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就活が、終わりまして

長らく放っておいたので更新を。

私の就活は、無事第1志望企業に内定をいただき、5月中旬頃に終わりを迎えました。
まずは、去年の就活準備が始まってからずっと応援し励まして下さった方々に心からお礼を申し上げます。就活中、心の支えとなっておりました。ありがとうございます。

新型コロナウイルスの影響で、今年の就職活動は困難を極めている人も多いと聞きます。私は早い段階で内定を頂くことができましたが、実際に、私の周りでもなかなか内定を獲得できない人は多くいます。企業研究、自己PRや志望動機等の書類作成、面接対策など、就活に向けて様々な準備を1年前から入念に行っていたにも関わらず、予想外の事態となってしまいました。特に4月中はほとんどの企業が採用活動をストップさせ、加えて自粛要請で気分転換もままならず、就活生は(もちろん就活生だけではないですが)不安という言葉では表せられない程の焦燥感や圧迫感を感じ、混乱していたことでしょう。就活で頭がいっぱいなのに、ウイルスにまで悩まされてたまるかって話です。こんな事態は二度とごめんですが、二度と無いことを願いながら、就活の思い出を書き記そうと思います。

就活が始まり、面接選考が増えてきた段階で、私は「就活って楽しい」と感じていました。面接官と話をすることが苦ではなかったわけではありませんが、企業の方とお話できる機会の多さに楽しさを見出していたのでしょう。こんなに多くの企業の中を覗き、お話ができるなんて就活生の特権ですからね。もちろん、私が受けてきた企業の面接官が、フレンドリーで、こちらの意図を上手くくみ取って会話してくださる方々ばかりだったことも影響していると思います。圧迫面接なんて受けたら多分立ち直れません。圧迫面接をやられようものならこっちから願い下げですが。

一次面接の段階では2〜30代の面接官が多く、この時が一番楽しくて好きでした。趣味の項目に「ライブに行くことが好き」と書くと、決まって好きなアーティストを聞かれます。そこで「ポルノグラフィティです」と言うと皆さん反応してくれます。いわゆる世代と言われる方々なのです。そこで会話が弾み、顔を覚えていただけることが多かったです。ポルノグラフィティを好きになって良かったと常日ごろ思っていますが、まさか就活においても思う機会があるなんて。もう一生ついていきます。

また、面接で「言葉遣いが丁寧」「敬語等の扱いがしっかりしている」と褒められることが多かったことが印象深いです。特に面接のために練習したわけではなく、割と自然に話していたつもりです。大学のゼミに入ったばかりの頃、新ゼミ生歓迎会で先生に「弟か妹いるでしょ?言葉遣いしっかりしてるもんね」と言われたことがあります。真逆の、兄がいる末っ子なんですがね。就活中、何度も褒めていただける部分だったので、自分自身の強み、自信に繋がり、親に心から感謝しました。私の両親は、言葉遣いに関しては少し口を出してくる方でした。特に祖父母や親戚に対する言葉遣いです。無礼で乱暴な物言いはせず、敬語を使わずとも敬意を払うこと。正に「親しき仲にも礼儀あり」。それを昔から教えられてきた上に、中学で上下関係の厳しい部活に入ったことで更に目上に対する言葉や態度が鍛えられたのだと思います。面接で言葉遣いを褒められ、親からの教育が就活で活きていると実感する度に、両親を誇らしく思いました。

もちろん、こんなに良いことばかりでもありませんでした。
自信あった企業からお祈りメールが届いた時、バイトの休憩中だったこともあり最初は「わー、これが本物のお祈りメールってやつか」とか思ってましたが、帰宅後改めて見たら現実味を感じ、やはりショックでした。その後からむくむくと湧き上がってくる焦りと将来への恐怖と不安。「ああ、これが就活だ」と他人事のように現実を眺めていました。「たった一つのお祈りメールが何だ。焦るな、他がある」「落ちた。やっぱり私は駄目なんだ。もうどこにも就けない」と、頭がぐるぐるしていました。このまま考え続けるとおかしくなると思ったので、縁が無かったのだとなるべく深く考えないようにしたことで、割と私は立ち直りました。たまに引きずるけど。

コロナウイルスが蔓延してから、選考結果もお祈りメールも届かない、音沙汰のなくなった企業もありました。気になっていた業界も、コロナウイルスの影響を多大に受けていることを知り、エントリーを断念したこともあります。これはまさに今、この状況下での就活でないと味わえないことだと思いました。ウイルスに左右される就活。しゃしゃり出てくんなウイルスって常に思ってました。

第1志望の企業は、選考結果を全て郵便にて通知します。筆記試験は自信があったので難なく通知を見ることができましたが、一次面接が不安で不安で、郵便が届いてもすぐに封を開けられませんでした。メールならもう少し気を楽にして見られるのに。なんとなく雰囲気で察せるのに。たった紙切れ一枚を入れた封筒がひどく重苦しいものに感じました。とりあえず落ち着こうと、YouTubeでお笑いを見ました。封を開ける勇気が出るまで。30分後くらいに、思い切って封筒に手を伸ばし、そこからまたしばらく両手の中でもだもだと持ち続け、やっとハサミを手に取って封を開けました。大好きなONE PIECEのランダム缶バッジを袋から取り出す時だって、ポルノグラフィティのライブ当落結果を見る時だって、こんなに緊張しませんでした。折りたたまれた紙を取り出し、そのまま開かずに紙を透かし、よく見れなかったので紙の端を恐る恐るぴらりとまくり、細目で覗き込みました。「合格」という文字が無かったのでひやりとしましたが、「次の選考案内」という文字を見て、涙腺がぶわりと緩みました。最終選考が受かったわけではないのに。一次選考なのに。でもどうしても不安だった。怖かった。本当に怖かった。ああ良かったと、一人でしばらく泣いていました。ここでもまた、「ああ、これが就活か」と他人事のように思っている自分がいました。ちなみに最終選考は少し自信があったので結果に涙は出なかったものの、やはり封を切るのに時間はかかりました。郵便こわい。

就活を終えて振り返ってみると、実際に就活したのは約3ヶ月程とはいえ常に不安と混乱の中にいたので、疲労感と脱力感、開放感を強く感じました。去年からインターンや企業研究、書類作成、企業説明会等たくさんの準備を行ってきて良かったと改めて思います。これらをやってきたからこそ、コロナウイルスの影響があっても何とか対応出来ました。準備って大事。しすぎて損はない。企業説明会は、志望している云々関係なく、好きな企業や気になっている企業も見に行っていました。聖地巡礼的な感覚で。割と楽しい。

就活を終えてから、就活中の友人から相談を受けることが増えました。自己PRを見てほしい、面接で何を聞かれた、などなど。不安だという話も聞きました。心から「頑張って」と思っているけど、それを言葉として伝えるのはどこか軽く感じられて気が引けます。かと言ってそれを補う程の語彙力を持ち合わせてないので、「ずっと応援してる」「何かあったら何でも力になる」くらいの言葉しかかけられないのは少し歯痒かったです。その分、文章を見てくれと言われたらしっかり読んで出来る限りの助言をして、自分の体験の記憶を思い起こし、必要なら参考になるサイトを調べて共有したりしました。選考に進む企業の店舗に行ってみたいと言われれば、付き添いもしました。少しでも力になれてたらいいなあ。

就活を終え、まだまだ自粛が必要な世の中、なかなか思い通りの学生生活を送れず平凡な日々を送っています。もっと遊びまくったり、親にお金を借りてでも海外旅行行ったり、ライブやフェスに死ぬほど行ったり、就活後に描いていた夢の学生生活はどこへやら。ゼミのオンライン授業と卒論、バイトの日々。他の人からは「楽でいいじゃん」「暇を楽しんでおきな」とか言われますが、就活を頑張ったからこそ「楽」と言われる今があるわけで就活なめんなとも思うし、こんなどこにも行けないがんじがらめな暇ならいらないです。ちょっと愚痴っぽくなってしまいましたが、一刻もはやく世界が落ち着いて元通りになって、大好きなライブにまた行けることを心の底から願っています。はやくポルノグラフィティに会えますように。

ありがとう就活。色んな世界を見せてくれて。大事なことを沢山気づかせてくれて。私を成長させてくれて。
また向き合う時が来るかもだけど、その時はその時。

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