理学療法士としての10年間の経験から学んだこと
私が理学療法士として働いてきた10年間で最も強く感じたのは、技術や知識以上に「人と人との関係」が大切だということです。どんなに高度な技術を学んでいても、学会発表ができても患者さんとの信頼関係が築かれていなければ、その技術を十分に発揮することは難しいと感じます。理学療法士として、患者さんの体を直接ケアするだけでなく、彼らの気持ちにも寄り添う姿勢が求められます。理学療法士は、まず人としての礼儀や敬意を持って患者さんと接し、信頼を得ることが大切です。信頼されることで、技術が生きてくるのです。これは、理学療法士のみならず、社会で働く中で一番に重要なことになってくると強く思います。
次に重要なのが、「正しいゴール設定」です。理学療法士として技術や手技を提供することはもちろん大切ですが、それだけでは不十分です。患者さんにとってどのようなゴールを設定するか、ゴールを明確にすることは目標を一緒に共有し、その目標に向けて頑張る意欲につなげることができます。また、どこまでの回復が見込めるのか、評価を基に的確にゴールを明確に設定し、患者さんと共有することで、回復のプロセスを共に歩むパートナーとしての信頼関係がさらに深まります。ゴールに向かって具体的な計画を立て、それを一緒に進めていくことが、患者さんのモチベーションを保つためにも非常に重要です。
また、患者さんがリハビリを通して自立できるようサポートすることも、理学療法士の重要な役割です。リハビリのプログラムに従って身体を回復させることはもちろんですが、退院後も自分で体を管理できるよう、セルフマネジメントの方法を教えることが本当に大切です。日常生活に戻った後、患者さんがどのように自分の体と向き合っていくのか、自分で調整しながら生活できるようになることが、最終的な目標です。そのため、プログラムだけでなく、自宅でできる運動や日常生活での工夫についてもアドバイスするようにしています。
理学療法士としての10年間で、私は「患者との関係性構築」「正しいゴール設定」「退院後のセルフマネジメント指導」の3つが患者さんの社会復帰につながると実感しました。信頼を得て、共に目標を設定し、退院後も自分で体を管理できる力を身につけることが、患者さんの人生の質を高める一助となります。この3つの要素を大切にしながら、これからも理学療法士として成長し、患者さんのサポートを続けていきたいと思います。
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