朝のテレビでしている占いって意外と合ってるのかもって話。
※僕がもしラジオパーソナリティーをしていたら絶対にフリートークで喋る!って思うような出来事がありましたので、今回はそんな内容です。
僕の心の声多めですが、ご容赦いただければ幸いです。
――――――――
嵐の二宮和也による自身初のカバーアルバム『○○と二宮と』を最近ずっと聞いています。とくに好きな曲はOfficial髭男dismの「Pretender」。
朝に髪とか乾かしながら聴くと、今日もアホみたいに暑いけれど頑張ろうと思えます。
僕は部屋でも外でも基本的にワイヤレスイヤホンをつけています。それが当たり前になっているんですよね。
聴いているのは基本的ラジオで、最近ちょこちょこ曲を聴く比率も増えつつあります。
暑いからですかね? いや、関係ないか。
僕は基本的にイヤホンで耳を塞いでいるのですが、一点やめなきゃなって思っていることがあります。
それは買い物をしている時にもワイヤレスイヤホンを外さず、音も一時停止にせずにお会計をしてしまうことです。店員さんが「袋いりますか?」とか「ポイントカードはお持ちですか」と言っているのが、かろうじて聞こえてくるので、「いえ、大丈夫です」と僕は基本答えるんです。
これって普通に失礼じゃないですか。
だから、やめようと思いつつ、つい先日もワイヤレスイヤホンをつけたままコンビニでコロッケパンとアイスコーヒーを買いました。
店員さんが何か言って「いえ、大丈夫です」と答えたんですが、商品を袋に入れようとし始めたので、右側のイヤホンを外して「袋、大丈夫です」と言った時、耳に違和感がありました。
イヤホンの先端を見ると、あるはずのものがありませんでした。ワイヤレスイヤホンにもよるんですが、イヤホンの先端にゴムがついている物を僕は使っていたんです。
単純に安かったから。
そして、その先端にあるはずのゴムがイヤホンの先端から消えてました。
コンビニのレジ前です。
イヤホンのゴムを落としたのであれば、すぐに拾わなければなりません。お会計を済ませ、商品を手早くエコバックに入れた後、コンビニの床に目を走らせました。
しかし、イヤホンの先端についていたゴムはどこにも見当たりません。
おかしいな、と思って耳に触れて気づきました。
耳の中にイヤホンのゴムが入っていることに。
最初は小指の爪でひっかけば出てくると思いました。なんてことない。簡単なことだと。
ええ、思いましたよ。
けれど、現実は残酷です。人生は思い通りにいかないものだとつくづく実感します。
イヤホンの先端にくっついていたゴムは僕の意思とは別に、小指の爪にぶつかって奥へ奥へと押し込まれて行きます。
あ、やべぇ。
ということで、プールから上がった後に耳に入った水を抜くように、右耳を下にして身体を振ってみます。
三十一歳の夏。オフィス街のド真ん中での水抜きけんけんです。耳の中のイヤホンのゴムより先に涙が地面に落ちそうでした。
イヤホンの先端のゴムは安住の地でも見つけたかのように、僕の耳の中に居座り続けています。本当に困る。しかも、あと数十分で出勤時間です。
え、イヤホンの先端のゴムを耳の中に住まわせて仕事?
いや、普通に嫌だ。
嫌だけれど、休む訳にもいかないので職場まで行き荷物を置いて、さきほど買ったコロッケパンを休憩室でかじりながら、ネットで「耳の中にイヤホンのゴムが入った」で調べます。
すると、耳鼻科に行って取ってもらうしかない、という意見が大半でした。自分で取ろうとすると、更に奥へ行って大変なことになる、とあります。
もうすでに大変だよ!
コロッケパンの味は一切しませんでした。
そこに後輩の男の子が僕の肩を叩いて、「おはようございます」と言って、オフィスに入っていきました。
その「おはようございます」がすぐには聞き取れませんでした。考えてみると当然なんですが、耳の中に何か入っている状態はつまり、耳栓しているようなものです。
まじで、これで一日過ごすはない!
そんな訳で、オフィスに入って上司を捕まえて、事情を説明し「今から耳鼻科に行ってきていいですか!?」と言いました。今月一番追い詰められた顔だったでしょう。
上司は「ああ、うん。分かった、中抜けってことにしとくね」とあんまり事情は飲み込めてないけど、とりあえず病院に行くのね、という納得をしてくれました。
出勤してくる同僚たちに逆らって、僕はオフィスを出て、エレベーターで一階に降り、ネットで近所の耳鼻科を検索しビルを出る自動ドアを通る時には電話をかけていました。
あの瞬間の僕はさぞ仕事ができる人の顔をしていたことでしょう。
最初にかけた耳鼻科は予約制で昼前まで空いていないと言われ、「一度考えます」と電話を切りました。次の耳鼻科はその日の朝はやっていませんでした。
絶望です。
耳鼻科を調べる範囲を一駅離れた場所まで広げ、一番上に出てきたところに電話をかけると、予約ではなく来られた方から診察をしているとのこと。
「あの、イヤホンの先端についているゴムってありますよね? あれが、耳の中に入って、結構奥の方にまでいっちゃってる感じなんですけど……。そういうのってなんとかしてもらえるものなんですか?」
と言う僕の声は懇願する気持ちさえ混ざっていたことでしょう。
そんな僕に対し、
「あ、はい、大丈夫ですよ」
と電話口の方は軽く答えました。
「じゃあ、今から向かいます!」
一駅離れているのだから、電車に乗れば良いのにテンパっている僕は気温が30°はある六月の日差しの中、一駅分を歩いて耳鼻科へ向かいました。
耳鼻科に到着する時には汗だくでした。
当たり前ですよね。
受付で保険証を渡し、「症状を書いてください」というシートに「耳の中にイヤホンのゴムが入りました」と書き、名前と住所も記入し、受付の方に渡された体温計を脇に挟みました。
体温を測っている間、受付ではテレビが流れていて、そこに本日の占いをやっていました。占いは終盤に差し掛かっていて、「残りは1位と12位です。2月と10月どっちが今日の最下位でしょうか?」とやっていました。
僕は2月生まれです。
「ごめんなさい~、12位は2月生まれのアナタ。今日は何をやっても上手くいかないでしょう」
でしょうね!!!!!!!!!!!!
その後、耳鼻科の先生はピンセットを使ってイヤホンのゴムを2秒くらいであっさり取ってくれました。
「これ、自分じゃ取れないんだよね」
と先生は朗らかに笑っていました。
そんな訳で、僕は毎日イヤホンで耳を塞いで日々を過ごしていた訳ですが、ここ数日は何も聴かず外を歩いています。耳に何も違和感がないことがなんと清々しいことでしょうか。
サポートいただけたら、夢かな?と思うくらい嬉しいです。