歴史_

salmonsの歴史③ アフリカの手触り

今回は、Salmonsの歴史シリーズ第3回。
前回はこちら。

帰国した私たちは、
旅で感じた感動や興奮を周りの人に伝えたくて、
友人や家族、周囲の人たちに、話をします。

旅がどんなに楽しかったか、
カンガが映えるダルエスサラームの街並みが
どんなに魅力的か。

イスラム教徒が多いけれど
戒律には比較的緩めで、
普通に外食ができたダルエスサラームのラマダン
(お店のメニューはちょっと少なめ)。 

ダルエスサラームの後に滞在した、
キリマンジャロを望む田舎町。

鶏の鳴き声で目覚め、
市場に買い出しに行き、
家の庭で洗濯して、ごはんを食べて、
暗くなったら自然に眠って。

泊めてくれた家のおばあちゃんがお祈りをする姿に、
生活に宗教がしみ込んでいる様を肌で感じ、
感動したこと。

しっかり者のお兄ちゃんと、小悪魔的に可愛い妹の、幼い兄弟。

カンガをスカート代わりに腰に巻き、
彼氏のバイクの後ろに乗って
いつも楽しそうに通勤するお姉さん。

そこでのゆるやかな暮らしが
どんなに穏やかだったか。

ダルエスサラームのプロテスタント教会で、
門番のおじさんが
普段は入れない屋根裏、鐘のところまで
連れて行ってくれたこと。

そこから、海をのぞむダルエスサラームの街並みをみたこと。

たまたま始まった結婚式で、おそろいのピンク色に身を包んだ出席者たちが、
歌ってリズムをとりながら
結婚を祝福していたこと。

大量の電池を売り歩いてるお兄ちゃんや、
焼きバナナばっかり一日中売ってるおじさん。

「ポレポレカマコーベ(亀のようにゆったり生きる」)
というスワヒリの諺を教えてくれた、
土産物屋のお兄さん。

旅で私たちが感じたものは、
ただ
「物珍しい土地に行った」
という興奮だけでなく、当たり前だけど
「そこに暮らしがあるんだ」
という、手触りのあるものでした。

それは、知らず知らずのうちに
タンザニアを「援助が必要な対象」
としてみていた、
私たちにとっても意外なものでした。

この感覚をつたえようと、まわりのひとたちに話をしていたのです。

ところが、そこに大きな壁が立ちはだかっていました…