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母が重症筋無力症(GM)になりました。

重症筋無力症という難病指定の病気になってしまい私自身今まで一度も聞いたことがない病気でしたので、どのような症状でどのくらいの期間を病院で過ごしたかをいろんな方々のブログやInstagramなどを拝見し、とても参考になりましたので、誰かのためになればと思い症状の経過などを書きたいと思います。

初めに

母は介護職で働いていまして重症筋無力症の症状が出る前に新型コロナウィルス(COVID-19)のワクチンを終えています。

私自身は反ワクチンではありませんしワクチンも予約済みですが、一応調べたところイギリス政府が出している副反応のリストがあり、経緯としては書かなければいけないと思いました。こちらのリンクを見ていただければと思います。リストの中には目の副反応が多く、重症筋無力症(GM)の症状は少ないですが、報告されているようです。リンク先のPDFの冒頭には

All UK spontaneous reports received between 9/12/20 and 25/08/21 for mRNA Pfizer/BioNTech vaccine analysis print.
A report of a suspected ADR to the Yellow Card scheme does not necessarily mean that it was caused by the vaccine, only that the reporter has a suspicion it may have. Underlying or previously undiagnosed illness unrelated to vaccination can also be factors in such reports. The relative number and nature of reports should therefore not be used to compare the safety of the different vaccines. All reports are kept under continual review in order to identify possible new risks.

とありますので、要するによくわからない。ということです。

と言いましても、私自身は誘発された可能性があるのではと考えてしまうため、母がワクチンを打った日にちを記録していましたので残しておきます。

ワクチン1回目、4月22日(ファイザー)

ワクチン2回目、5月17日(ファイザー)

初期症状(複視)の出始め6月11日より1週間前頃

複視症状が出始めました。複視症状は二重にモノが見えるような症状です。

6月11日には複視症状がひどくなり、車の運転ができなくなり仕事に行けない状態でした。なので私が母を眼科に連れて行きました。母は6月11日より1週間ほど前に他の眼科へ診察に行っていますが、改善しなかったため別の眼科に行きました。6月11日にtwitterへ眼科の写真をアップしているので日付は確かです。

脳かもしれない?

眼科に行った後、改善しないため1週間後に脳神経外科へ行き脳の方を見てもらいました。結果、何も見つかりませんでした。しかしこのあたりには眼瞼下垂という症状が出始めておりました。

眼瞼下垂(目が下る)、疲労感

眼瞼下垂というのは主に片目だけが下ります。母は一日中ほぼずっとベッドで休んでいましたが、筋肉疲労はとても感じていたようで体調が少し良くなると階段を登ったり、屈伸運動を少ししていましたが重症筋無力症の症状としては反復運動がとても大変なようで今思えば相当衰えを感じ辛い中でも頑張ろうとしていたのだと思います。

7月10日(土)

体調が改善されないため、「自律神経ではないか?」を疑いましたので、朝早く病院へ連れて行きましたがコロナの時期もあり、どの病院でも新規の患者は受けていないとのことでした。仕方がないので平日の朝なら新規を受け付ける病院を待つことにしました。この時すでに歩くのも困難な状況でしたが、毎日見ている私は変化に気づきませんでした。今思えばすでに重症に近い状況だったのかもしれません。

7月11日(日)夜10時ごろ

体調が大変悪くなり、呼吸がし辛いのとベットからの起き上がりも力が入らないとのことで、大変体調が悪いようで母から救急の病院に連れて行って欲しいと伝えられました。

この時私はまだ母が話しているため「安易に救急車を呼ばないで」というようなことを聞いたことがあるなと思い出してしまい救急車を呼ばず、市で一番大きな病院に電話することにしました。

しかし、やはり個人で電話すると緊急性があまり伝わらないのかその時は受け入れてもらえませんでした。その後どうすればいいかわからず、相談をしようと119へ電話をしましたが救急の方が「救急車を向かわせます!」とすぐに対応をしてくれました。

家に救急隊が到着し症状をいろいろ聞き出してくれました。やはり緊急性が難しいようで、受け付けてもらえるかわかりませんがいろんな病院に電話をしてくれました。いくつかの病院に電話をしてくれましたが、やはり最後は最初に私がかけました大きい病院になりました。

隊員さんが懸命にかけてくれたおかげでなんとか救急で見てもらえることになり、帰りの心配もあったので私は車でついて行きました。救急隊員の方々、病院の方々判断の難しい症状の中、本当にありがとうございます。

病院には午前1時頃に到着し、何時間もかかりました。こいう時の病院は誰もいなく、どうすればいいかわからない状態でした。後でわかりましたが待っている間、母はいろんな検査を受けていたようです。夜中なのに対応していただき本当にありがとうございます。2時間ほど待ち、先生からお話がありましたがこの時は「病名はおそらく判明しましたが点滴などで少し回復したので、また明日午後の3時ごろに来てください」と言われました。

家には4時ごろに到着し、翌日の午後から病院へ。

この時はまだ診察だけだろうと思っていたのでなんの準備もしていませんでした。到着しましたら一般診察から救急へと案内され、1時間ほどいろんな検査がされていたようで、先生から呼ばれましたら「重症なので入院です」ということになりました。正直なところ頭が真っ白になりました。

その時に初めて重症筋無力症という病名を聞きました。先生からは非常に丁寧な説明があり、今から起こりうる医療処置などの説明やサインしなければいけない書類がいくつかありました。この時はまだ全ての検査が終わっていなかったため病名の決定ではありませんでしたがクリーゼ(重症)という状態だったようで、重症状態だったようです。wikipediaにはこう書いてあります。

症状が呼吸筋に及び呼吸不全をおこし生命を脅かすものである。重症筋無力症の15〜20%では経過のどこかでクリーゼを経験していく。
経過
以下の臨床経過を経ていく
口周囲・咽頭筋、頸部の筋肉の麻痺による気道の虚脱
声帯外転筋の麻痺による喘鳴の発生
頻回の咳嗽に伴った横隔膜の疲労による気道分泌の除去不全
横隔膜、肋間筋、腹筋の脱力により有効な維持不能

ちなみにこの時点では母とは会話ができていましたので、そこまで悪いとは思いませんでした。コロナの関係でしばらく会えないことを伝えられまして、最後に母と面会した時に先生がアイスパック試験というものをしておられました。
wikipediaにはこう書いてあります。

アイスパック試験
冷凍したアイスパックをガーゼなどに包み3〜5分上眼瞼に押し当てることにより眼瞼下垂が改善すれば陽性である。感度は80〜92%、特異度は25〜100%とされている。

この時。明らかに改善していましたので、当時はもちろん知りませんでしたが後で調べたところ陽性ということになるのかと思います。

7月16日頃

日にちを記録するの忘れてしまいましたが、google mapに自分の行動を記憶させているため恐らく合っています。この日は先生に呼ばれ、病名の確定と今後どのような治療をしていくかを説明されました。

基本的には血漿交換という治療とその後はステロイドでの治療を予定しているとのことでした。入院時もですがたくさんの書類にサインと読まなければいけないので、これを具合の悪い本人がするのは大変なことだなと思いました。

私も胆石の摘出手術を経験していますが、発作が起きない限りは元気でしたので自分で全てにサインした記憶がありますが、大変さは忘れるものですね。

初面会

先生からとても丁寧な説明を聞いた後、母に会われますか?と言われましたのでHCUというICUの一歩手前のような場所という認識でいいのかわかりませんが、私が壁の説明を見たところ集中治療室は3つほどに別れているようです。

HCUに入ってみると、母は大変衰弱しており声も掠れやせ細っているように見えました。そんな中でも力を振り絞って話してくれ、手を握っていましたが握る力は確かに感じることができました。この時1回目の血漿交換の最中でした。

辛い状況で必死に話してくれていましたが、恐らくHCUにはたくさんの患者と看護師さん、お医者さんがいましたので聞かれなくて済むからなのか、なぜか当日は全てスペイン語で話しをされました。私自身2年ほど前にメキシコ人の父が他界してからほとんどスペイン語を話す相手がいなくなりましたが、子供の頃メキシコに住んでいた頃を思い出させるくらい最近では聞いたことのないくらい母の流暢なスペイン語を聞きました。不思議なことに普段は小さな間違いをするのですがほとんど間違えることがありませんでした。人間は必死だと不思議なパワーが出るような気がし、母の生きる気力がとても感じられ状態は大変な状態でしたが逆に力をもらった気がしましたし必ず回復すると思いました。この時、母は必ず自分の足で病院を出ると強く私に言いました。

この日、看護師さんより丁寧な説明と専門の説明員の方のおかげで高額医療費の申請と難病医療費助成制度の申請のための説明を受け、後日申請をしました。ありがとうございました。

7月22日

一般病棟へ移動するとの連絡がありました。
この時の電話で母から必要なものを言われましたが、声が大変掠れていたため聞き取れなく、「眼帯」と言われたのを「携帯」と間違えて見ることのできない携帯電話を届けました。
ちなみに届けたものは使わなかったものもありますが
・ストロー
・クリーム
・アイマスク
・病院内で使用するマスク
スマホ
・簡単な大きい文字で書いた手紙
を届けました。

ちなみに手紙はとても嬉しかったようで、何を書いたかは正直覚えていませんが書いて見るもんだと思いました。面会ができればここまでの苦労はありませんがこの時すでに宮城県や全国でのコロナ感染者数は爆発的に増えてきている状況でしたので、HCUはもちろん一般病棟での面会もしづらくなってきていました。

8月11日

この日まで母には会えませんでしたので、母がどの状態でも帰ってこれるようにお昼は主に家の大掃除と夜は仕事のアプリ開発をしていました。もしかしたら介護ベッドのようなものを置かなければいけないのでは?または手すりが必要かもしれない?などなど、いろいろ考えた結果、最初は掃除をしなければ何もできないと1ヶ月ほどかけ大掃除をしていました。

普段から綺麗にしていないと、いざという時に何も置けないと痛感しました。

面会

この8月11日にやっと面会が許され、先生からの状態の説明などを聞きました。母に会うまでは前回会ったときのイメージだったため非常に悪いのではないかと思っていましたが、先生や看護師のみなさまの懸命な治療のおかげでだいぶ回復しており、ペースト食のような食事を一人で食べれるようになっていました。声の掠れもほとんど取れていましたが、波があるようで声に弱さを感じました。しかし母は話すのがとても好きなタイプですので、意外とケロッとしていて一生懸命話してくれました。その劇的な回復はとても嬉しかったです。

ここまでで血漿交換の回数は恐らく20回近く行っているようです。母曰く10回以上でやっと改善してきたとのことです。

回復、退院

この後に徐々に回復してきまして8月20日あたりから徐々に電話もくれるようになり、元気だったりそうじゃなかったりで、私からは電話をせず元気のある日に電話をくれるような状態でした。そして徐々にリハビリーも始まり最初は立つのもやっとでしたが、歩けるようになっていき9月6日に宣言通りに自分の足で歩き、退院することができました。

胸腺摘除術

母には胸腺という腫瘍があるようで悪性ではないのですが、これが重症筋無力症の原因の可能性があるようです。といいましても摘出しても必ず治るわけでもないらしいのですが手術が控えています。今は安静にし、他のウィルスに完成しないように体力的に回復をしなければいけない状態です。60歳を超えているので考えなければいけないことも多いかもしれませんが、恐らく手術することになりそうです。難病は基本的に治ることはないか治すのが難しいかと思いますが、こちらのサイトにも書いてあるとおり

抗アセチルコリン受容体抗体が体から全く消えてしまうのを完治とするなら、この疑問に関してはほとんどの場合は答えは残念ながらNOです。しかし社会生活がおくれるように症状をコントロールすることはほとんどの患者さんの場合可能です。
重症筋無力症の場合は絶対直してやる、と意気込みすぎるのはよくありません。しかし、治らないのだ、と悲観するのはもっとよくないことです。ある程度活動できればそれで満足し、外に向かって出て行って可能なら社会活動をしてください。こもらないで、明るく病気と付き合うことが大事です

1日でも早くより今より良くなり、明るく元気に過ごしていければと思います。

今回、とても参考になったサイトやブログがたくさんあります。あと重症筋無力症のことを漫画で書いた、わたなベ すがこさんの「脱力系コミックエッセイ 重症筋無力症とほほ日記」はとても参考になりました。お医者様、看護師様、リハビリテーション技師様、病院で働いている方々、救急隊の方々、母の知人や知り合いで心配してくれた方々、いろいろサポートをしてくれた妹、メキシコの家族、本当にありがとうございました。



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