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ぬか床1000日チャレンジ175日目 〜百戦錬磨の猛者たちにスルーされた

1000日チャレンジ」の一環で、マイぬか床をゆっくり育てておりまして。
たまに経過などを書いていきます。
今までの流れ: 初日ぬか床作り、10日目初めてのぬか漬け、15日目初めての成功、25日目水出し、40日目塩味が足りない!、70日目ゴーヤー、82日目ナスの古漬け、91日目カ、カビ?、135日目ほっとけ漬け


ぬか床を育て始めて元日で175日になった。

途中で「冷蔵庫に入れてサボる」という技を覚えてしまい(冷蔵庫に入れておくと1週間くらい混ぜなくても大丈夫)、「ほっとけ漬け」ばかりになった時期があったんだけどw


でも、年末年始は違う。
年末年始はぬか漬けをサボらず美味しく作らなければならない。

なぜか。

百戦錬磨の猛者たちが来襲するからである。


佐藤家は、大晦日・元日・2日と三日間、我が家にボクの両親義母叔母が来てご飯を共にする。

※ うちは二世帯住宅で1階に両親が住んでいる。2階がボクの家だ。正月は義母と叔母が泊まりに来るので、朝と夜はうちでご飯を食べるのである。


そう、ついに、ぬか漬けの「家族以外デビュー」なのである。

しかも、相手は70歳80歳の主婦たち。
百戦錬磨の猛者たちである。

相手にとって不足なし!


大晦日の夜。
今年も無事にみんなが集まった(もうみんないい年齢なので、来年どうなるかわからない)。

満を持して「きゅうりのぬか漬け」を出した。
2日前に仕込んだもので、わりと漬かっている。

試食してみたが、ちゃんと美味しくできている。

うん、うまい。
これなら出しても大丈夫だろう。

期待される「成果」は、「あら、すごいじゃない、ぬか漬け漬けたの? 自分で? へー!・・・あら、ちゃんと美味しい」みたいな褒め言葉、である。


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ボクが厄介な食物アレルギーになってしまったおかげで、2年前から「おせち」を食べられない我が家なのだが、つまり、大晦日や正月っぽくない料理ばかりが並ぶ我が家なのだが、その中にさりげなく「きゅうりのぬか漬け」のお皿を混ぜておく

ドキドキドキ。

んー、なんか、さりげなさすぎて誰も気づかないな。
どうカミングアウトしよう・・・タイミングが難しいぞ。

そのとき、対面に座る義母がこちら側にあるお皿に手を伸ばそうとした。

いまだ!
そのお皿を取ってあげながら、さりげなくアピールしてみた。

「どうぞー。
 あ、それと、これ、ボクが漬けたぬか漬けです。これもどうぞ」

すかさず横の母親が反応する。

「え? これ、ナオユキが漬けたの? へー」 

「あら、ナオユキさんが漬けたの? それはそれは」と義母も乗る。

うん、いい流れだw

で、ふたりともきゅうりを取って自分の小皿に載せた。


ドキドキドキ。


ドキドキドキ。


ドキドキドキ。


「あら、そろそろ紅白はじまるんじゃない?」
「ああ、もうそんな時間ね。早いわねー」


・・・・・・・・そ、そのまま会話が続くんかい!



ふたりはきゅうりを確かに食べた。

うん、カリッと食べた。食べていた。

でも、きゅうりにまったく言及しなかったのだ。



なして〜〜〜〜!



なんか、スルーされたのに「ところでぬか漬けの味、どう?」とか訊くほどの勇気はボクにはない。

とほほほほ。




・・・いーや、チャンスはまだある。

その日は大晦日だし、紅白とかもあったし、たぶん会話が盛り上がりすぎただけである。たぶんな。

問題は元日だ。



翌日。
2020年元日の朝。

ボクは「大晦日より半日分余計に漬かったきゅうり」を出した。

味見してみる。
うん、こっちのほうがぬかが効いていて美味しい。

よし、これならきっと褒めてくれるだろう。


例によって、さりげなーく食卓に置いた。

古漬けのようないい色である。


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今回は最初から反応してくれた(やった!)。

「あら、これもナオユキが漬けたヤツ?」と母。

「へー、すごいじゃない。忙しいのに」と叔母。

うん、これまたいい流れだw


義母も含めて3人、カリッときゅうりを齧る。

カリカリカリ。

ドキドキドキ。


・・・母がおもむろに口を開く。

「それで、明日はどこへ行きましょう?」と母。
「さあ・・・どうしましょうか?」と義母。
「新しいビルが増えた渋谷とかどうですか?」と妻。
「でも渋谷って混んでない?」と叔母。



・・・・・・おいー!!!!!



ぬか床を育てるなんてことが普通だった昭和の主婦たちは手強かった。

ぬか漬け作るなんて当たり前すぎて、なんのトピックにもならないのである。


・・・まぁそりゃそうか。

そりゃそうだな。
普通のことだ。

だいたい、褒められるために漬けてるわけではなかろうよオレ。

というか、一口齧って「あれ? これ、すごく美味しい!」とか思わず言わせるところまでちゃんと漬けようよオレ。

いつもわりとサボっているくせに高いこと望むなよオレ。



余計な下心なんか持たず、粛々と漬けていこう。


ぬか漬けマスターまであと825日。



カブも漬けたよ。
うまかったよ。

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古めの喫茶店(ただし禁煙)で文章を書くのが好きです。いただいたサポートは美味しいコーヒー代に使わせていただき、ゆっくりと文章を練りたいと思います。ありがとうございます。