木実の名は。(2) 〜はじまりはいつもソヨゴ
木や草や花や実の名前をさらっと言える人になりたい! そんな昔からの思いを急に達成したくなったのでシリーズ化しました。きっかけはこちら。ログはこちら。
さて、前回は「きっかけ」について書いたのだが、今回からは具体的に木や草や花や実の名前を知っていこう、と思う。
前回書いたように、毎日3キロ走っているので、そのラン周回コースに「木のお馴染みさん」を作っていくのが、ボクの「木実の名は。」の第一歩目だ。
お供は、「PictureThis」というアプリと、林将之さんの本。
アプリは前回くわしめに紹介したので、今回は林将之さんの本について軽く紹介しながら書いてみたいと思う。
まずは記念すべき一本目。
ランの前に毎回必ず見る、玄関の木だ。
うちは一軒家で、ちょうど門を出る手前の敷地内にこの中背の木が生えている。
それをマップに書き入れるところから始めたいと思う。
こんな感じ(↓)。
そう、調べたら、ソヨゴ、という名前の木であった。
玄関にある木である。いままで何万回とこの木を見てきたはずだ。
なのに、名前すら知らなかった。そして観察もしなかった。
でも、今日からはもう名前を知った。美しい友情の始まりだな、ルイ。
ということで、一本目を書き入れよう!
え、これ、3キロ分、毎回ひとつひとつ書き入れていくのかって?
ええと、毎回1本ずつではないし、全部書き入れるわけでもない。
でも、何本もいっぺんに書き入れても覚えられないので、少しずつお馴染みさんを増やしていくつもり。
たぶん100本は書き入れることになる気がするw
うれしいな、お馴染みさんが100本も。
毎日のランがとても楽しくなる気がする。
ちなみに写真で撮るとこんな木である。
写っているのは若い葉っぱだけど、全体に色は深い緑。たしか秋には赤い実がなっていた。いまは青い実が少し見える。そのうち熟すのだろう。
PictureThisをかざして撮ってみて、名前がわかった。
ソヨゴ。
ソヨゴねぇ・・・はじめて聞いたよ。
ソヨゴ。
ソヨゴソヨゴソヨゴ。
・・・覚えにくいな。
冬青、という漢字名はかなり素敵だ。
自分の家の木なので、ちょいとちぎってみた。
アプリで名前はわかったけど、たまにAIの判定が間違えることと、葉っぱのカタチや生え方をきちんと観察するクセがついた方がいいので、アプリと本に二本立てで観察していきたいと思う。
本はこれ、林将之さんの名著。
主にハンディな上の本を使っているけど、たまに大判のこちらも確認する。
まぁ「木の名前を知りたいなぁ」と思う人には有名な人なのだけど、簡単に言うと「葉っぱのカタチから木の名前を知るための分析方法を編み出した人」なのだ。
では、その方法で上のちぎったソヨゴの葉っぱを観察してみよう。
特徴はこうなる。
不分裂葉
互生
全縁
・・・ふふw
はじめてだと全然わからないよねw
でもたとえば、葉っぱは、不分裂葉(ふぶんれつよう)と分裂葉(ぶんれつよう)がある、と知ると、「おー、そう言われればそうだ」と思うと思う。
逆に言うと、いくつかの例外を除いて、すべての葉っぱはこのふたつに分類される、ということだ。
不分裂葉は、字の通り分裂していない。
分裂葉は、モミジとかがそうだけど、葉っぱが分裂してる。
そして、次に互生(ごせい)と対生(たいせい)がある。
互生は絵の通り、枝から互い違いに葉っぱが生えている。
対生は向かい合って葉っぱが生えている。
まぁでも感覚としては、ほとんどの葉っぱが互生な気がするな。
※使用しているイラストはmacのkeynoteについていたイラストで、上の「対生」で上げたのは適当なイラストではないかもしれない。羽状複葉かも。
で、全縁(ぜんえん)と鋸歯(きょし)。
葉の周囲がなめらかなのが全縁。
ギザギザの鋸(ノコギリ)みたいになっているのが鋸歯だ。
ギザギザ、意外と多いんだよな。
そしてギザギザにもいろんなパターンがある。おもしろい。
あとは、常緑樹と落葉樹があり、広葉樹と針葉樹がある。
これらはまぁ理科で習った程度にはわかる。
それと、羽状複葉とか掌状複葉とか針状葉とか鱗状葉とか、また、例外や見分けにくいパターンなんかもあるんだけど、そういうのを少しずつクリアし、あとは科や属も理解していくと、木がだんだん見分けられるようになる(はず)。
まぁ数年かけてゆっくり知っていこう、と思う。
さて、あらためてもう一回、「今日の木」ソヨゴを見てみよう。
まずは、分裂していないから「不分裂葉」で、互い違いに枝についているから「互生」で、ふちがなめらかなので「全縁」だ。
さらに言うと、「ふちが波打っている」とか、「中央の葉脈が明るい色で目立つ」とか、「他の葉脈は見えにくく全体にのっぺりしている」とか、「実が長い柄の先についている」とか分析していって、木の名前を絞っていき、本で特定していくことになる。
これが林将之さん方式。
いや、もうアプリで木の名前わかったからええやん、というのもわかるけど、こうやって観察を積み重ねていくとそのうち知見が溜まって、もうちょい深い世界に行けるかも知れない、じゃん?
アプリで調べて「はぁそういう名前かー」とわかるだけではなかなか記憶に定着しないので、必ずこういう観察はしていこうと思う。
そして、そのうえでWikipediaで調べてみる。
ソヨゴ・・・ソヨゴ(戦、冬青、具柄冬青、学名:Ilex pedunculosa Miq.)は、モチノキ科モチノキ属の常緑小高木。別名フクラシバ。
あぁ、モチノキ系なんだ。
Wikipediaから少し引用すると、
風に戦(そよ)いで葉が特徴的な音を立てる様が由来とされ、「戦」と表記される。常緑樹で冬でも葉が青々と茂っていることから「冬青」の表記も見られる。「冬青」は常緑樹全般にあてはまるため区別するために「具柄冬青」とも表記される。
フクラシバの別名は葉を加熱すると内部で気化した水蒸気が漏出することができず、葉が音をたてて膨らみ破裂することから「膨らし葉」が語源とされる。
なるほどねー。
毎回こんなに丁寧に書いてはいかないけど、とりあえずひとつひとつ「お馴染みさん」を増やしていこうと思う。
今日はまずはソヨゴを覚えた。
生まれて初めて知った名前なので、なかなか覚えにくいけど、こういう名前は一度覚えさえすればきっと忘れない。
ランするとき、いつも最初に見る木、ソヨゴ。
はじまりはいつもソヨゴ。
ということで、明朝から「お、ソヨゴ、おはよう!」とか挨拶できる。
楽しいな。
もっと早く知ればよかった。
※
ちなみに、葉っぱには「生き残り戦略」があり、それぞれにこういうカタチになったのではないか、と、林将之さんが考えていった本がこちら。
ん? どーゆーこと?
と思う方は、林さんのサイトではないけど、こちらとか読むと面白いかも。