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『急に具合が悪くなる』を読んで(ネタバレほぼなし)

「タリーズで泣いています。花粉症の振る舞いで、涙を拭きながら、途中、涙がこぼれ落ちるのを隠すため、トイレに駆け込んで嗚咽しました。」

今日は東京堂で買った『急に具合が悪くなる』読了。
「治らないフェーズの癌を抱えた」というと本人に叱られるので「常人なら根をあげる病を驚異の精神力で捻じ伏せる」哲学者・宮野真生子(真に生きる子❗️今気づいた)と「プロボクサーライセンスも持つ格闘家路線の」文化人類学者・磯野真穂の「入魂」と言ってもテンプレートではなく、本気で魂を入れて、何なら命を削って投げ合った、往復書簡という名の全力キャッチボール。
付箋は過去最多か。「そら、貼り過ぎじゃね」とツッこむ左手と貼る右手。ポストイット1.5ケース分。読んだ私もヘトヘトで、今は感想を書く力は…。
「是非、読んでいただきたい❗️」

これだけ付箋貼ると、もう切り取れませんわ。と投げ出すことも出来たのですが、二人の功績に敬意を持って、その偶然性を引き受けて、抜き出すフレーズは文化人類学者・磯野真穂のターンから、

「もし運命というものがあるなら、それは生きる過程で降りかかるよくわからない現象を引き受け、(中略)その中で出会う人々と誠実に向き合い、共に踏み跡を刻んで生きることを覚悟する勇気であるような気がしています。」
(中略・佐藤)

日々の忙し無さなど吹き飛ばし、穏やかな日常を取り戻せる(その覚悟を持てる)一冊です。

著者の思いにドップリ浸かれる
自称市井哲学者 佐藤学より

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