見出し画像

とんかつの無国籍感がすごく日本

あるときは日本人のこころ

ある人が「とんかつ」がうまい店なのに
「カツ丼」を食べたらおいしくなかった。
と、言っていました。

これって確かにあるんですよね。
食べ方によって調理法を若干変えていかないと
おいしいものもおいしくなくなっちゃう…

「とんかつ定食」として
キャベツの千切りをそえてソースをかけて食べる
そのとき「かつ」に必要な肉のジューシーさとか
ボリュームみたいなのが、

「カツ丼」としてとじた卵といっしょに
汁気のある状態でご飯にのせて食べたときに
too muchになっちゃうんじゃないかと思う。
しつこくなっちゃうのね。

「カツ丼」の場合は、ちょっと薄めの肉で、
衣なんかもちょっと違うんでしょうね。
味が沁みた方がいいから天ぷらの衣に近い。
パリッとしててもしょうがないわけで…

こういう現象?が「カツ」に現れるというのは
なかなかに興味深いんですが、
それというのもカツってTPO(死語)に応じて
自分の履歴を変える珍しい食べ物だからです。

もともとは洋食ですよね。カツレツなんていう…

ところが現在、一般的には和食でしょう。
というか、定食メニューの王様。

結局戸籍がわからない

これが「カツ丼」になると、
和食をこえて、そば屋メニューになる。

かと思うとカツカレーなんて、
再び洋食に戻ったりする。
正確には洋食とも言いきれないですけどね。
なんたって日本にしかないですから。

カツカレーの「よいカツ」はまたちょっと違う。
カツ丼ほど乗せるものとしての一体感はない。
カレーとは同居しながら融合はしていない。

あくまでも対等な立場なんですね。
カツ丼のように汁気がしみた状態
(カレーがしみた状態)になると
あんまりおいしくない。

これが「カツサンド」となるとまた違う。
今度は肉にやわらかさが一番のポイントになって
パリッとした衣ではパンとの相性が悪い。

と、キリがないのですが、

これほど出席するパーティーによって
服が替わるやつも珍しいんではないでしょうか。

まあ、
X'masパーティーの一週間後に神社に初詣に行く
日本人ならではと言えるかもしれません。

結論、なんか日本人ぽい

よく言えばフレキシブル。
悪く言えばいいかげんなヤツですね。

いま「とんかつ」が外国人に大人気らしいです。
彼らはこの料理を何だと思ってるんだろう。
まあ日本の料理だと思ってるよね。
美味しけりゃいいので気にもしてないか。

ラーメンもカレーもそうですが、日本人が
「改変することに異常な執念を持つ」という
独特な感性を持つ国民なので
元なんかどうでもいいのかもしれません。

その中でもとんかつは特に
すでに誰も元がどうとか思い出しもしない
かなり特殊なメニューと言えるかもです。

次回の言葉は「可愛い」です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?