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言葉のことばかり【ほどよい】

程良く酔う

この歳になって「程良く酔う」ことの
むずかしさを痛感しているのである。

「程良い」と言っても
自分が飲み過ぎないってことではなく、
その日いっしょに飲んでいる人たちの
「酔い方の足並みが揃う」ということだ。

お酒は、同じ量飲んでいたとしても、
そのときによって酔い方が違う。
気を使うメンバーだったり、
先に誰かが飛ばして行っちゃったとき
なんかは、かなり飲んでいるのに
ぜんぜん酔わないこともある。
(意外にこれが多い)

べろんべろんになっても、
全員が同じくらいべろんべろんに
なっていれば、まったく問題はない。
問題になりようもない。
(アタマも回ってないし)

ノリが加速して、その宴会そのものが
一種のトランス状態になる。
ここまでくるとそれは
「いやあ、昨日は盛り上がったネ」という
いわゆるよい宴会として記憶される。

程良くない人もいる

しかし
「お酒飲めないひとだって楽しい方がいい」
ということを考えるとこのべろんべろんは
ある人にとっては非常につらい場となる。

ノリだけでついてくる
すばらしい適応力を持った
下戸の方もいらっしゃるが、そうじゃないと、
その人にとってはつらいだけだ。
自ずとあまりつきあわないことになるし、
つきあってくれてもすぐに帰ってしまう。
これがすごくさびしい…。

先に酔っちゃった人はこれまた
ムリヤリ飲ませようとしたりするんですよね。
つまり「酔って盛り上がりたい」
タイプの人から見れば、
せっかく盛り上げようとしてるのに、
妙に冷静な人は気にくわないわけで…。

しかも自分が酔って冷静じゃないから、
普段より無礼なことを平気でやる。
これじゃあ飲めない人はますますイヤになる。
当たり前である。

楽しく飲むんだから、
飲み方を計算してどうするんだ、
という意見もあるだろうが、
うまくみんなの酔い方がそろって、
みんなが程良く酔った宴会はキモチいい。

程良い、は偶然か

しかし、程良いってのはむずかしくて、
前回行っちゃったから、とセーブすると
今回は逆に乗り遅れたりするのだ。
どうも中間というのはつかみにくいらしい。

だいたい計算しながら飲んでて
酔うはずもないんで、
ハナから矛盾してるのだが…。

そういう意味では、
みんなが程良く同じレベルで酔う宴会って
偶然の産物でしかないのかもしれない。
だからこそたまにあるそういう宴会は
すばらしいんである。
いやあ、昨日の宴会はすばらしかった。

と、ずっと「酔い」の話をしているが、
これじゃあ程良いじゃなくて「程酔い」で
ただの駄洒落ですね。
ホントは「程良い酔い」の話でした。

程良いと程好い

「ほどよい」は「程好い」と書くこともある。
どっちでもいいんだがちょっと意味が違う。

「程良い」はちょうど良い。
ちゃんと基準を持って判断する感じ。

一方「程好い」はあくまでも自分目線。
いわゆる「いい感じ」。

さて「程酔い」はどっちか。
なんか両方な気がする。
ちょうどいい程度に酔っていることで、
いい感じになってる。

主観と客観の具合がほどよい感じ。

「ほろ酔い」って缶チューハイがあるが、
これの一段階上の酔い方をする
「ほど酔い」ってのを出したらどうかな。
隙間商品、最近多いから意外にいけるかも。

次回の言葉は「入りと明け」です。

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