ボーカルミックス〜何したらいいかわからないあなたへ〜

こんばんは、satoriです。
最近買い物しすぎて金欠です。

2年間で少なくとも50本はミックスした。多分もっとやっていると思う。それまでは相方に丸投げしていたので全くといっていいほどやったことがなかった。音楽性の違い(相方の遅刻)でグッバイ、さらに仲良くしていたスーパーエンジニアが失踪したため自分でやることになった。

このnoteでは現時点での考えを綴っていく。
技術的なことを書くと頭でっかちさんが現れるので先に牽制しておく、お前のための記事じゃない。村へ帰れ。気をつけて帰ってね。

何からやればいいかわからない。そんな人の指針になれば幸い。また、気軽に情報交換できる人が現れたらさらに幸い。私もまだまだ勉強中。

まず、ミックスとは何か。
ミックスとはお弁当箱にバランスよく食材を詰めていく作業だと私は思う。歌ってみたに絞って例えるならメインディッシュだけ抜けたお弁当箱にボーカルというメインディッシュを入れる作業だ。そのためメインディッシュは自分で調理しなければならない。

メインディッシュ(ボーカル)が鶏肉なのか豚肉なのか牛肉なのか、はたまた魚なのかわからない。うまい人ほど『素材』によると言うが、100%おっしゃる通りだ。

ン、だよねー!となってしまうと素材を目の前に立ち尽くしてしまうため、とりあえず調理してみよう。
素材がわからないのに美味しい料理の作り方を聞いているようなものなので、正解などない。あくまで参考程度にしてほしい。

エディット(音程、リズムの編集)もまとめてミックスと呼ぶ風潮があるが別物だ。今回はミックスのお話。

①ノイズ処理をしよう
これはizotope社のノイズ処理ソフト『RX』を持っているか持っていないかの話になるのでなければ無視。waves社のx-noize、z-noizeでもノイズ処理できる。あるならやろう。なくても落ち込まなくていい。混ざればわからない。

②イコライザーで低域と耳障りな部分のカットしよう
イコライザーは特定の周波数帯域を強調したり減衰したりするやつ。食べにくい肉のスジをカットするような気持ちで低音を切ろう。
男性ボーカルなら50〜150khz以下をカット
女性ボーカルなら80〜180khz以下をカット
下からカットしていって不自然にならないところまでばっさり切ろう。音がスッキリする。

耳障りな部分だけカットすることをノッチ処理という。イコライザーをほっそーくして耳障りなところを切ろう。とりあえず3ヶ所、-3dbぐらい。
宅録だとどうしても不快な響きの周波数帯域が生まれるため、そこをカットする。
スッキリしたら成功、迫力なくなったらそこは大事なところなのでカットしないでおこう。

③リミッターで飛び出たところを叩こう
ボーカルは音量差が非常に大きいため、飛び出たところをリミッターで抑制する必要がある。真ん中だけやたら飛び出たハンバーグはお弁当箱にうまく入らない。そこを叩く。
リミッターは怖い先生みたいなもの。
これ以上出たら絶対許さないマン。
飛び出ているところだけリミッター先生が反応するように設定しよう。

④ディエッサーで歯擦音(さしすせそ)を叩こう
さしすせそはどうしても耳につきがち。
ディエッサーは歯擦音だけに反応し抑制する。
スカートの短い女子だけやたら注意する先生みたいなものだ。さしすせそだけにディエッサー先生が反応するようにしよう。

⑤コンプレッサーで圧縮しよう
コンプレッサーは静かな生徒に自信を持たせ、うるさい生徒を抑えるような良い先生だ。声が小さいところを持ち上げ、声の大きいところを抑制する。
オプトタイプのコンプレッサーを選ぶと良い。
オプトタイプは効果が優しめなのでこの段階によく合う。細かく説明するとそれだけで記事になってしまうので、とりあえずプリセットを使ってスレッショルド(かかり具合)だけ弄ろう。

⑥イコライザーで化粧しよう
ここ上げるとよくなるなーと感じるところを持ち上げよう。上げても3dbぐらいに抑えよう。過度なイコライザーはまだ早い。味付け濃くしすぎて食べられなくなるのは避けよう。塩は後から足せる。

⑦オートメーションを書こう
オートメーションとはAメロだけボリューム下げてサビで上げたりする機能だ。ここだけリバーブ深く!とかも出来るが、細かい部分よりまずは全体をなんとなく仕上げよう。とりあえずボリュームだけやろう。自動でボリュームを整えてくれるwaves社のvocal riderが死ぬほど便利なのでお金に余裕ができたら買おう。iZotope社も似た機能のものを出していたが名前を忘れた。なければ無視しよう。

⑧リバーブをかけよう
カラオケでいうエコーみたいなもの。
お風呂で歌ったような効果がある。
エコーとはあまり言わないので今日から胸を張ってリバーブと言おう。
プレートリバーブ、ルームリバーブ、ホールリバーブの3種類かけてみよう。ボーカルに直接かけずにセンドという形でかけてみよう。cubaseだったりgaragebandだったりstudio oneだったりソフトによって操作が違うので『お手持ちのソフト名 センド』とかで調べてみよう。
リバーブをかけすぎるとモワモワするので②と似たような感覚でイコライザーを使い低音をカットしよう。リバーブの音量はギリ聴こえるぐらいでいい。かけすぎは禁物だ。

⑨リミッターかマキシマイザーをかけよう
全体の音が最後にまとまるマスタートラックというところにリミッターかマキシマイザーをかけよう。マキシマイザーは音を大きくするものだと思えばいい。音がぐちゃぐちゃにならない程度までリミッターorマキシマイザーをかけよう。リミッターorマキシマイザーをかけたあと-0.3dbになるようにしよう。これをすることでMP3などに変換した際の音割れを防ぐことができる。

バスコンプをかけて音をまとめたり、飛び出ているところをイコライザーでなだらかにしたりテープシュミレーターをかけてアナログ感を出したり…無限にやれることはあるが、ここまでやったあなたはもう疲れている。一旦やらなくて良い。知りたい人は『マスタリング やり方』とかで調べよう。

以上ができればほどほどになっているはずだ。

もう一歩先に進むなら、サチュレーション、エキサイター(エンハンサー)を試そう。サチュレーションは音をちょっと歪ませることで音をリッチにする。①と②の間、最初の方にかけてみよう。エキサイター(エンハンサー)も音をリッチにし音の輪郭をはっきりさせる。⑥と⑦の間、最後の方にかけてみよう。

もっと先に進むなら、ダイナミックイコライザー、マルチバンドコンプを使おう。ダイナミックイコライザーはAメロだけ低音出すぎてカットしたいけど、カットすると全体のインパクトが無くなる…みたいなときに使える。決められた値を上回ったときだけ部分的にかかるイコライザーだ。マルチバンドコンプはすごく細かく圧縮がかけられる。低音だけ中音だけ高音だけに圧縮がかけられたりする。一瞬だけ飛び出て聴こえる箇所が出てきたときにピンポイントで抑え込むことができる。ダイナミックイコライザーとマルチバンドコンプの用途は若干似ている。

最近私はグループチャンネルに仕上がったボーカルトラックを送りwavesのdoublerをかけ左右から鳴る音量をそれぞれ-15dbぐらいするのにハマっている。ボーカルの横幅が広がり出て、存在感があるまま音が若干引っ込む。

こんな感じのすぐ試せる技法をお持ちの方、ぜひ教えてください。飢えてます。

細かく書くとキリがないのでざっくりお送りした。
見ながら一個一個やっていけば手が止まることはないはずだ。もしこの記事を観て頑張ってみた人がいたらぜひ聴かせてほしい。花丸あげちゃう。

最後まで読んでくれた方に現段階で一番楽な方法をお伝えする。ただし、何が起こっているかわからないまま音が良くなるので勉強目的ではおすすめしない。

waves JJP vocal
waves CLA vocal
上記2つはミックスの大天才が作ったこれ使っとけば大丈夫というソフトである。音楽界の味覇。これ使うだけである程度聴けるレベルになり、ミックス初心者の99%が死ぬ。私もデモ音源渡すときに使っている。明日までにミックスできないと家族の命がやばいときはこれを使うと良い。

iZotope Nectar
AIが代わりにやってくれる。
ミックスを始めて半年ぐらいの人はおそらくNecterに勝てない。恐ろしい。
音楽界のホットクック


ozone
さらっと書いた⑨の作業をいい感じに丸々やってくれる。もう、これは買った方がいい。

以上

私のわかる範囲ならなんでも教えます。
それでは〜

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