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観光客として住む、歩く、そして書く。

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短いエッセイをまとめています。姫路に住んでまだ一年弱。結婚してまだ一ヶ月。あらゆることが新しく見えるさとくらのエッセイです。
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#エッセイ

姫路の生活を振り返る「君と僕がーー“僕たち”になる時」

 姫路に住んで一年が経った。  僕は今まで広島と大阪に住んでいて、その二つで比べると姫路…

さとくら
2週間前
10

「なつやみす、ボクは」過去になった平成を見つめるアニメーション「怒りのオコリザル…

 ポケモンアニメシリーズのコンテンツで「POKETOON」をご存じでしょうか?  公式サイトには…

さとくら
4週間前
11

呪いや運命はテニスの壁打ちのように打っては返ってくるから。

 吉川浩満があるイベントの中で、スラムダンクの安西先生の名言「諦めたら試合終了ですよ」を…

さとくら
1か月前
21

せめて遅延を前向きに捉えたい。

 遅延、遅延、遅延。  ここ二日、JR神戸線は遅延が続いている。僕は姫路に住んでいて、職場…

さとくら
1か月前
7

昔、妻が使っていた学習机で文章を書く、「住めば都」「夏と変わる生活」。

 この八月に引っ越しをした。  人生で数えてみると七回目の引っ越しだった。僕の父は幼少の…

さとくら
1か月前
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曖昧さについて考える。「「書く」(公開する)ために読ん」だ本は「書く」(公開する…

 X(旧Twitter)で松田樹という方の以下のポストが目に止まった。  吉行淳之介のエッセイで…

さとくら
2か月前
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たやすく世界を変えてしまうことの責任と検証。

 対談系のネット配信を見てかたら「私、本気で世界を変えたいって思ってるんです」と言う人がいた。  続いて、アニメの「ダンジョン飯」を見ていると「生物は必要あって、その姿になっている」という台詞があった。  世界も、社会も、おそらく必要があって、その形をしている。今となっては古臭く見えるものでも、それが必要だった背景はある。そして、見えにくくなっているだけで、その古臭いものが今を支えている場合もある。  「世界を変えいた」と言うのは良い。誰でも言うことは自由だ。ただ、言ったか

正しく自堕落に過ごすための有給の使い方。

 土日のどちらかを寝て過ごす。  少なくとも半日はベッドから出ない時間を作らないと、とて…

さとくら
2か月前
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名前を覚えられない僕ができるリスペクトの方法について。

 僕は人の名前を覚えるのが苦手だ。  けれど、この一文は正確ではない。  基本的に僕の人生…

さとくら
2か月前
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できないことが年齢と共に増えていく世代が始めるための目線。

 一人暮らし時代、毎週のようにお酒を飲んでいた友達がいる。  彼は僕が同棲をはじめてから…

さとくら
2か月前
20

「いかに敵から利益を得るか」は「いかに敵を作るか」であるとすれば。

 岩波文庫を置いている本屋は偉い、という話を時々耳にする。  その理由は他の出版社と異な…

さとくら
3か月前
7

映画「グッド・ストライプス」を通して考える父と息子の「素晴らしき平行線」。

 僕が初めて結婚って良いものかも知れないと思ったのは、岨手由貴子監督の「グッド・ストライ…

さとくら
3か月前
10

「個人が優先される社会」と「会社が優先される社会」の狭間で。

 平日の朝、僕は時間通りに起きる。  仕事に行きたくないと思っても、シャワーを浴びて朝ご…

さとくら
3か月前
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人工的な揺り籠たる電車は僕に悪夢を見せない。

 父いわく、僕は夜泣きしても車に乗せて近所をドライブするとぐっすり寝る子だったらしい。  当時の感覚は覚えていないけれど、車の揺れや静かな走行音が僕を落ち着かせてくれるのは、今も実感するところだった。この感覚を改めて実感したのは、高校生になった時だった。  僕は高校への通学の内訳は自転車で三十分、電車で四十分、徒歩で十分。この電車の四十分が僕にとって、最も貴重で有意義な時間だった。本を読んだり、音楽を聞いたり、考えごとをしたり。一人でじっくりカルチャーや日々の悩みと向き合え