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あぁ、雨の紀伊國屋新宿本店。

雨の紀伊國屋書店新宿本店、11日の土曜に「15日水曜より休業」の発表があった。https://www.kinokuniya.co.jp/c/store/Shinjuku-Main-Store/20200412100010.html

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個人の思いはいざ知らず、法人のコンプラに引っ掛かれば即アウト、自粛だ。
弊社のような教育書版元にとって春は教育書フェアのシーズン。梅田本店に続く、新宿本店の休業は正直、痛手だ。

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「何か出来る事はないか?」
電話をしてみても繋がらない。それはそうだ。想像するまでもなく、各所対応で現場はてんてこ舞いであろう。
「足を運ぶしかないな。」
昭和生まれの営業の思考である。けれど、ただ伺って、社交辞令を述べるだけならば、行く必要はない。
ふと傍に、恐らく15日頃に搬入になるであろうはずだった新刊の見本が転がっている。
「これだ!」
この新刊は戦わずして負けるのか? いや後2日勝負できるじゃないか。仮伝を切り、いらなかったら持って帰る覚悟で本店に向かった。
売り場自体はそれ程混んでいる訳ではないが、教育書担当の中村さんは各所対応にてんてこ舞い。
「休業大変ですねえ(お悔やみ申し上げます)」
「ええ、今客注のキャンセルとか、各所対応でバタバタで」
「お忙しいところ大変申し訳ないんですが、新刊(のこの子たち)が恐らく15日搬入予定だったので、見本分から少しお持ちしたのですが、いらなかったら持って帰りますが。」
「えっ、逆にいいんですか? 2日しかないのに」
「ええ、結構です。返品もOKです」
「ハイ、じゃあ良いですよ、並べます」
「じゃ、下(仕入れ)行って、番線もらってきます。」

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(国語兄さんと算数姉さんに逢えた社会、理科)

中村さんなら、きっと取ってくれると思っていたが、手売りの感覚ってきっとこうなんだな、と少し小躍りして、仕入れに向かう。シンプルにとても嬉しかった。
下から戻り、商品を中村さんに渡すと、すぐに棚の方へ持って行ってくれた。その背中に向かって思わず歌ってしまったのは、尾崎紀世彦の「また逢う日まで」。
「また〜逢う日まで〜 逢える〜と〜き〜まで〜」
中村さん笑ってくれた。
また逢う日まで、お互い元気に頑張りましょう。

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(写真は1か月程前のもの、この日常をもう一度)


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