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木実の名は。(9) 〜 アオギリって鳳凰が棲むありがたい木らしい。マジか。

木や草や花や実の名前をさらっと言える人になりたい! そんな昔からの思いを急に達成したくなったのでシリーズ化しました。きっかけはこちら。ログはこちら


ボクが一番好きな花はアジサイなんだけど、その季節もそろそろ終わってしまうね。

そんな中、ラン・コースのガクアジサイが、最後の輝きを見せていたので1枚。

アジサイって、額に囲まれた真ん中の地味な部分が花なのだけど(周りの花びらに見える部分は「装飾花」と呼ばれている)、なんかその花の部分が妙に色気を出していて、すごい生命力を感じた。

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さて。

木の「お馴染みさん」をひとつずつ作り、見分けがつく木を増やしていくこのシリーズも、それなりに経験値がついてきて、少しずつ「観察する視野」も広がってきた。

たとえば、いままでずっと「葉っぱ」だけに注目していたんだけど、ようやく「幹」が目に入ってきた

いや、いまごろ?って思うじゃん?
そんなもんなのよ、素人だから。木なんてまったく目に入ってなかったんだから。

つか、あらゆる勉強や努力に当てはまることだけど、こうやって少しずつ視野が広がるのって楽しいね。


で、幹や樹皮が目に入ってくるようになり、気になりだしたのがこの緑っぽい幹。幹が緑の木があるぞ?

そういえばよく見るなぁと思ったけど、あらためてよく観察すると他の木に比べるとかなりユニークな幹だ。

↓特徴的な梅の木(カクカクと直線的に曲がる枝)越しに撮ってみた。緑でしょ?

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全体像はこんな感じ。
背が高い。
そしてラン・コースにわりといる。

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葉っぱはかなり特徴的。
5つに裂けている葉っぱは、カエデのでかいの、って感じか?

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分裂葉で互生、全縁(ギザギザしてない)だ。
なんかウチワになりそうないい葉っぱ。

うーん、なんだろう・・・ということで「PictureThis」で撮ってみよう!

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アオギリ!
青桐!

なるほどー、桐かー!

本『葉で見わける樹木』によると、

幹が緑色なのでこの名がある

そうだ。

なるほどー、だからアオギリなのね。もう忘れないな。


ついでに、こんなことも知った。

古代中国で「鳳凰が棲む」という謂れのある桐とは、アオギリ(梧桐)である。


ほーおー!

なんと、ほーおー!


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すごいな、アオギリ。

現金だけど(万札だけに)、もうすっかり見る目を変えたよ。

ついでに言うと、日本国政府の紋章にもこれが使われていて、それは、この「鳳凰が棲む」という伝承にならったものらしい。

ただ、桐紋としてデザインされているのはアオギリではなく、別種のキリ(白桐)である、と。


ほーーー、これね。

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なるほど、これはアオギリじゃないけど、本当はアオギリだったんだ!


へーへーへー!
超大事な木じゃん、アオギリ。



鳳凰が棲むっってすごいやん。
しかも日本で桐紋が使われるのはそういう由来だってすごいやん!

知らんかったーーーー!


ちなみに中国人にとって季節感とも深い関係があり、アオギリの葉が色づくのは秋の代表的な景色だそうだよ。


そういえば、白い花をつけているアオギリもラン・コースの中で見つけた。

ちょうど今が花の季節なのだね。


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引いて撮ると、こんな感じ。
うしろにいるケヤキの大木に混じってしまっているけど、白い花の部分がアオギリだ。

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ということで、マップに書き入れてみる。

意外といた。
ピンク部分はアオギリの並木。

わりと大通りにアオギリは使われることが多いようだ。

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ということで今回は「アオギリ」についての発見でした。

ちなみに、日本で有名なのは「広島の被爆アオギリ」

被爆して生き残ったアオギリだ。

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古めの喫茶店(ただし禁煙)で文章を書くのが好きです。いただいたサポートは美味しいコーヒー代に使わせていただき、ゆっくりと文章を練りたいと思います。ありがとうございます。