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卒業文集

潤:人生色々ありますから、備えって大事だと思うんですよ。

四葉:キャプテン翼のヒロイン?

潤:早苗ですね。

四葉:わたしもいざという時のためにやっておきたいことあるよ。

潤:なんですか?

四葉:卒業文集を燃やすの!

潤:え?

四葉:同級生の家を回って卒業文集を燃やすの!

潤:ちょっと待ってくださいな。それは何の備えなんですか?

四葉:事件のニュースで犯人の卒業文集の内容を紹介することあるでしょ?

潤:あー、ありますね。

四葉:あれすっごい恥ずかしいからわたしも備えるの!

潤:犯人になる前提ですか!?

四葉:人生何があるかわからないもん。

潤:そりゃ犯人がみんな「あー明日犯罪するかー」って思ってるわけじゃないでしょうけど。

四葉:だから犯罪者になる前にみんなの卒業文集燃やさなきゃ!

潤:人の文集燃やすのも犯罪ですけどね。

四葉:わたしの恥ずかしい作文見られるわけにはいかないんだよ〜。

潤:そんなに変なこと書いたんですか?

四葉:恥ずかしいけど小学校のときのやつ教えてあげるね。

潤:別にいいです……。

四葉:『将来の夢』

潤:いいって言ったのに……でもタイトルは普通ですね。

四葉:『わたしは将来やりたいことがあります』

潤:普通ですね。

四葉:『わたしがやりたいことは、犯罪者になったときのためにみんなの卒業文集を燃やすことです』

潤:この時点で考えてたんですか!?これ四葉ちゃんが逮捕されたら絶対ニュースで紹介されるじゃないですか!

四葉:こんな文章を全国に流されたらお顔が真っ赤になるよ〜。

潤:先生もニュースでこの文章見るかもって察したでしょうね。

四葉:でも中学のときのも恥ずかしいんだよな〜。

潤:何書いたんですか。

四葉:『将来燃やしたいもの』

潤:タイトルから言い始めましたよ。

四葉:『私には燃やしたいものがあります』

潤:卒業文集でしょ?

四葉:『それは情熱と闘志です』

潤:あれ?

四葉:『社会に出たら、必要とされるのは熱意のある人間だと思います』

潤:これはこれで犯罪して流されるのキツいですね。

四葉:『そして、卒業文集も燃やします!犯罪してさっきの文章流されたくないから!』

潤:余計にキツい文章増やさないでください!

四葉:あと高校のときね〜。

潤:はあ。

四葉:『将来の夢』

潤:タイトル戻った。

四葉:『私は将来、人の役に立つ仕事がしたいです』

潤:高校卒業するのにぼんやりしすぎじゃないですか?

四葉:『犯罪の被害を受ける人がいなくなり、犯罪をする人もいなくなる社会を作りたいです』

潤:で、いつ卒業文集燃やすんですか?

四葉:『私にはそのためのアイデアがあります』

潤:ねえいつ卒業文集燃やすの?

四葉:『全国の卒業文集を確認し、事前に犯罪しそうな文章を書いてる人がいたら矯正します』

潤:確認しなくていいから燃やして?

潤:『ニュースでは犯罪が起きると卒業文集が紹介されます。これは卒業文集を読めば犯罪する人格かどうかわかるからでしょう』

潤:それは卒業文集を報道する姿勢が間違ってるんじゃないですか?あと、いつ卒業文集燃やすんですか?

四葉:『犯罪しそうな文章を書いている子どもには社会貢献活動をしてもらいます。具体的には、全国の卒業文集を燃やす活動です』

潤:やったー!燃やしたー!卒業文集燃やす宣言きたー!

四葉:こんな感じだから燃やさないと恥ずかしいんだよ〜。

潤:諦めて犯罪しないよう頑張りましょうよ。

四葉:ちなみに潤ちゃんは卒業文集に何書いたか覚えてる?

潤:『お姫様になりたい』って書きました。

四葉:私が燃やしてあげるよ。

潤:よろしくお願いします。どうも、ありがとうございました。


本当の四葉ちゃんの卒業文集には「歌手になりたい」と書いてます。

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