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Re-post Magazine

100
リポスト集。過去にポストした詩をマガジン関係なく拾って落とします。
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2014年12月の記事一覧

さかな

私を安心させるため
時折浮上して息を継いでよ

眠る愛情を浪費して
プライバシーを消費して
私達はただひたすらに消耗するだけ

深海で泣いたら私には分からない
地熱みたいな恋を探して色を変える君
疲労する前に見つけるから

だから時折浮上して息を継いでよ
見失って二人はぐれないように

無題

オフィス街
錦鯉
誰が最初に気がつくのかな
わたしが、私だってこと
彼に会いたい

フラッシュ
逃げろ
なぜ、なぜ?

赤い頬に触れて
冷たい手を愛した
なんて不器用なんだろう
まるで硝子細工のように扱う

右から数えて2番目の冬
奇跡は起こる
傷口がふさがる
次の火傷を愛でる

ビルの群れ
雨の中、傘の下
フラッシュを焚け
向上心のない迷子
興味関心が散る

飛べ

飛び込む胸を迷った
その一瞬に失った
オフィス街が消える
わたしの明日はどこ

心に響く歌なんて描けない
人の嘘しか見抜けない
才能難民キャンプはここ
埋もれないようにただ生きろ

与えられたすべてを食べても
わたしは変わらずに求め続ける
まるで壊れてる
朝はまだなの

移り気なうさぎ
世界を知らないから
オフィス街の一角
難民キャンプと一緒に消える
飛び立つ羽根さえ持っていたら

アイドル

わたしのなかに埋もれる
わるい夢を発見してよ
息を止めてくちびる合わせる
そんな遊びに明け暮れた日々

未知のツールで探し出せる
既知の合図で通じ合える
そうでしょ

わたしのなかに埋もれる
わるい夢をほどいてよ
息を止めてくちびる合わせる
そんな遊びすぐ飽きるから

別の名前で呼び合える
アイコンになって狂い始める
待ってよ

無題

その柔らかさも全部全部まがい物さ
目に見えないものを信じてる人には敵わない
それに苛立っていつからかあたしは空を飛び始めて
気がついたら似合わない服が増えてた

子どもの頃よく見ていた怖い夢をまた見始めて
最近癖になってた甘い儀式をやめてみようかと思うの
不眠がもたらす弊害なんて知ったこっちゃないけど
底知れない罪悪感は身体が覚えてる

未来に当てなんて無いのさ
根っからの怠惰症と無計画のせい?

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無題

ビニール傘で守れるくらいの物で
あたしは満足できなかった
貴方はいつも優しかったけど
あたしはそれに気づけなかった

ねぇ、もういい、もういい?
聖域はもうすぐ暴かれる

花の蜜を吸って
光を愛して
爛れていく肌を見ているしかなかった
そろそろ飽きたよ

ねぇ、もういい、もういい?
かつて栄えたページ0

あふれてしまったゴミ箱
横目で見ながら胃液を飲んだ
人事部は凄惨な場所
答えなど知らない

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女子会レビュー

諦めてるあの子は毎日のように自殺
何もかも諦めることに執着してる
それで、結局あなた何を諦めたって?
ごめんよく聞こえない

キャベツはおかわりじゆうです
甘いお酒もすすみます
女は黙ってカシスオレンジ?
ごめんなさい生中ひとつ

100は信じない
120までは信じない
90しか信じない
悲しいことだらけ

アイスで締めて、さよなら
暗い夜道で出会ったなら
返事をしちゃいけないという忠告
守ってる

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中毒

宇宙の黒を信じたのが原因で
その学者は射殺されてしまった

はじめて咥えたそれは
燃えるような味がした
いずれ落ちる穴を下調べしなきゃ
なにも怖くないように

彼の孤独が兎に角おいしそうで
あたしはすっかり信じてしまった

消えたくなったらおいで
抱きしめてあげる
一緒に駆け出す準備だって出来てる
透明になる方法も知ってる