闘アレ生活(1) 〜食物アレルギーと闘う日々を書いていきます
アレルギーと闘う(闘病ならぬ闘アレ)と決めて、2週間が経った。
一年半前のある夜にイタリアン・レストランで食べた鯖によって、突然何の前触れもなくアニサキス・アレルギーになり、アナフィラキシー・ショックで死の寸前まで行った。
このことは、今後「アニサキスという寄生虫が存在しうるすべての食材」を避けて生きないと、死ぬ可能性がある、ということを意味する。
それ以来「魚介類全般」口にしていない。
アニサキスは海の魚すべてに存在する可能性がある寄生虫だからだ。
参照:
「アニサキスにあたって、一生ほとんどの魚が食べられなくなった話」
「アニサキス・アレルギー、食べていいモノだめなモノ」
「食通・さとなおさん、魚で瀕死「一生食べられないのか」」(朝日新聞記事)
当初は「治る可能性がない」と思っていたので絶望的な気分になったし、周期的に鬱っぽくもなった。
それはボクが無類の食べ好きというのもあるが、基本的に「日本人で魚がNG」というのは Quality of Life 的に相当キツイのだ。
ただ、ある時、成人食物アレルギーを専門とする医師との出会いがあり、「治せるかもしれない」とわかった。
くわしくは下記リンク先を参照してほしいが、その第一歩が、魚介類完全除去である。ダシもエキスも含めての完全除去だ。
それまでも食材としての魚介類は、生も焼きも煮も練りも避けてきた。
それだけでも充分にきつい。
でも、その代わり、と言ってはなんだけど、ダシやエキスは自分に許してきた。だってそこにアニサキスはいないじゃん?
アニサキスがいないことだけが理由じゃない。
ダシを除去すると、外食は全般的にとても難しくなる。汁物だけでなく、ダシを使う料理は日本ではとても多いのだ。
エキス除去もきつい。
コンビニなどの加工食品で、裏の食材表示を見て欲しい。カツオエキス、サバエキスなど、多くの食材で書いてある。それらを食べられないとなると食品購入自体もすさまじく制限される。
というか、「隠し味」まで考慮すると、ダシやエキスを使う店はゴマンとある。
そうなると、外食って無理だよね???
そんな生活無理だよね???
いいじゃん、ダシやエキスくらい!
という悲愴な理由で、ダシやエキスは自分に許してきたのである。
でも、こう言われた。
「まずは3年間、ダシやエキスも含めて、完全に除去してみましょう。ダシやエキスにもアニサキスの成分が溶け出していることは充分に考えられます。それらも除去して、まずはアレルギーの数値を下げていきましょう」
・・・そういう指導である。
そして、そうやって少しずつ数値を下げていったあと、少しずつ食べられるものを解禁していって(減感作療法)、様子を見ながら全部で10年かけて治してみましょう、というトライである。
そのためにはまずは3年間・・・約1000日だ。
約1000日の魚介類完全除去が必要だ、ということである。
若干の逡巡はあったものの、闘うことに決めた。
理由はいくつかあるが、一番大きいのは、「もうアニサキスに受け身でやられっぱなしなのはココロが持たない」というのが主な理由だ。生きていけないレベルでココロが持たない。
逆に言うと、「闘える」なら、人生に前向きになれる、ということだ。
だから、闘うことに決めた。
闘アレである。
ここまでが、これまでの経緯である。
ドラマで言ったら「前回までのあらすじ」を荒い編集でザァーッと見せる部分である。
さて。
ここからが本編ならぬ「本編予告」w
え、予告!? 本編始まるんちゃうの!?
ごめん、いい加減もう長いし、次回からゆっくり連載していきたい。
そう、これから定期的に、「闘アレって、どんな感じ? どんな生活? どういう気持ち?」っていうのを書いていきたい。
小児の食物アレルギーはわりとポピュラーだし、理解もある。
でも、彼らは(子どもだけに)表現がそんなにできない。
彼らが細やかに傷ついている感じは、なかなかわかりにくい部分もある。
だから「突然アレルギーになった気分」「毎日の生活でつらい部分」とか、なかなか伝えられないだろう。
その点、ボクは大人であり、本も10冊以上出してきている。
多少は言語化できると思うし、すでに一年半このアレルギーとつきあってきた経験もある。
そのうえ、一般的に成人食物アレルギーは、「花粉症といっしょで、いつどんなきっかけでなるかわからない」という特徴がある。
つまりは、あなたもいつどんなアレルギーが突然発症するかわからない、ということ。
そうなると、生活が一変する。
マジ一変する。
そうなったとき、この連載が少しはお役に立つかもしれない。
読んで「おお、ご同輩・・・」と少しでも心穏やかになったり、「こいつに比べるとまだマシか」と慰めになったり、「あ〜私も闘アレして治す方向でがんばってみようかな」と前向きになったり。
だから、記録に残しておくのはきっと悪くない。
というか、きっと誰かの役に立つ。
ということで、書いていくことにした。
不定期連載ですけどね。
そして、自分のつらさと向き合うので、情緒が安定しているときでないと書けない。
だからゆっくり書いていこうと思います。
古めの喫茶店(ただし禁煙)で文章を書くのが好きです。いただいたサポートは美味しいコーヒー代に使わせていただき、ゆっくりと文章を練りたいと思います。ありがとうございます。