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世界遺産「比叡山延暦寺」の宿坊に泊まる

しばらく投稿をサボってしまいましたが、この週末は世界遺産 比叡山延暦寺へ行っていました。

比叡山延暦寺とは

今から1200年前に開かれた、比叡山全域を境内とする天台宗の総本山。開祖は平安時代初期の僧・最澄。
浄土宗の法然、浄土真宗の親鸞、臨済宗の栄西、曹洞宗の道元、日蓮宗の日蓮など数々の高僧を輩出したことから「日本仏教の母山」とも称されています。

「油断」の語源とも言われる「不滅の法灯」

最澄が根本中堂の前身である一乗止観院建立の際に、ご本尊の薬師如来の宝前に灯明を掲げたのが始まりで、1200年間一度も消えることなく輝き続けていると伝わっていることから「不滅の法灯」と呼ばれています。

1200年間灯り続ける不滅の法灯(延暦寺HPより)

歴史の教科書にも書かれている有名な事件「織田信長の比叡山焼き討ち(1571年)」に遭った際、実は一度法灯が消えてしまったそうですが、分灯していた山形県の立石寺(通称山寺)から再分灯され、その灯が現在まで灯り続けているそうです。

毎日朝夕と燃料の菜種油を絶やさないように、僧侶たちが注ぎ足し続け火が灯り続けていますが、「油が断ってしまう=比叡山で学ぶ僧がいなくなる」という意味から「油断」の語源になったとも言われています。

宿坊延暦寺会館

今回は宿坊である延暦寺会館に宿泊しました。宿坊と言っても、トイレ付きの個室で大浴場もレストランもあって、限りなくホテルに近い感じです。

延暦寺会館

夕食はお精進料理を頂きました。

味付けや調理方法が工夫されているお精進料理

物足りないかなと思いましたが、結構なボリュームでお腹いっぱい。
この日は早めに就寝です。

比叡山宿泊ハイライト 早朝の根本中堂で「朝のお勤め」

次の日の朝は今回の旅のハイライト!
山内に宿泊する者だけが参加を許される根本中堂の「朝のお勤め」です。

早朝の観光客のいない閑静なお山の中を歩いて根本中堂に到着。

不滅の法灯が灯る中、ご住職が来られて朝のお勤めが静かに始まります。驚いたことに、読経の途中には宿坊に宿泊している私たちの名前も読み上げられ、祈りを捧げてくださる贅沢でありがたい経験。

20分ほどの読経の後はご住職の法話を拝聴します。
比叡山といえば「千日回峰行」など厳しい修行で有名なため、さぞかし厳しいお話をされるのかと思いきや、穏やかな口調で「生きとし生きているものは皆平等である」「日常のありがたさ」「感謝を忘れず暮らすこと」など、日常の心構えの大切さをお話頂き、贅沢でありながら心清められる体験となりました。

一隅を照らす者は これすなわち国宝なり

これは最澄が人材教育の重要性を説いた一節とされています。
自分が世間の目立たないところにいても、また自分の力が目立たない力であっても、真の心に努め、尽くすことの大切さを説かれ、そのような人を国の宝として比叡山で育てるようにとの教えだそうです。
残念なことに今この瞬間も戦争や災害により傷つき苦しんでいる人がたくさんいらっしゃいます。私たち一人一人がそれぞれの持ち場で全力を尽くし、自分のためだけではなく他の人も思いやり労わることの大切を改めて感じました。

国宝根本中堂は大修理中

残念ながら国宝の根本中堂は平成28年から約10年かけて、屋根の葺き替えやお堂全体の塗装の塗り替えが行われている最中で、お堂そのものを見ることはできません。

根本中堂は修理中のため覆われています。

ただ、工事期間中も参拝できるよう、さまざまな工夫もされています。

根本中堂入り口はそのままの姿を拝見できます

根本中堂の中庭にはステージと呼ばれる足場が組まれていて、根本中堂の屋根の高さまで登って修理作業を見ることができる貴重な機会も用意されています。

修理中の根本中堂の屋根を間近に見ることができます。
漆を塗りかえる作業中

晴れた日は眼下に琵琶湖を望みながら入浴することも可能な延暦寺会館。
ご興味のある方はぜひ心洗われる貴重な経験をされてみてはいかがでしょうか?



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