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なぜメンヘラはブロンをODするのか

ブロンの成分エフェドリンは覚醒剤に似た成分

東横界隈などでメンヘラがOD(オーバードーズ)する薬物の一つとして商品名「ブロン」が挙げられる。以前はきちんと医師の診断を受けないと処方してもらえない薬だったが、OTC医薬品として今では薬局などで簡単に手に入るようになっている。

そんなブロンの主成分をエフェドリンという。エフェドリンは麻黄から抽出された成分である。覚醒剤の成分であるメタンフェタミンに似た構造を持ち、メタンフェタミンよりも若干マイルドなアッパー系成分であると言われている。

また、違法業者が覚醒剤を生成する際には、前駆体としてエフェドリンを用いている。実際、エフェドリンの配合比率が一定以上になると覚せい剤取締法に引っかかる。

しかし、ブロンに含まれているエフェドリンはdl塩酸メチルエフェドリンという物質で、若干効果がマイルドであり、覚醒剤の生成に使われにくいように工夫されている。

エフェドリンは意欲を高め不安や緊張を軽くするアッパー系

しかし、いくら効果がマイルドとはいえ、大量に摂取すれば覚醒剤と同じようなハイになる効果がある。だからこそメンヘラはそのハイを味わいたくてオーバードーズするのである。ODすると仕事や勉強への意欲が高まり、不安や緊張を軽くしてくれる作用があるといえる。

いわゆるメンヘラと呼ばれている人たちは毎日の生活に不安を抱えていたり、目の前の仕事に追い詰められてメンタルがおかしくなっている。

そこでしっかりと精神科にお世話になって適切な医療に接続されれば問題ないのであるが、全員が適切な医療に繋がろうとするわけではない。そのため、自分だけでなんとか目の前の苦痛を取り除くためにODに走ってしまう人も少なくない。

今はインターネットのメンヘラ掲示板などを見ればいくらでもそうしたODの知識を得られる時代である。精神的に追い詰められて解決策を探している人たちはそうしたネット上の情報をもとに実際にODに走ってしまう。

ジヒドロコデインリン酸塩はベンゾジアゼピンと似たダウナー系

またブロンにはジヒドロコデインリン酸塩という成分も含まれている。これは咳を鎮めてくれると同時に鎮静効果もある。この鎮静効果が厄介であり、あたかもベンゾジアゼピン系などのダウナー系薬物と同じような振る舞いをする。

ダウナー系薬物と同じように依存性があり、鎮静効果がある。そして鎮静が行き過ぎると多幸感を感じる場合がある。実際にブロンをODする人たちはこの多幸感を目的にしている場合が多い。

またジヒドロコデインの中枢神経抑制の強さとしてはモルヒネ系鎮痛薬に属していることもあって、モルヒネに準ずるほどの効果がある。モルヒネはガンの末期に使われており、鎮痛、鎮静、多幸感などが得られるようになっている。もちろんジヒドロコデインも同じような効果を有している。

またこのジヒドロコデインというのはブロンだけでなく、パブロンやルルといった総合感冒薬にも含まれており、ブロンと他の薬物を一緒にODするメンヘラも多くいる。

ブロンはダウナー系薬物とアッパー系薬物の合剤であり簡易ドーピングに使用される

これまで書いてきたように、ブロンはダウナー系薬物であるジヒドロコデインとアッパー系薬物であるエフェドリンの合剤である。だからこそブロンをODすると短時間ではあるが強烈な集中力と体力を得ることができる。

実はダウナー系とアッパー系の薬物を一緒に摂取してドーピングするという方法は欧米のエリートサラリーマンの間で流行っているものである。金融などの分野でストレスがめちゃくちゃかかる欧米のエリートサラリーマンは、デスクワークをする際に、エナジードリンクをウォッカやジンなどのアルコール度数の高い酒で割って飲むことがある。

アッパー系のエナジードリンクとダウナー系の酒を合わせることで全身に血流が駆け巡り、短時間ではあるが強烈や集中力を得ることができるので、欧米のエリートサラリーマンがよく利用するドーピング方法だ。

ブロンも一つの薬の中にダウナー系の成分とアッパー系の成分が配合されていることでドーピング状態を再現することができる。メンヘラはこのドーピング状態を求めてODを繰り返しているのである。

ブロンというアッパー系とダウナー系の成分を悪魔合体させたこの薬が薬局などで誰でも手に入るこの状況ははっきりいって異常事態といえるだろう。

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