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言葉のことばかり【はじめ】

はじめは偉い。

なんでも初めにやった人はえらい。
というか、なんでも最初に
やった人がいるってのがすごい。

初めにナマコとかホヤとか
食べた人はえらい。

でもまあ、こういうのは実物見れば
今でもギョッとするんでわかりやすい。

しかし考えてみれば、
カニだってウナギだって、
知らなきゃ虫と蛇だ。(ちょっと極端だが)

しかししかし、たぶん最初って、
そんなこと考えてないんだよな。
喰わなきゃ死ぬ状況なら、
なんだって喰うだろうし、
それ以前に、その時代の人類は
そんなこと考えない生き物だったんだろう。

ホントにえらいのは、
めったやたらにキノコ喰って
毒キノコで死んじゃった人ではなく、
それを見て「このキノコは喰えん」
ということを記録した人の方だ。

…ところで、
なんでこんな話をしてるのか。と言うと、
『初めに「脳味噌」という
 名前をつけた人って…』と思ったからだ。

…見たんだろうな。「いくさ」かなんかで。

しかし、それ見て
「ああ、これはミソみたいだ」と
冷静に考える人をボクは尊敬する。

「一」という名前

昔は「一」と書いて
「はじめ」と読む名前の人が結構いた。
最近はあんまりいないよな。

昔だって、つけるのには結構
勇気がいる名前だったんじゃないかと思う。

「一」だから。

書くとバランス取るのがすごく難しい。
いまタイピングしてて思ったのだが、
手書きはまだいい。
打ち文字だとさらに難しい。

鈴木一、とか、山田一、になるので、
遠くから呼ばれてるみたいになる。

「一」だから。

初めと始め

ややこしいのがこれ。初めと始め。
意味同じじゃないか。なぜ字が違う。

いやいや、
「初め」は時期なので止まっている。
「初める」とは言わない。
「始め」は開始で動きがある。
「始める」と言える。…でしょ。

だけど名詞と動詞で字を変える意味ある?
細かいやつだなあ。

しょうがないから
ニュアンスを楽しむことにする。

「初め」と「始め」の反対語は?

「始める」は簡単。「終わる」だ。
だから「始め」の反対は「終わり」。
もちろん「初め」の反対も「終わり」。

だけど「初旬」の反対は「下旬」でしょ。
いやいや「下旬」の反対は「上旬」。

じゃあ「月初」の反対は「月終」?
いやいや「月末」でしょ。
なんともややこしい。

さらにややこしくすると、
「年度はじめ」は「初め」で、
「仕事はじめ」は「始め」だったりする。
どっちも名詞じゃないのか?

3回くらい深呼吸して考えると、
「年度初め」は「時期」のことを言っている。
「仕事始め」は「始めること」行為を言ってる。
実は時期のことじゃないんである。

なので「仕事始めの日」と言って
はじめて「時期」のことになる。初めてね。

まったく…。
はじめに決めた人は何考えてたのかな。

次回の言葉は「見分ける」です。

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