておく事が
重要となります
4第1感について
第1感とは直感的な「ひらめき」を感じる事です
また無意識な状況で判断をくだす事です
一発で分かる情報だけを使って瞬時(2秒程)に判断を
下す事、このような思考法を認知心理学者のゲルト・
ギーゲレツアーは
「素早く無駄のない思考法」と呼んでいる
人間として進化してこられたのはこの感覚が
あったからだと言われています。
もしくはこの感覚がなければ生き延びる事が
できなかったと思われています
現代でいいかえれば
・とっさの判断と第一印象だけでも人は状況
を理解できる
・瞬間に下した判断も、慎重に時間をかけて
くだした結論でも差がない
(一気に結論に達する脳の働きを適応性無意
識と読んでいる)
・人間は無意識の内に素晴らしい判断を下す
能力を備えている
・最初の2秒で判断する能力は、誰にもあり
誰でも鍛えられる
・特にスポーツでは分析していたら、運動能
力が麻痺してしまうというデータがある
(考えていたら体が動かない)
・情報が多すぎると判断の邪魔をする
<メカニズム>
人間は極度なストレスにさらされると、目が
冴えたり、視野が狭くなったり、音が聞こえ
なくなったり、時間の経過がゆっくりになる
命がおびやかされる状況に直面すると、心は
処理しなければならない情報の範囲を狭め、
量を大量に減らす
音、記憶、世界といったものを幅広く理解す
る能力を犠牲にして、目の前にある脅威に対
する意識を高める
処理する情報を減らす事で、目の前の脅威に
集中する
5ガイドに必要な能力
ガイドに必要な能力とは歩行前やピンチ(危急時)
の際、瞬時に判断する能力です
すなわち第1感を活用し、次の行動を決めると
いう事です
具体的には初対面に会う人や、新しい状況に
直面した時「状況を一目で見抜く力」です
第1感を活用するために必要な事を紹介します
・周囲の観察
・相手(人)の顔の表情の観察
・相手(人)の仕草(行動)の観察
これをガイドビジネスに置き換えると
<実践的活用例>
ガイドとして活用する内容を紹介します
●自然状況から何となくやばいを感じる
歩行前やガイディング中、危険を予想する
・空 (雲の様子)
・風
・空気(温度、湿度)
・地形(崩落、落石、雪崩)
・匂い(獣匂)
・音
・その場の雰囲気
・他者(一般登山者)の動向
など
●顧客の顔の表情や仕草から心を読み解く
(マインドリーディング)
・顔の表情
・仕草
・歩き方
・バランスの取り方
・コミニュケーション
など
要するに「自然と人を観察する」という事です
これを実践するためには沢山の経験が必要
となります
今回のレポートでは具体的なやり方は省略
します(過去にたくさん紹介済み)
6事故の多いガイドの特徴(私の考察)
ガイド活動やガイド育成の長い経験から私なりの
考察を記載します
私の調査やデータから分かった事ですが、
事故を起こすガイドは度々事故を引き起こす
事故を起こさないガイドはガイド人生で全く
引き起こさないケースが多い
(軽い怪我は除く)
この差は何か?と考えた場合、私の考察は
事故の多いガイドは
観察力やコミュニケーション力が低い事が
上げられます。要するに心の声や何らかの
サインに気付かない、気付こうとしない
ガイドです。
他の傾向として、ガイドとしてのプライドが
強く、リスクがあるにもかかわらず強引に
ツアーを実行してしまう
この差が感じられます
ご注意下さいませ
あくまでもサンプル数が少ないので、私の
考察です
7第1感、活用時のダークサイド(留意点)
第1感を活用する際、知っておかなければな
ならない事です
<誤った判断をしてしまう>
・第1感(2秒の瞬間的な観察による判断)は
全て正しいとは限らない
(間違う事も多い)
・人間には思い込みがある
・人間にはこうあって欲しいという願い
(願望)がある
・物理的な見間違いがある
・観察の解釈ミスがある
・人は直感よりも科学的データを信じやすい
・人は説明できないと話しをでっち上げる
・人は容姿や服装、雰囲気などで人物を
判断するクセがついている
くれぐれも第1感は間違う事もある事を理解
しておきましょう
8その他必要な知識
私の最近の経験で、若い世代で個人でガイド
依頼する方の中ではストレス過剰や心の病気
で苦しんでいる方が多いような気がします
又、コミュニケーション的に心を閉ざしている
参加者も多いです
このような「自閉症」的な方は心を閉ざして
いる状況なので心を読みづらい
要するに第1感が活用できない
このような方は一般的な方よりもリスクが
向上しますので、
それに向けた知識を紹介します
●うつ
経済協力開発機構(OE CD)による国際的な
メンタルヘルス調査によると、国内のうつ病
・うつ状態の
人の割合は2013年調査では
7.9%だったのに対し、新型コロナウィルス
流行後の2020年では約2倍の17.3%になっている
●アスペルガー症候群
国内のアスペルガー障害数は大人で10人に
ひとりと言われています
2013年より典型的な自閉症は、アスペルガー症
候群、その他汎用性発達障害などとともに
「自閉スペクトラム症(ASD)という診断名と
なった
安全管理や予防法については専門家ではないので、
記載を控えます
9まとめ
ガイドとしては、「日頃から観察力を磨いておく」
事が重要
「ガイドはお花の観察よりも人の観察」
by私
比較的どうでもいい事を決断する際は
たくさんの情報やデータを集め、分析し決断す
る方が良いが、仕事や伴侶など人生における
重大な事を決断しなければならない時は無意識
(心の声)に任せてしまう方が良い、何となくの
感で決めた方が良い結果となる場合が多い
byフロイト
「最後までお読みいただき感謝します」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?