マニュアル笑顔を煙たい顔に変えたのもまたこれ私の持ち味なんじゃないかなとか真夜中の言葉をテンション通り綴ると

お時間いただきまして誠に有り難うございます

ご丁寧な顔でさきっちりメイクした彼女が
頭をマニュアル通りの角度で下げた時

私は少し悲しくなって

思い切り丁寧さのカケラもない、マニュアルなんか無視したまんま 気持ちしか入っていないお礼をしてみたよ

そんな不器用にしか生きていけない自分がちょっと情けなくて同時に誇らしくて、複雑さ

カラスが夜中に鳴くから 通りで汚れたこんな街には 空が暗くけぶった色をしてる

あーあ もうちょっとだけでいいから
もう少しほんの少しだけ
あざとく計算高く美しく正確で、悪どいような
それでいてカラッと乾いた人生なんてものを
送れるような私に産まれてみたかったな

でもそんなこと うまくできっこないのは充分わかっている そうさ小心者なのさ

夜中にカラスが鳴くから あたたかい人生に乾杯するために缶コーヒーをあけてさ
煙たいような顔したご丁寧なあの顔を思い出して笑ってやろ

どうやら面白おかしく生きるのは
どんな風な人生でも可能だナ

私は私のまんま それだから いいんだろ
そんな風に思ったりなんかする
こんな街の片隅夜明けも近い公園の木の下で
カパリと開けた缶コーヒー 飲み干したらそうだ君の笑顔なんかを思い描いたりする