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木実の名は。(1) 〜木や草や花や実の名を知ると日常がより豊かになる気がする


ちょっと前にとても素敵な記事を読んだ。


平凡な都会の風景の写真を見て、写っているものの名前をできる限り教えてくれ、と呼びかけた記事なんだけど、もう「善きインターネット」「驚異の集合知」の典型で、賢者たちが寄ってたかって名前を解明していった。

全般的にものすごく「カッコイイ」のだけど、ボクが特にチョーカッチョエー!と思ったのは植物の賢者たち。

背の高い街路樹はイチョウ、その足元の街路樹はツツジ、左手のレンガのビルの植え込みのはカイヅカイブキ、とかでしょうか。
メリケンカルカヤは時期的にアレかもな…こういうとこによくいるけどな!
手前っかわのヒョロヒョロ出てる感じを見ると、カモジグサの仲間かホソムギの仲間かもしんねぇぞ!
オオアレチノギクも…キク科の何かはいそうだけどな!

その奥の生垣は多分アベリア、げぇ路樹は多分イチョウ、(続く)


・・・うわあ、カッチョエ〜!


そういえば、昔から「木や草花の名前をさらっと言える人」になりたいと思っていたんだった。「なりたいな」と思っていただけで何の努力もしなかったんだけどw

でも、やっぱカッチョエーよなぁ・・・。
すげえ憧れるなぁ・・・。

しかも目に入ってくる普通の風景が、急に賑やかになる。

「お、サザンカだ」「お、デュランタだ」「お、アベリア・ビフロラだ」とか、いままでただ「木」としか認識してなかった物体が、急に存在を主張し、目に飛び込んでくるようになる。

それって毎日の「営み」を実に彩り豊かにしてくれるのでは?



とはいえ、急に植物図鑑を持って歩いて木の名前を調べていってもきっとダメだ。

漠然と「木の名前を知りたいな」と思って調べても、自分ごとにならないとすぐ忘れちゃうし、そのうち飽きてしまうだろう。

でも、なりたいな。
植物の賢者になりたいな。
毎日それなりに多忙だけど、そんな中で飽きずに着実に木や草や花や実の名前を知っていく方法はないだろうか・・・

(3日ほど時間が経過する)

・・・そうだ、まず「木のお馴染みさん」を作る作戦はどうだろう。


ちょうどいいことに、いま1000日チャレンジで毎日毎日3キロ走っていて、家を出てからちょうど3キロの周回コースを、ボクは持っている

同じ道を毎日ハムスターのようにぐるぐる走っている。
そのコースで「木のお馴染みさん」を作るのだ。

「おはようハナミズキさん。今日もハナミズ出てるね」とか「おはようケヤキ! 相変わらずヤキ回ってるね」とか「あー、今日はつらいな。でもあのクチナシのとこまでとにかく走ろう」とか、少しずつお馴染みさんを増やしていくのだ。

これなら覚えるし、怒りのための「なにくそラン」も数倍は愉しくなるのではないかな。


え? どうやって名前を知るのかって?
植物事典を持ってランするのかって?

いやいや、いまや便利なアプリがあるのである。

この「PictureThis」というアプリ。
植物の写真を撮ると数秒で名前を特定してくれるのだ(AIを使って1万種以上の植物を98%の高精度で識別できる、というのが売り)。


※無料期間はあるけど、基本「年2900円」という強気な設定のアプリなのでご注意を。また、無料と有料のボタンがわかりにくくてクレームが発生しているようなのでそこも注意。


どんな風に使うかというと、たとえばこんな風。

ランのコース上に木を見つけるじゃん? そしたらアプリを立ち上げて、スマホのカメラを向ける。そうするとこんな花型が出てくるので、判別しやすそうな部分をよりアップにして、シャッターボタンを押す。

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で、シャッターボタンを押す。
※シャッターボタン左の「アルバムから選択」というのは過去に撮った写真の木を調べるときに使う。

そうすると、こういう結果がでる。

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おお!
実に優れている!


まぁ判別結果が100%信用できるわけではないけれど、ド初心者にとっては誤差範囲。説明も詳しいし、栽培法やいろんなTIPSも教えてくれる。

うんうん、これこれ。
さっそく課金して(月240円くらい)、今月頭くらいから使い始めた。

これで、ラン周回コースに「木のお馴染みさん」をゆっくり増やしていこうじゃないか!


つうことで、白地図を作ってみた。

ここにまず「あそこの角の木は?」「あの坂の目印になる木は?」「いつも手入れがいいお庭のあの木は?」と、ポイントポイントの木を書き入れて、少しずつお馴染みさんにしていこう。

スクリーンショット 2020-06-17 10.23.23


とはいえ、このままでは応用が利きにくい。

この「木のお馴染みさん」を軸に、いろんな木を見分けられるように少しずつなっていきたい。

これに関しては、強力な本がある。

両方とも林将之さんの著書なんだけど、まずはハンディなこれ。

ポケット版の本ながら、葉っぱのカタチから検索ができる優れもの。

そう、普通の樹木の葉っぱのカタチから、系統だって分類し、しっかり判断できる本なのだ。

そして、大判の本ならが、ハンディな上のものよりもより詳しいこれ。



この「林将之さんが提唱している分類法」を覚えて、「木のお馴染みさん」をその系統に当てはめてしっかり理解すると、そのうち応用が利くようになるのではないだろうか(予想)。

この本と、その分類法については次回に書いてみたいと思う。


ということで、「木実の名は。シリーズ」、ゆっくり始めます。


・・・木とか葉っぱを知っていくのは、美術を知っていくのといっしょで、あまり食事のことを思い出さないから気持ちが楽だw



ログはこちら


※※
著者の林将之さんの本は他にもいろいろ買って楽しんでいる。
そういうのも次回紹介します。


※※※
名前を知ることの功罪はある。
名前を知った時点で、ヒトは観察をやめるからね。
ボクもそんな記事を以前書いている。
ただ、名前を知ると、単なる「名もなき風景」が自分ごとになるという利点もある。
一番いいのは、どっちもやること、かな。




古めの喫茶店(ただし禁煙)で文章を書くのが好きです。いただいたサポートは美味しいコーヒー代に使わせていただき、ゆっくりと文章を練りたいと思います。ありがとうございます。