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英語を使って仕事をしているエンジニアの英語学習歴

ワタシの英語遍歴、なぜシェアする?

こんにちは。海外赴任5年を経て、今は日本に帰国しましたが、Web系エンジニアとして英語ばかり話す、聞く、書く生活をしています。
同僚には日本語ノン・ネイティブがそれなりにいるので、「どうやって英語を勉強したの?」(日本語の学習の参考にしたいから)と聞かれることが多いです。

日本で大学までいくと、10年ぐらい英語勉強するじゃないですか。長すぎて自分でも何を勉強してきたかぱっと思い出せないことも多くて、あんまりうまい返事ができないのです。英語学習遍歴を振り返ったら誰かの何かの役に立つかも、と思ったので書いてみることにします。
ただの学習遍歴の振り返りであって、「こうするべきだ!」「これが最良の方法だ!」というつもりはなくて、こんなことやってたなー、あれは最悪の方法だったわーと並べていくだけなので、ざっと目を通していただいて、思い出に浸るも良し、持ち帰る物があればそれも良し、というスタンスで読んでいただければ幸いです。

小学校時代

僕の年齢だと英語教育がスタートするのは中学校からでしたが、僕は英語専門の私塾に、小学校6年生から通っていました。

いわゆる遊びの英語塾ではなく、中学校の教科書を使って結構厳しく教えてくれたので、あのときの資産は大きいなと思っています。特殊なことは特になくて、

  • 最初に26問の単語テストをする。英語で発話された単語を聞き取って書き取り、日本語訳も書く。英語を正しく書き取れれば1点、日本語を正しく訳せれば1点で、合計52点ですね。

  • テストの点数は公表される & 満点を何回か連続するとご褒美的な感じだったので、基本的にみんな95%以上は得点する。ご褒美が何かは忘れたけど、ケーキだったかな?

  • 先生が教科書を読んで、ポイントを教えつつ訳す。生徒が自分で同じことをやる。

ということをやっていました。僕が得た物が大きいと思っているのは下記二点です。

  • 日本語話者のよくある間違いを教えてくれて、可能な限りネイティブ発話を心がける訓練をしてくれた。(特にTHの発音)

  • 単語はスペルを声に出して、次に発音を声に出して、最後に日本語訳を唱えて覚える(例:びー・いー・えー・ゆー・てぃー・あい・えふ・ゆー・える、beatiful、美しい)ことを徹底して教えてくれたので、変な語呂合わせで覚えなくても覚えられるようになった。

  • アクセントなども気をつけて学んだので、後々発音・アクセント系の問題は全く躓かなかった。

  • 単語テストを基本的に満点しか狙わない心持ちで語彙を身につけたので、スペルの法則が身について単語学習のスピードが年々向上した。(漢字学習と同じですね。)

中学校時代

上記の塾は、英語専門ということもあって中学2年生ぐらいでやめまして普通の学習塾に入りました。中学校時代にやっていたのは

  • 教科書を朗読するリスニングCDを買ってきて暇な時はずっと聞いている。全文、隅々まで覚えるまで聞く。(今でも一部覚えています。)

  • 自分のテキスト朗読をカセットテープで録音してきいてみる。(時代を感じるw)

  • 英文法が面白すぎたので、英文法をやりまくる。構文とイディオムを覚えまくる。

  • スピーキングの練習はほぼしない。英検準2級をとるときはじめてしゃべったかも。

いま振り返れば、英文法や構文はそこそこに、単語をたくさん覚えれば良かったなーと思っています。英文法が高度なところまでわかっていても、単語がわからなければ意味がとれないので・・・。数学や物理が好きなので、法則を発見して当てはめる英文法ってなんか好きだったんですよね。

それでも英語の偏差値は高くて、得点柱だったので無駄な努力ではなかったとは思っています。

高校(高専)時代

英文法は1年生ぐらいのときにやりきってしまっていたので、文章解読とリスニングに明け暮れていました。リスニング苦手意識が芽生えたのはここらへんです。

  • 英文法は、中3で受験が終わってからロイヤル英文法を最初から最後まで何度も読んで頭にたたき込んでました(ただの趣味)。学者にでもならなければこれ以上やる必要ないと思っていたので大して時間をかけず。

  • 通学に往復で3時間以上使っていたし、座れない時間が多かったので、ひたすら市販の本についてくるCDをリスニング。

  • 単語コンプレックス解消のために単語帳をやりまくる。Duo、単語王、ターゲット、Z会のやつなど。

  • 先生が映画・マトリックスの音声で聞き取りテストをしてきたので、マトリックスの台詞を全部暗記。(ずるいけどw これも未だに覚えているし使います。)

  • 工業英検2級を取る。英作文が上手になるのでおすすめ。

結果的には、英語力は後半(18歳以降)で大きく頭打ち、という感じだったと思います。定期テストレベルならだいたい満点が取れるけど、英検1級とかには挑戦する気持ちもわかないし、外国人に話しかけることもできない。ここで、「会話のキャッチボールをする」「書いて添削してもらう」という訓練に時間をかければ良かったなーと反省しています。

リスニングにかなり苦手意識が芽生えた頃なので、めちゃくちゃリスニングに時間を投資しました。全く成果は出ませんでした!あとに出てきますが、聞き流しはやらない方が良かったです。僕にとっては。ちょうどそのころスピードラーニングという聞き流しが流行っていたので、その傾向に流されたというのもあります。

恥ずかしがってなかなか英語を話す機会を作らなかったのがまずかったですね。ある程度いくと、会話の中でしかリスニング力は身につかないなと、アメリカに行ってから気づきました。中学生のとき、「ホームシック」についてすり込まれたせいで海外チョットコワイっていう感情が抜けませんでしたが、半年でも留学すれば良かった。気がする。

ちなみに、下記はやって良かったことです。

  • 部屋を歩き回りながら単語を覚えると早く覚えられる

  • 覚えられない単語は文章ごとまるっと覚える

  • 覚えられない単語は関連語を使ってツリーで覚える

  • イメージがわかなくて覚えられない単語は、意味がそもそもわかってないので、絵や日本語の長文で説明する

  • 英作文はキムタツの英作文をやったと記憶しています。これがすごく役に立ったのだけど、本の名前が思い出せない・・・。ドラゴン桜のヤツだったかもしれません。

大学時代

英語という観点では不毛な時代というか、ほぼ何もしていないです。普通に英語の単位を取って、英語で論文を読んで、たまーに英語で研究発表するみたいな。その場しのぎなので大して身につかず、すっかり英語話せないコンプレックスを形成していました。読み書きの苦手意識はあまりないです。

ちなみに塾講師もやっていましたが、英語も担当していて、英語は初学レベルで単語力をサボらず身につけるのが鍵だなと思っています。暗記する時間は授業時間でとれないし、家で覚える努力をしない子の得点を上げるのは不可能です。塾は、家庭学習の結果わからないところをききにいけば良いです。もしくは、嫌いで嫌いでたまらない科目を強制的に勉強するために行くとか、そういう使い方が良いと思います。まあ現代の子はオンライン学習に慣れていてYoutubeなども使いこなすでしょうから、Legacyな塾などにはもう行かないのかな。ネイティブスピーカーにアドバイス受けまくれる塾なら良いけど、オンラインにそういうのはいくらでもありますからね。

アメリカ赴任

社会人5年目ぐらいでアメリカに赴任が決まり、英語に浸かるようになります。ここで僕の「リスニング力」と「ライティング力」が爆発的に伸びて、もともと培っていた文法力と語彙力のおかげで、ほぼ英語で困らなくなりました。疲れていると頭が止まるけど。

リスニング力が伸びた場面

  • 電話で英語を話す

  • 対面で英語を話す

  • 銀行など大変な事務処理をこなす

  • 人事面接をする(採用側)

ライティング力が伸びた場面

  • ネイティブ英語教師に作文を提出して採点してもらう

リスニングに関しては「聞き流す」という悪習が本当に足を引っ張っていたと思います。高校あたりでやっている、通学時間にきくっていうアレですね。
対話をせねばならぬときは、絶対に意味をききとらないといけないし、契約で大切な言葉を聞き逃すのは致命傷になりかねないので、本気度が違います。本気で英語に向き合うと、半年もせずにリスニングはバリバリと伸びました。
TOEICあたりのリスニング対策で、選択肢に関係のある箇所だけ聞く訓練などがありますが、変な癖が身につくのでなるべくやらない方が良いと思いますね。実際の会話では、大切な言葉やイディオムは突如出現するので。

ライティングは、前述の通りあんまり苦手意識がなかったのですが、英語教師に読んでもらって話してみると、驚くほど内容が伝わっていなかったのを覚えています。日本語の発想で英語を書いていると、英語話者には結構わからないことが多いです。特に、数や主語をぼかし、慣習を明言しない日本語をそのまま英語にしてしまうと、内容が複雑で重要なほどわかりにくいようでした。
ここも、日記のようなどうでも良い文章ではなく、仕事でみんなに伝えなくてはならない文章を採点してもらうことで、危機感が伴うので、非常に効率的にライティングスキルを伸ばすことになりました。

結論

結論なんてないんですが、強いて言うなら、

単語 → 文法 → リスニング・スピーキング → 高度な会話、読み書き

という順序は崩れないと思っているので、英語が苦手な人はとにもかくにも単語を覚えるべきだと思います。文法から入る人が結構多いのですが、単語っていう材料がないと、組み立てるものがないのであまり意味がないです。

仕事で英語を使っているけどイマイチ、という人は、英語にできなかった文章をメモっておいて、英語にしたものをネイティブに採点してもらうのが良いと思います。オンライン英語学習プラットフォームもよくありますが、ネイティブじゃない人が教師の場合も多いのでそこは注意したほうが良いと思います。(母語によって発想が違うので、英語ネイティブの人の感想を聞きたいからです。)

ちなみに英語シャワーを浴びるとそのうち聞き取れるようになるというのは子ども以外はほぼないと思うので、Podcastを意味も無く聞き流す、みたいなのはやめたほうが良いと思います。それよりは、transcriptのあるなしにかかわらずdictation(書き取り)をしたほうが良いかと思います。

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