2016年3月の記事一覧
それなのに
私の名前をつけた酸素が
君の眼前で燃え尽きる
なぜ救えないの
言葉で繕っても隠しきれない
この夏君に降る雨は
非公式な法でも裁けない
君を守れないの?
上手に大人になったりしないで
抗ってその羽根を守り切って
私の魔法が届いたら
その力を信じればいい
持て余すほどの花束を
君は笑って
夜も朝も吸い込んだ
たどり着いた屋上で
きっと一緒に透明になろうね
私の月が欠けていくのは
貴方が時々感じるむなしさの所為
恋の向こうにあるものが
ただの愛に他ならないと信じているのは誰
肺に咲く睡蓮は時間を知らない
私のための魔法は星屑になって増え続ける
貴方の裏切も燃え尽きて
じきにその目が私の月になる
夢のなかで許される接続
2行目を捨てて
思いつく限りのわがままを並べて怒らせたい
水鉄砲で壊せない
貴方は消費されるだけ
水面下で結ばれる糸
結句を書いて
完璧なまでに嫌になるほど甘やかされたい
掴めるものは何もない
貴方は共有されるだけ
私を安心させるため
時折浮上して息を継いでよ
眠る愛情を浪費して
プライバシーを消費して
私達はひたすらに消耗するだけ
深海で泣いたら私には分からない
地熱みたいな恋を探して色を変える君
疲労する前に見つけるから
だから時折浮上して息を継いでよ
見失って二人はぐれないように