見出し画像

言葉のことばかり【まぐれ】

当たらないと思うと当たる

昔、秩父の採石場でCMのロケをやってたとき
崖の下の大きな池にアメンボがいっぱいいた。
で、ヒマなやつ(営業)が
アメンボに向かって石を投げていた。

「あ、残酷なヤツ」と言ったら
「こんな遠くて当たるわけないですよ」
と言った瞬間、恐ろしいことに命中した。
(コイツは地獄に堕ちるな…)
…当てる気がないと逆に当たったりする。

ゴルフで木と木の間を狙って
打たなくてはならないとき、
(林の中に打ち込んだときですね)
「こんな細い木に狙ったって当たらないよな」
と思うと見事に当たったりする。

当てようと思ったら当たらない。
これは当てようとすることによって
チカラが入っちゃうから…。

当てようとしないときに当たるのは、まぐれ。
これはめったにないことだが、たまにあると
すごく印象が強いから記憶に残る…。
だからまたあるんじゃないかと思っちゃう。

まぐれに理由なんてない

なるほどなるほど。
そういうことだったのか…。と思いつつ、
そんなこと考えなくていいのにとも思う。

あー、そーゆーことってあるよねえ。
って言ってればいいのにね。
なのにいつもこの「理由」ってやつを
考えてしまう。

「裏を読む」ってほど、
性格悪いつもりはないが、
多分怪我をしないために
そういうことを考えてるんだと思う。

でもけっこうしんどいめにあうのは、
結局それほど賢くないからだろう。

まぐれに理由なんてない。
起こったことになんか理由をつけちゃうのは
その方が安心できるからだ。

先生が「当ててほしくない」とき
ばっかり当ててくるのは、あっちも
「当ててほしくない」ことをわかんないから。

それを「当ててほしくないときに限って
当てられるんだよな」と思うのは
そのときの印象が強くて記憶に残ってるから。

先生は超能力者でもなければ、
嫌がらせしてるわけでもない。
まあそんなことみんなわかってるのだが、
なんか理由をつけて折り合いつけてる。

気まぐれシェフのおすすめは
たまにしか当たらない

「まぐれ」の語源を調べましたが、
いろんな説があって
あまりピンと来ませんでした。

漢字だと「紛れ」と書くみたいです。
「まぎれ」と元は同じらしい。

なんかいっぱい選択肢があって
その中に紛れて当たりがある。と考えると
まぐれってのもわかる気がします。
まぐれ当たりってやつですね。

気まぐれのまぐれも同じです。
いろんな気分があってその中のひとつ。
なのでやっぱりかなりレアですね。

とすると気まぐれシェフのおすすめも
いろんな気分の中のたまたま、なので
あんまり期待できないのかもしれません。

美味かったのもまぐれなら、
不味かったのもまぐれ。
いや、まぐれって悪いときには使わないので、
不味いのが普通で、美味い方がまぐれ当たり、
ってことになっちゃいますね。

次回の言葉は「議論」です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?