生物進化論は大嘘!ダーウィン進化論の欺瞞を暴く④

 前回のコラムでは、生物進化論が説く突然変異と自然選択が生物進化の原動力になり得ないことを説明したが、実はダーウィンと同時代に生きて、生物進化論の欺瞞に気づき、生物進化論を幻想と喝破していた人物がいた。「ファーブル昆虫記」で有名なジャン=アンリ・ファーブルである。今回は、「ファーブル昆虫記」という大著を残したファーブルの精緻な昆虫観察の記録から生物進化論を考察する。

アラメジガバチの解剖生理学の知識は、人間の外科医レベル

 ファーブルは幼少の頃から昆虫に興味を持ち、長年にわたって昆虫の生態を観察・記録してファーブル昆虫記を執筆した。今回は、その中のアラメジガバチの狩りについての記述について考察する。
 アラメジガバチはヨトウムシの狩りをする。自分より、はるかに力が強いヨトウムシを狩るために毒針を使って仕留めるのであるが、その方法は人間のベテラン外科医の手術のごとき芸当なのである。

狩りの目的は何か

 狩りの目的は、ヨトウムシの身体を麻痺させて巣の中に蓄え、その脇腹に卵を産みつけ、幼虫の餌に供することである。幼虫は腐敗した餌を食べたがらないため、ヨトウムシを殺すのではなく、運動神経を麻痺させて昏睡状態にする必要がある。つまり、絶対に死なせてはならないという条件がある。そのため、全身麻酔の処置を施す必要があり、極めて高度な生理学・解剖学の知識と外科手術の技術がないと、目的を達成できないのである。

驚愕する狩りの技術

 狩りの方法であるが、毒針を用いて、筋肉に刺激を送る大もとの神経中枢を傷つける。そのような手術をするためには、ヨトウムシの複雑な身体構造を理解し、神経組織の構造と神経節の数を熟知している必要がある。各体節にある神経中枢は、それぞれ独立して機能しているので、一つの体節が麻痺させられても、その隣りの体節が無感覚になることはない。そのため、主要な体節を全て手術する必要があるのだ。このような難易度の高い手術を、アラメジガバチは平然とやってのける。ひとつの体節の急所から次の体節の急所へと、九回にわたって正確な場所に毒針を指して、ヨトウムシの運動神経を完全に奪うのである。

アラメジガバチの外科手術の知識・技術は「本能」によるもの

 人間が上記のような外科手術を正確に行うためには、医学・解剖学・生理学を学習し、手術の経験も積む必要がある。生まれたばかりの人間の赤子がそのような手術をできるわけがない。誰かから教えてもらって手術をできるようになるのである。
 しかし、驚くべきことに、アラメジガバチは誰からも教わらず、この手術をできるのである。というのも、アラメジガバチは卵を産み付けると死に、次世代との関係は絶たれるので、ファーブルいわく、ハチは絶対に誰からも狩り(外科手術)の方法を教わっていない。つまり、人間が猛勉強して習得する医学・解剖学・生理学の知識・技術を生まれながらに脳にインプットされた状態で、ハチは生まれてくるということになる。そして、生まれた後に、外側からは全く見えないヨトウムシの神経組織の構造と神経節の数を理解して、急所を針で刺し、全身麻酔を施すのである。信じられないようなことだが、ファーブルが観察した厳然たる事実であり、ファーブルはこれをアラメジガバチの「本能」と呼んだ。それでは、この「本能」は生物進化論者が言うように進化によって段階的に発達したものなのだろうか。この点については、次回のコラムで考察する。
次回のコラムへ続く

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