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紙と活版印刷の話

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活版印刷に関連した記事です。
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「紙のお話会」をやってみて思うこと

先日、前回のnoteでお知らせした、大枝活版室さんでの紙のお話会が無事に終わりました。 先日ってもう1か月経つやん(白目)という感じですが、 どんなに遅れても書くことが大事なんだ! と言い聞かせて、お話会を通して感じたことを残したいなと思います。 ---------------------------------- 大枝活版室の森国さんとの出会いは、かれこれ9年前。 その頃、私は紙屋さんの営業3年目くらい。森国さんはフリーランスのデザイナーとして活動されている傍ら、「使

自分の名刺で大実験!7種類の紙×活版印刷

ようやく名刺を作りました。 7種類の紙で。 これ、知り合いに渡すときにトランプみたいに広げて「どの紙が良いですか?」って選んでもらえるのが楽しい…! (初対面の方にはさすがにやりにくいですが) 印刷は活版です。非塗工・微塗工・マットに仕上がる紙…など色々な種類で刷ったので、印刷の相性を比較することもできます。 今回、印刷立ち合いに行かせていただきましたので、名刺ができるまでを活版印刷の工程とともにご紹介したいと思います! 0.名刺を作るまで名刺の印刷をお願いしたのは

紙と活版印刷の相性がわかるすごい見本帳の話

相性ってありますよね。人や道具、なんと場所にもあるとか。 人と紙に相性はない(はず)ですが、紙と印刷には相性があります。 オフセット印刷に適した紙、レーザープリンターに適した紙、そもそも印刷には適さない紙…。 そして紙は人以上に相性が重要です。 相性を知らずに印刷すると、「あれ?思ったのと違う…」なんてことも。 自分で試せればいいけれど、全部テストしていたらお金も時間も足りないですよね…。 そこで重宝するのが見本帳! 見本帳は実際の手触りや厚みを確認したり、印刷上がり

活版印刷機を間近で見て浪漫を感じた日

ん~!!カッコいい。歴史の香りが漂い、浪漫という単語が似合います。 こんにちは。いきなり個人的に気に入っている写真を載せてしまいましたが、これは活版印刷機の一部分です。 先日、「活版印刷とコーヒーは似ている。」という記事で、活版印刷所に足を運んで、活版マスターと話すことでもっと活版印刷が面白くなると書きました。 書き終わったあと、やっぱり私も活版マスターに会いたい!と思い、記事の最後で紹介した桜ノ宮 活版倉庫さんのOPEN STUDIOにお邪魔してきました。 ふと気づ

活版印刷とコーヒーは似ている。

…と、思うのですがいかがでしょうか。 私自身は非常に舌バカで、全然味の違いがわからないという悲しい生き物なのですが、コーヒーは豆の種類や淹れ方、使う道具で味が変わることは認識しています。実際、本格的にコーヒーを楽しむ人は多いですよね。 実は活版印刷も、同じじゃないかなと思うんですよね。 版の種類や機械を動かす人、印刷機の違いで仕上がりが変わるんです。 データと紙が同じなら、どこの活版印刷所に頼んでも同じ仕上がりになるかと言えば、絶対にならないと思います。A社の方がスミが

紙屋さんに勤めていたわたしがおすすめする活版印刷にぴったりの紙

突然ですが、活版印刷は好きですか? 「好き!」という方、結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。私が紙の専門商社に新卒で入社したのが2010年。2年目のころにはもう「活版印刷がブームになっている」と認識していたような気がします。 わたしは関西在住なので関西の話ですすめますが、活版WESTといった活版をテーマにしたイベントも大盛況!デザイナーさんと名刺交換するときも、活版印刷で刷られた名刺をもらうことが結構ありました。 今では名刺やショップカードを印刷するときの選択肢として