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恋愛映画

四葉:映画監督に憧れてるの。

潤:売れてる芸人で映画監督やる方いらっしゃいますもんね。どんな映画を撮りたいとかあるんですか?

四葉:恋愛映画かな。

潤:可愛くていいですね。

四葉:主人公はいじめられっ子の女の子なの。

潤:王道ですね。

四葉:その子は枯れそうなお花をお世話してあげるような心優しい子で、皆から好かれてるイケメンがその子の優しさに心惹かれていくの。

潤:いいですね。

四葉:でもそこにライバルが現れて。

潤:これも定番ですね。

四葉:そのライバルの子はね、重い病気で余命があと少ししかないの。

潤:え?

四葉:いじめられっ子と病気の女の子がイケメンを巡って争うのが見どころの感動ストーリーなんだよ〜。

潤:地獄の恋愛バトル映画だあぁ。

四葉:どうかな?面白くなりそう?

潤:いやいや。いじめられっ子と病気の女の子は戦わせちゃダメですよ。

四葉:えー。どっちも定番じゃん。

潤:どっちも主人公として定番なんですよ。いじめられっ子と病気の女の子にはそれぞれ彼氏になるイケメンがいるんです。同じイケメンを巡って争わないようになってるんですよ。恋愛映画なんて、そういうご都合主義で頭お花畑なストーリーにしとけばいいんです。

四葉:そうかなあ。

潤:そうですよ。恋愛映画を見てるのはね、自分が可哀想だと思い込んでる自意識過剰女だけなんです。だから主人公を可哀想ないじめられっ子か病気の女の子にして感情移入させるんです。そして自分可哀想女が嫌いそうな、見た目が綺麗で自信満々で周りに人がいっぱいいる女性をライバルにするんです。現実ならどう考えても見た目が綺麗で自信満々で周りに人がいっぱいいる女性が勝ちますけど、恋愛映画は現実から目を逸らして甘い夢を見せるようにしなきゃダメなんです。

四葉:可哀想な女の子出しとけばいいわけじゃないのかあ。

潤:可哀想な女の子はひとりいればいいんです。それだけで何も考えてない観客が「かわいそ〜」「感動して泣いちゃった〜」って言ってくれます。

四葉:そっかあ。恋愛映画見てるのは、可哀想な人を見下すことで優越感に浸る人たちだと思ってたから、可哀想な女の子もコロシアムの奴隷みたく戦わせたらいいのかと思ってたよ〜。

潤:それはそれで面白そうですけど、恋愛映画ではダメなんですよ。恋愛映画は決められた通りに作らないと、思ってたのと違う!とか言って怒る人いますから。

四葉:そっかあ。あっ、いいこと思いついた!

潤:聞かせてください。

四葉:イケメンを大富豪にして、可哀想な女の子バトルロイヤルを主催してることにしよう!

潤:違うジャンルに舵を切りましたね!

四葉:いじめられっ子、病気の女の子、貧乏な女の子、家族がいない女の子、水族館にいるつぶらな瞳の女の子を戦わせるの!

潤:カワウソーな女の子が混ざってますね!

四葉:まずはいじめられっ子がいじめられて負けちゃうの。

潤:可哀想な女の子だけ集めると、その中でもカーストができるんですね!

四葉:病気の女の子は倒れちゃって、貧乏な女の子も空腹で戦えなくなっちゃう。

潤:かわいそー!かわいそーですー!

四葉:残った家族がいない女の子のところにイケメンが来て、こう言うの。俺が家族になってやる……。

潤:キャー!感動ー!

四葉:こうして家族がいない女の子はイケメンと結ばれ、ペットのカワウソと幸せに暮らしましたとさ。

潤:バトルロイヤルが恋愛映画に着地しましたね!

四葉:最後幸せにしとけば途中がどんな話でも感動してもらえるよね!

潤:恋愛映画見てる人相手ならそれでオッケーです!ストーリー空っぽでも感動するBGM流しとけばいいですから!

四葉:恋愛映画ちょろいなあ。世界の中心でちょろいと叫んじゃうよ〜。

潤:恋愛映画を作ってる人たちが一瞬で四葉ちゃんに抜かれちゃいますね!かわいそー!

四葉:あっ!そしたら恋愛映画作ってる可哀想な人たちを戦わせる続編も作る!

潤:素晴らしいですね!映画のタイトルはどうしますか?

四葉:リバーフェイクとかどう?

潤:リバーフェイク?リバーとフェイク……。

四葉:カワウソー!

潤:天才、おったー!

四葉:近日公開です。

潤:乞うご期待!どうも、ありがとうございましたー。


悪口漫才に影響受けすぎてる!うざい!

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