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西日の中でワルツを踊れ

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「西日の中でワルツを踊れ」をまとめています。
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記事一覧

【小説】西日の中でワルツを踊れ28(終) 川田元幸が、ぼくの名を口にして笑った。

前回  ――俺が現場にたどり着いた頃には、田宮が乗る車は崖の下。川島疾風は車を下りて、一…

さとくら
9か月前
8

【小説】西日の中でワルツを踊れ27 俺より悪い奴が居て、俺より可哀相な奴がいる最高…

前回  ――アイツを父親だと思っていた時期はあった。周りがそう言うから、片岡潤之助は俺の…

さとくら
9か月前
6

【小説】西日の中でワルツを踊れ26 西日。沈みかけた太陽。終わりかけた今日。

前回  日は傾きつつあった。昼が終わり、夜が始まる。  その丁度、真ん中。昼と夜にかかっ…

さとくら
10か月前
6

【小説】西日の中でワルツを踊れ25 死者に会えるくせに、神様を信じてる女の子。

前回  外へ出ても紗雪の姿はなかった。  当然と言えば当然だが、落胆しなかったと言えば嘘…

さとくら
10か月前
8

【小説】西日の中でワルツを踊れ24 声があった。熱くも冷たくもない光の中で。

前回 「よぉ、お二人さん。辛気臭い話は終わったかぁ?」  着くずしたスーツにオールバック…

さとくら
10か月前
8

【小説】西日の中でワルツを踊れ23 そうして『川田元幸』くんは今、ここにいる。

前回  事態を正確に理解したのは、藤田京子の部屋を去って数日が経過した頃だった。職場に一…

さとくら
10か月前
7

【小説】西日の中でワルツを踊れ22 僕はずっと僕でいられるわけじゃないから。

前回  川田元幸くんの家のリフォームをしている間、彼と話をした覚えはなかった。  ただ、熱心に僕たちの仕事を見ていることには気が付いていた。その視線はちょっと他では感じないような必死さがあった。  どうして、彼はこれほどリフォーム作業を熱心に眺めているのだろう。  それが最初の疑問だった。  川田くんの家の仕事が終わって、一週間が経たない頃に彼は事務所に現れて「雇ってください」と言ってきた。  理由は変わりたい、変わる為のきっかけが欲しい、というものだった。  青くさくて

【小説】西日の中でワルツを踊れ21 望んだものを得るのは『しからしむ(そうなる)』…

前回  山本に連れられて辿り着いたのは岩田屋中学校だった。  僅かに開いた校門から敷地へ…

さとくら
10か月前
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【小説】西日の中でワルツを踊れ⑳ 強く願おうと思う。呪われるくらいに、強く。

前回  待て、待て、待て、待て――。  ぼくが川田元幸だとすれば。  紗雪を否定し、川島…

さとくら
11か月前
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【小説】西日の中でワルツを踊れ⑲ 人殺しの「名前」をぼくは口にする。

前回  運転席に山本が座り、ぼくと田宮は後部座席に並んで座った。田宮は、とりあえず町中を…

さとくら
11か月前
7

【小説】西日の中でワルツを踊れ⑱ 日によって自分に似る、写真の自分に似る。

前回  料理が尽きたものの、やくざの会談が終わらない限りは席を立つ訳にもいかず、二回目の…

さとくら
11か月前
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【小説】西日の中でワルツを踊れ⑰ やくざの会談の前に並ぶテーブルいっぱいの中華。

前回  やくざの会談がおこなわれる中華料理屋の営業時間は、十一時からだった。  それは土…

さとくら
11か月前
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【小説】西日の中でワルツを踊れ⑯ 社会的なルールから外れた腕時計をしない人たち。

前回  紗雪が小学生の終わりから、中学二年の夏ごろまで過ごしたキンモク荘。  そこの女将…

さとくら
11か月前
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【小説】西日の中でワルツを踊れ⑮ 紗雪の父、片岡潤之助。

前回  片岡潤之助。  それが紗雪の父の名前だった。  潤之助と会う日は勇次がぼくの病室を訪ねてから三日後だった。  その三日間、ぼくは町に出て田宮由紀夫を探したが手掛かりは何もなかった。  朱美と会った喫茶店『コーヒーショップ・香』の店員、守田と顔見知りになったくらいの成果しかなかった。 「ナツキさんって、記憶喪失なんっすよね?」  喫茶店で遅めのランチを食べている時だった。客はぼくしかおらず、暇を持て余した守田が隣に座って話しかけてきた。 「そうだよ」 「じゃあ、女