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<006>「200万円で家を買おう!」なぜ598万円で手を打ったのか

「200万円で家を買おう!」、実際に探してみると、200万円で買える家はけっこうあります。ただ金額だけで探すのであれば、選べる数ありました。なのになぜ予算の金額を増やしたか。それは「お金」と「もの」に対する価値観の問題かもしれません。

200万円前後の空き家を探して実際に見ていくうちに、私はだんだん違和感を感じてきました。不動産屋さんは「安いでしょ?」という感覚ですが、私にとっては200万円でも決して安くはありません。すぐに住める状態で残されている空き家は少なく、誰も使っていない、何年も人が住んでいない、壊れている、中に残された不用品がある、という状態のものがほとんどです。この時点で、私はそれが「巨大なゴミ」に見えました。その土地や場所に対する思い入れや、買った時の価格、建てた時の費用は別として、今お金ととりかえるものの価値として、壊れている、使いたい人がいない、いらないものが汚れた状態であふれている、掃除をするだけでは使えない、これは私にとって「ゴミ」でしかなく、それはたとえ1円だとしても「ゴミを買う」感覚。今ゴミを捨てるにもお金がかかるので、「捨てればいいや」という簡単な判断はできませんでした。

<注>
今回、実家(埼玉)から3時間以内を条件に山梨を候補として中古物件を見たので、200万円前後の物件は少なかったですが、北海道、東北、関西、九州、山梨でも場所をしぼらなければ、インターネット上の情報では、100万円以下でもすぐ住める状態の良い物件はありました。地域によってかなり価値観が違うので、中古物件の価格と状態を見ると、その地域の価値観が見えて面白いです。

売る側の感覚では、「ほぼ土地の値段」であって、上(建物)はオマケのような感覚らしいのですが、そのオマケを使えるようにするまでに費用がかかり、処分するにも費用がかかるのに、オマケを使いたい人がいないその土地に、そもそもお金と交換する価値があるのかな?って思いました。 それって、誰かが作った「土地は資産」っていう考え方ありきの話だよなって。
どんなに安く買ったとしても、土地と家は買った時から「固定資産税」という、土地や家を所有しているだけで払わなければいけない税金が発生します。住めない状態でも、掃除中の期間も、その先もずっとかかるので、購入時の価格と同じくらい重要。その固定資産税が払い続けられる金額であるか、払い続ける価値があるかどうかも考える必要があって、今まで積み重ねて来た自分の中の価値観を試す機会になりました。

固定資産税
土地と家屋に別々にかかるもので、家屋は古くなるにつれて評価が下がり税金も安くなる。中古物件を購入してリノベーションすると、その価値は上がり税金が高くなる事も。ボロいままの方が税金が安い。(空き家問題に取り組む気ゼロっぽい政府)土地は、下水やガスなどライフラインの条件、道路や交通の環境などが評価対象。3年ごとに見直しあり。

私はものを買うとき、まず「この先一生使えるか」を考えます。なので、使ってゴミになるしかないものを買うのがすごく嫌で、この家探しはすごく悩みました。どんなに安い物件でも、家の中が処分しなければいけないゴミで溢れている場合、物件自体の価格にゴミ処分費用が追加になります。実際はその合計が購入費用で、プラスその労力と時間が必要です。あげく、自分がたくさんゴミを出す事にもなる。どれだけそこにあるものを引き継いでまた使えるようにできるか、そのあたりも考えて、私たちは、「すぐに住める状態」「土地の広さ」「自然がいっぱいの環境」にこの金額を払う価値があると思ったのと、ここの自然を大切にしたいと思って、598万円で購入を決めました。

購入を決めた理由まとめ
・土地が広い(1,000㎡)。家は2階建約100㎡。中古にしては築浅(築28年)
・家主さんが体調不良から定住できなくなっても、別荘として使用中で、家や土地に愛着をもっている
・居住棟とは別に家主さんが陶芸に使っていたアトリエ棟あり
・畑ができるスペースあり
・近隣に家がない
・使用感の古さはあるけれど、すぐ住み始めるには問題ない
・標高900m
購入後に考える必要がある事
・上下水道はなく、井戸水と自家浄化槽設備である事
・浄化槽のブロアーにかかる電気代
・家主さんは過去10年、浄化槽の法定検査をした事がないため、状態の確認が必要
・井戸水の水質検査をしてからでないと、水の確保方法が確定しない
・井戸水を組み上げるポンプの電気代と、停電時の断水問題
・プロパンガスのガス料金(都市ガスより高くなる)
・シカとクマに注意
・家主さんが片付けきれなかった家の不用品の処分は私たちが手伝うことに

今回私たちは、「完全に空き家になる前の家」を買う事ができました。「空き家問題」って、人の価値観、思い出、家を購入した時に払った金額、法律、税金、ゴミの処理、相続などなど、関係している事柄が多すぎてすごく複雑だってことを、知識としては知っていたけれど、自分が実際に見ることで、改めてその大変さを実感できました。

そんなこんなで、運良く納得できる家を買う事ができました!
私たちはもともと貯金をしないふたりで、手元にあったお互いの現金を全てかき集めてこの家を買ったので、スタートは貯金ゼロ。目標は自給自足なので、いい挑戦になりそうです。

家を買う時に感じたことは、不動産に対する価値観ってどこからくるの?誰が決めるの?という事。購入時の金額に執着していたり、相場っていうふんわりしているものでその家の価格を決めていると、きっと空き家は増えるだろうなって思う。その値段じゃ買いたい人がいない家が空き家になっていくだろうなって。家が余っていて、家が欲しい人がいるなら、誰かが住んだ方が絶対に良い。固定資産税なんて、全員から取る必要あるのかな?家を建ててローンを払い終わっても、一生ついてくる固定資産税、賃貸で2年に1回古くなる度に払わされる更新料、不動産ってほんと不思議ビジネス。雨に濡れずに寝れる場所を、もっと簡単に平等に配分できればいいのに…。

中古でも自分に合えば家を買いたいと思っている人は、ぜひ一度、物件検索を!見るだけでも楽しいです。ゴミになる前に、大切に使って生かしてくれる人が増えるといいな。そして、大切にした家を次の誰かに住んでもらえるように…

家の寿命を延ばすために「ものを大切にする」って意味を、もっと考えたい。私には「空き家問題」と「ゴミ問題」は同じものに感じます。


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