note_BOOKマガジンカバー_hati-01

いちばの本棚〜蜜蜂の生活〜

2019年5月掲載
文:はちまつ養蜂農場 松本恭子
・・・・・・

 名張市のお隣伊賀市と隣接する奈良市月ヶ瀬で養蜂を営んでいる「はちまつ養蜂農場」です。

今年から第3水曜日の里の市に仲間入りさせていただいてます。
~一度お味見だけでもして下さいお待ちしています~


今回ご紹介する本は、モーリス・メーテルリンク著「蜜蜂の生活」です。

メーテルリンクの生い立ちを初めににご紹介します。

1862年ベルギー生れ、1949年にフランスで生涯を終えました。1890年頃は、詩集や多くの戯曲も書き、ドビッシーが曲をつけたオペラが人気だったようです。1906年にティルティルとミティルの兄妹が幸せを探しに旅に出る5幕10場からなる童話劇「青い鳥」を、発表しました。

「博物神秘学者メーテルリンク」を伝える昆虫3部作の最初の作品「蜜蜂の生活」は、1901年。
2部作目の「白蟻の生活」3部作目の「蟻の生活」を1930年に発表しました。1911年には、ノーベル文学賞を受賞しました。

メーテルリンクは「博物神秘学者」であり、自然を冷静に見つめながらも、そこに神秘的な内面の世界を見出すという、独特の魅力的な感性の持ち主であったようです。 私は、メーテルリンクのことを、昔の童話作家だとばかり思っていたので、数多くの業績にビックリ!! 読んでみて再びビックリ!!

美しい言葉が、蜜蜂と一緒に飛び交い、大空いっぱいに想像の羽が広がります。久しぶりに詩集を読んでいる感覚になり忘れていた感性がムクムクと現れました。

小規模養蜂はこの本が書かれた118年前から、あまり進化していません。蜜蜂を愛し、注意深く養蜂を独自の視点で観察した記録史でもあり、現在でも教科書として立派に活用できることばかりです。

実際メーテルリンクは「蜜蜂荘」と名付けた南フランスの家に住み、毎日巣箱に赴い観察を続ける有能な養蜂家であったようです。

たまに思う時があります。蜜蜂を飼うという事は虐待?この本の最終章に、こん事が書かれています。

7章 種の進化 
蜜蜂は自分たちが集めた蜜を誰が食べるかのか知らない。同時に、私たちが宇宙に導き入れる精神の力を誰が利用することになるのか、私たちは知らない。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?