「好き」の気持ちを大切に。

私も40代半ばになりました。
このくらいの歳になると、
それなりに人と深い仲になるという
経験も重ねているわけで。

そんな中で、
一時期は世界一好きだと思えた相手でも、
長い年月、共にいろんなことを
乗り越えた仲だとしても、

相手からの
愛情が感じられないまま、
自分と相手との間の違和感や、
納得のいかない何かが
積み重なっていくと、

空気いっぱいに膨らんだ風船が
徐々に劣化して萎んでいってしまうように
気持ちも少しずつ抜けていってしまい、
そしていずれ「好き」の気持ちは
完全に萎んで、失われてしまう。。。

私には、
そんな現象が起きてしまうんだなぁって
気づいたのがここ数年のことでした。


最近「蛇化現象」という言葉が
流行ってますよね。
好きになったパートナーに対して
「恋は盲目」状態になっており、
相手を全肯定している状態を指すそうで。

私も好きになると
その人の全てがステキに見えて、
何もかも全てを受け入れたいと
思う方です。
だから、一度好きになってしまったら
あとはもう、なんでもオッケーなんです。
どんなこともプラスに捉えられる自信があります。
(モラ男さんは別ですが…)

たぶんそれは、
自分の中に「好き」の気持ちを感じるだけで、
自分自身がとても幸せでいられると
本能がわかっているから、

その人のことを思ったり、
その人と触れ合ったりするときには
無意識に脳内の「好き」スイッチを
ONにしてしまうからなのでしょう。

そのスイッチを入れさせてくれるだけでもう、
相手には感謝しかないし、愛おしさしかないのです。

「好き」の気持ちに満たされるだけで、
どれほど日々の生活が彩りに満ちて見えるかは
経験した方は皆、お分かりでしょう?

「好き」を手に入れたり、失ったりを
何度も繰り返した今では、
私もその大きな違いを何度も経験して、
人生において「好き」を感じる大切さを
これでもかと痛感しているのです。


ただ、今になり
かつての経験を振り返り
紐解いてみると、
その状態を維持するためには
たった一つだけ必須の条件があったと
わかります。

それは、「愛のやり取りさえ十分にあれば」
ということでした。

自分の愛情表現を喜んで受け入れてくれて
相手からの愛情も感じられる。
それが、私にとっては
何より大切だったんです。

相手からの愛が感じられなくなり、
寂しさや虚しさが
幾重にも重なり過ぎてしまった時、
つまり、心の風船が萎み始めた時、

私の性格だと、
最初はたとえどんなに
相手を好きだったとしても
相手の気持ちを掘り起こそうとしたり、
愛を感じさせてもらおうと
相手に向かっていくのではなく、

何も言わずに、少しずつ
自分から相手への好きの気持ちを
手放してしまう。
そういう傾向があったようです。

それがきっと、
私の中から好きが消える 
からくりなのでしょう。 


そして、好きが消えてしまったら、
もう元に戻すことはできないんですよね。

たとえ相手が
何をしてくれても、再び
気持ちが生まれてくることは
ありません。

好きだからこそ、
その人のいい面に目が行くのであって、
好きでなくなれば、
たとえどんなに相手が、
相手自身を磨こうと努力しても、
自分によくしてくれても、
見返りの愛情を求められていると
感じてしまった瞬間に
相手の善意や努力が、
気持ちの悪い下心としか
感じられなくなってしまうのです。

申し訳ないと思いつつも
そう感じてしまう。
この人を愛する義務があると
思ったとして、
この人が私の愛情を求めるのは
正当なものだと頭でわかっていても
湧き出てくるその嫌悪感は
どうにもならないのです。

そうなってしまえば、
私にできるのは
その嫌悪感をひた隠しにして
平静に、穏やかに、温かく、
理性的に接する。
そこに努めるので精一杯。
私のために努力しないで、
どうか他へ目を向けてくれますようにと
願うよりほかないのです。


「好き」と思える気持ちが
どれだけ貴重なものか、
身に染みて感じる今日この頃。

だからこそ、
「特別な好き」を感じることができた時は、
あぁ…大切にしたいなぁ…って
しみじみと思うんですよね。

自分の中から消えてしまわないように、
大切に、大切に。

相手に期待はしないし、
無理をさせようとも思わないけれど、
私には愛を感じることが
必要だということは
しっかりはっきり伝えたい。


その上で、あとは
いつまでもこの気持ちが
私の中にいてくれるように
ただ、ただ、願うばかり。

「特別な好き」の気持ちからは
元気をいっぱいもらえるけれど、
それだけを
自分の心の拠り所にしてしまっては 
ダメだということも
わかっています。

「特別な好き」が
私に元気をくれるうちに、
他のいろんなことにも興味を持ち、
いろんな人と関わりを持ちたい。

「特別な好き」のエネルギーは
格別にすごいけれど、
そのほかにも
穏やかな気持ちで
好きを感じられる人やモノも
同じようにとっても大切なのです。

それらがあるから
私は、万が一「特別な好き」を
失ってしまっても
それはそれで大丈夫
と思えるのです。

いろんな「好き」を
大切にして、
自分がいつでも幸せを感じながら
生きていける環境を
守っていきたいものです。







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