見出し画像

ここから始めよう!中小企業の営業活動⑤最終回【専属の営業職がいない場合】

中小企業の経営者の皆さん、『ウチは積極的に営業活動しても意味がないんだ』『営業するような業界じゃないんだ』そう諦めていませんか?
でも売上は下がっていて、ジリ貧であれば何らかの営業活動は必要ではないでしょうか?

これまでのまとめ

では、
〇営業とは無駄と無意味によって構成されていると理解する事。
〇他のスタッフに意見や情報を求めること。
では
〇主な既存客の過去10年間の月次の売上推移を出し、正確に状況を把握する。
〇売上が激減している既存客にメールし、お会いする事。
そして、その要因を丁寧に聞き取ること。
では、
〇商談への考え方
を解説させていただきました。
そして前回では
〇お客様へのアプローチを増やすことの大切さとその理由
を解説しました。


【ご理解いただきたいこと】
本題に入る前に、申し上げます。
前回同様、今回の内容も全ての中小企業の皆様にピッタリと当てはまる訳ではないと正直にお伝えしておきます。
売上を増やすベストな方法は100社あれば、少なくとも100通りあります。
全く同じ悩みを持っているように見える企業が10社あっても、その解決方法は少なくとも10通りあります。
何故なら、悩みが同じであってもその企業が持つ人員、意欲、経営者の性格や好みがそれぞれ異なり、実現可能な事、やりたい事、やりたくない事もそれぞれ異なるからです。
結果として、誰かが一見合理的な提案をしても、その経営者やスタッフが自らの意志で「これをやろう」と思えなければ、机上の空論でしかありません。
ですので、私が企業に対してアドバイス(どんな営業活動をすべきか)をする時は、【この企業ができること、やりたいと思えることで、売上を増やすことが出来るのはどんな方法か?】という視点で考え、経営者と意見交換を重ねます。
私の提案を「それはやれない」「やりたくない」と拒否しても全く気にしませんし、その場合は別の手段を提案します。

しかし、ブログは不特定多数の方に向けて発信する媒体ですので、これから読んで頂く方がそれぞれどのような状況にあるのかが分からない以上、こうした事は叶いません。
ですので、これから提案する内容はあくまで【まずはこのように考えてみてはいかがでしょうか?】というシンプルな内容をまとめたモノだと思ってお読みください。

今回でシリーズ最終回です。


今回で『ここから始めよう!中小企業の営業活動』シリーズは最終回です。
何故なら、今回含めた5回で、どの中小企業にもある程度当てはまるという条件下でお伝えできることは、ほぼ語り尽くすからです。
当然のことですが、何が必要でどんな方法がベストかという事は企業においても営業職においてもそれぞれ全く異なります。
営業の世界では、アニメに出てくる必殺技のようにカッコ良くて、それさえ出せば必ず勝てるというモノは存在しません。
それくらい共通して助言できることは実は少ないとも言えますし、真剣に助言を考えれば考えるほど助言する側に柔軟性や引き出しの多さが必要になってくるとも言えます。
ですので、これ以上先の事は語れば語るほど、読む方によって役に立つ、立たないという差が大きく生まれるので、不特定多数の方が読む媒体であるブログ記事の内容としてはやるべきではないと考えています。

本題に入ります。その前に・・・

今回は日常的なアプローチとして、何故私が『まずはメールから始めよう』と提案しているのかを解説します。

営業活動を阻害する二大要因

多くの方が営業活動に二の足を踏む理由、営業という仕事に苦手意識や苦痛や抵抗を感じる理由は大きく分けて以下の二つではないでしょうか?
Ⓐ目に見える結果がいつ出るのか見えない。
Ⓑお客様の反応が怖い(相手に冷たくされる、怒られる、ひんしゅくを買うのではないかと不安である。)


ⒶⒷ共に、本来は特に気にする必要はありません。
いやむしろ気にせずに、一歩一歩お客様へのアプローチを淡々と積み重ねていくべきです。
しかし、営業活動をあまり経験していない方がそう思うのは無理もないことだと思います。
そこで解説します。

結果が出る時期が見えないことをどう考えるべきか?


Ⓐ目に見える結果がいつ出るのか見えない。
から解説します。
結論から申し上げて、この点については諦めるしかありません。
その通りだからです。
ただ営業活動がどこかで必要になるとしたら、半年後よりは今日の方が恐らくマシだろう、とだけは言えます。
何故なら、それぞれの既存客が今と同じような付き合いをいつまで続けてくれるかは誰も分からないからです。明日突然注文が途絶えるかもしれません。

既存客の担当者が別の方に変わるかもしれない、担当者自身が選ぶ基準を一方的に変えるかもしれない、既存客の全社的な方針が変わるかもしれない、既存客が倒産するかもしれない、そしてあなたの会社のライバル会社の存在です。
こちらで予想もコントロールも全く出来ないライバル会社の存在は、仮にこちらが既存客をいかに大事にしようと、それだけでは既存客の購買活動を維持も予想もコントロールも全く出来ないという事を意味しています。
その脅威に常にさらされている以上、本来はこちらが常にお客様にアプローチし、常にライバル会社より先行すべきです。
そして、そのような局面を少しでも多く作り出すべきです。
そう思って始めるしかありません。
危機感を抱く前に始める、少しでも抱いたら今すぐ始めるべきだということです。
味も素っけもない話ですが、これが営業という仕事の現実ですので、言葉遊びをせず、正直にお伝えしておきます。

お客様の冷淡さをどう捉えるべきか?


次に
Ⓑ相手の反応が怖い(相手に冷たくされる、怒られる、ひんしゅくを買うのではないかと不安である。)
について解説します。
これは慣れるしかありません。
しかし、公平に言うならば、お客様の厳しい、または冷淡な態度は、あなたとの信頼関係が構築されるまでの期間限定モノです

あなたとの信頼関係さえ構築してしまえば、お客様は意外と優しいです。営業活動をやればやるほど分かると思いますが、特に熱心で誠実な人にはお客様は意外なほど優しいです。

当然のことですが、お客様は私たちと同じ人間であり、悲しいこともあれば嬉しいこともあり、泣くこともあれば笑うこともあるでしょう。
本来、お客様だけが特別厳しかったり、冷たいはずがありません。
厳しかったり冷たい方はむしろ少数と言えますし、当初はそうした対応だった方も徐々に打ち解けてきます。
むしろこちらが誠実に真面目に仕事に取り組んでいれば、ほとんどの場合において親切に接してくれます。

まとめると、
Ⓐ目に見える結果がいつ出るのか見えない。
⇒実際そうだから諦めるしかない。でも自社を守る為にはやるしかない時が来る。その時が来れば早い方がいい。
Ⓑ相手の反応が怖い
⇒慣れるしかない。でもお客様はそれほど厳しくも冷たくもない。
というのが正直な答えになります。

そして、その二大阻害要因は・・

そして、もう一つ言えることは、こうしたことはどんなに優秀な営業職も共通して持っている課題であり、慣れによって多少軽減するだけで、こうしたことを完全に払拭している営業職など恐らくほとんど存在しません。
結果を出しながら、こうした事と常に向き合っています。
これが営業という仕事の現実であり、紛れもない営業職の真の姿です。


しかし、頭でわかっていても・・・
という方は多いと思いますので、そういう方の為に
ここから更に解説します。

ようやく本題です。

この二つを比較的和らげる方法が【メールから始める事】です。

訪問する時と異なり、基本的にお客様の反応が分からないので冷たい反応によってこちらが凹むこともありませんし、メールはお客様の都合のいい時に読めるので、タイミングの悪さによる冷たい反応のリスクも少ないと言えます。
(タイミングの悪さによるリスクは訪問だけでなく、電話にも勿論あります。)
受信したメールに対して腹が立つこともあるでしょうが、お客様がそのネガティブな感情を表現する方が難しいので、最悪でも無視される程度で済みます。こちらのダメージはほぼゼロです。
無視されたら、「忙しくて返事を忘れていただけだ」と自分の都合のいいように考え、1か月後にまた送ってみてください。


このように書き出してみると、幼稚な理由だと思われるかもしれません。
しかし、現実として、多くの方が営業活動に二の足を踏み、自分自身が必要だと思う一つ一つのプロセスをこなせないのはほとんどの場合、原因は「自分自身のモチベーション、テンションの低下」です
先程の二大阻害要因も敢えて一言で言うなら、この一点に集約されます。

よって、営業活動を邁進する者が最も大事にしなければならないのは、他人がどう思おうが、自身のモチベーションとテンションの管理になってきます。

こうした事は先程の「お客様は基本的に優しい」と矛盾しません。
何故なら、お客様とあなたとの人間関係が構築されるまで、あなたの誠実さや熱心さを評価するまでは冷淡な態度、もしくは反応がないという期間はどうしてもあるからです。

まとめ①

営業活動を止めるのはモチベーション・テンションの低下
⇒モチベーションの低下を生むのは人間関係未構築のお客様の冷淡な態度
⇒❶お客様の冷淡な態度を減らすことを優先すれば
単純にアプローチ量を減らすしかない⇒アプローチ量の減少

⇒❷お客様の冷淡な態度を減らす事でなく感じないアプローチ方法を
選べばいい。
⇒メールが最も合理的

ということです。

メールの内容も凝った内容を送る必要はありません。

「以前お会いしたサトミ営業相談所の川端です。
一度改めて御社に伺い、弊所サービスの案内をしたいのですが
いかがでしょうか?
ご検討くださいませ。」

下記のように訪問したい・お会いしたいとストレートに送っても構いませんし、
或いは
「私どものサービスで何かお役に立てることがありましたら、何なりとお問い合わせください」と遠慮がちに送っても構いません。
ご自分が送りやすい、書いていて違和感がない内容で構いません。


禁止事項としては、凝った文章を書くことです。

メールの目的はこちらがお客様の冷淡な態度を感じにくいことで、お客様へのアプローチ数を積み重ねていくことです。
凝った文章を作ろうとすれば、メール1通の労力が上がってしまい、自らアプローチのハードルを上げてしまい、本末転倒です。
また凝った文章を作っただけでこちらの望むお客様の反応を生む保証はどこにもありません。恐らくほとんど変わらないと思います。
ですので、シンプルな内容のメールをとにかく数多く送ってください。

勿論メールをいくら送っても無視される可能性はありますが、既存客であれば返信してくれる可能性はありますし、新規客でも相手があなたを憶えていれば返事が来るかもしれません。

因みによく会社に送られてくるDMがあります。
ほとんどの方は無視すると思います。
でもそれは送り主をこちらが知らない、もしくは印象がないからです。

営業メールであっても、受信者が送り主を憶えている場合は返信する可能性は高まります。
だからこそ、出来るだけ最近会った方、あなたを憶えている可能性が高い方にメールを送ってくださいと言いました。

メールを送信すればアプローチが1、訪問が決まれば2、こんな風にカウントし、一つでもアプローチを増やすことを目指してください。

そして、こうしたアプローチの蓄積量がⒶのどこで結果が出るか分からない、の唯一の解決法です。

シンプルな営業の公式

何故なら、概ね
営業の数字=アプローチ量
だからです。
継続的にアプローチ量を積み重ねていけば、会ってくれるお客様も出てきますし、情報が入ってくる可能性も上がってきます。

結果が出ない営業職のほとんどは、忙しさやお客様の反応への恐怖から、必要だと思うアプローチをサボったり、後回しにした結果、忘れたり、タイミングを逸したりしています
その結果チャンスをも逃し、ライバル会社に売上を奪われています。

本来は営業活動として最も効果の高いやり方は会って話すことですが、最初からそれにこだわると、おそらく継続できないと思います。
まずは空いた時間にメールを次々と送り、その中から会ったり、メールや電話で情報交換が出来る相手を一人でも二人でも作るというところから始めてはいかがでしょうか?

また一日何件とノルマを自身に課すより、空いた時間があれば何件でも送るという形の方が継続しやすいです。


そして、それを週ごと、あるいは月ごとに集計し、どの程度アプローチしたかを検証してください。

まずはメールから量を意識したアプローチをする、ここから始めましょう!

御礼申し上げます

さて、今回で『ここから始めよう!中小企業の営業活動』シリーズは終了です。
予想以上に反響を頂き、色んな方がコメントや感想などを色んな形で送っていただきました。
ありがとうございました。この場を借りて、改めて御礼申し上げます。

営業という仕事への誤解を解きたい!


私から見ると、営業という仕事は大いに誤解されていると感じます。
巷に溢れる営業本や動画では「営業という仕事は高度で複雑で難解である。だから、色んな事を学ぶ必要がある」というメッセージで覆われているように見えます
これには大いに異論がありますし、こうした発信を見て、余計に営業という仕事の持つ面白さを営業職やビジネスパーソンから奪っているように感じます。

そうした背景もあり、弊所サトミ営業相談所を立ち上げ、企業の営業活動のアドバイスをする、営業職のお手伝いをするという仕事をしています。
ですが、私がアドバイスをする方には限りがあります。
単純に遠くて難しいという方も多いでしょうし、予算的な問題、社内的な問題もあると思います。
ですので、そうした方向けに来週から営業という仕事について、定期的に投稿・解説するシリーズを始めたいと考えています。

新シリーズを始めます!

その名も

「目から鱗のHow to営業」

です。
引き続きよろしくお願いいたします。

このような長文を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?