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言葉のことばかり【なくす】

なくしただけだ。
消えたわけじゃない。

ゴールデンウィーク、行楽に出かける朝、
前日にちゃんと準備したはずなのに
出かける直前に、あ、アレがない
ってことあるよね。

子供が朝、学校へ行く間際になって
「アレがないコレがない」と騒ぐみたい。
「もー、ちゃんと片づけておかないからでしょ。
 モノを大切にしない子は…」
なーんてしかられたりする。

消えてなくなったわけじゃない。
どこかにはあるんだけど見つからない。

同じような感じで日常生活によくあるのは
パソコンであのファイルどこに保存した?
ってやつね。

どこにしまったんだっけ…。
捨てたはずはないんだけど。

そうか、検索検索っと。
で、なんてタイトルつけたっけ…。
わかりやすい名前つけとけばいいものを、
そんときの気分でつけるから、
もう二度とわからない。
どっかの地層の下に埋まっている。(たぶん)

で、忘れたころにひょっこり顔を出したりして
おお、おまえ、こんなところにいたのかあ…。
なつかしいなあ。ってことになる。

だけど、欲しいときには見つからないのは
学校行くとき見つからない分度器と同じだ。
あれ、どこにいったかなあ…。

なくすのはしょうがない。
何がどこにあるか、全部覚えてる方が異常だ。
だとすると、なくしたときに
それを確実に見つけられるようにすればいい。

PCには、検索するという
便利な機能があるわけだが、
検索に引っ掛かる名前にしとかないと
該当者なし、になってしまう。

わかりやすい、最初に想起する言葉を
名前にすればいいと思ってるのに、
特徴があった方が見つけやすいなんて
変な名前つけて逆に見つからなくなる。

フォルダに分けて保存すれば
見失うことはないはずなのに
急いでて適当に保存しちゃうことがあるらしく
それでも見つからなくなることは多い。

そもそも、なくさない方法

で、これを解決する画期的な方法を
使ってる人がいた。

なんとファイル名をやたら長くする作戦。

これが何のファイルなのか、
タイトルじゃなく文章レベルにしてしまう。
「〇〇製薬の第2回プレの差し戻しに対する提案」
みたいに内容をそのままファイル名にする。

一見、余計にわからなくなりそうだが、
ファイルを見つける方法を
最初から検索にする、と割り切ってしまって、
フォルダなんかは作らない。全部並列にする。

あえて整理しない、という完全に逆転の発想だ。

かなりトリッキーで、
簡単に見つかるものにも検索が必要なので、
気に入らない人も多いとは思う。
まあ、面白いと思う人はお試しください。

「なくす」の汎用性

これまで話してきた「なくす」は
漢字で書くと「失くす」だ。

なぜか「なくす」はあんまり漢字で書かない。
基本は「無くす」だと思うのだが、
なぜかすんなり入ってこない。
「失くす」も読めはするが、違和感がある。
「亡くす」もそうだ。
文脈の中で見るとすんなり読めるが、
唐突に現れると「むくす?」「しっくす?」
って一瞬思ってしまう。不思議だ。

なぜそう思うのかはわからないが、
大元の「なくなっちゃう」感覚は共通してて
その中での用途がいろいろあって
しかもその幅が結構大きいので、
結局トータルに表すにはひらかな、って
なってるのではないかと思う。

あと、複数の意味を兼ねてることもある。
「信用をなくす」って言うとき、
正しいのは「信用を失くす」だと思うけど、
結果的には「信用が無い」ことになるわけで…

うーんややこしい。
学問的な裏付けなんて何も無いので
この辺でやめときます。
最終的に信用を亡くすとヤバいです。

次回の言葉は「異和感の違和感」です。

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