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YouTubeを知らない子供たち〜みんなやっぱ 「エディ」なんだよな part2

ということで、エディ(エドワード・ヴァン・ヘイレン)の何が、何処がそんなに凄いのか、僕なりの想いをあれやこれやと巡らせてみた。

彼の最大の魅力はあのギターの音色でしょう、やっぱり! 何が凄いって音色の洗練され具合というか、とにかく美しいと感じてしまう。そしてカッコイイ〜!

具体的に言えば、音のヌケが抜群に良いということになるんでしょうか。この音のヌケというのが、エレキギターでは重要になってくるんですね。それに歪んだ音(ディストーション・サウンド)ともなるとひとつひとつの音がきちんと鳴って、聴く人に伝わるかどうかはとても重要!特にハードロック、ヘヴィメタルなどラウドなロックバンドともなるとヌケの悪い音で演奏したなら、単なるノイズ製造機で終わってしまう。もちろんノイズを芸術的にコントロールする音楽もあるわけだが、ヴァンヘイレンのような歌を中心としたロックバンドは単なる爆音を発するだけじゃ、駄目なんです。やっぱりリズムがあって、ハーモニーがあって、歌詞があってそれらを聴く人に届けなくてはいけない。

もちろん、ロックバンドなんでライブで圧倒されるような音量も格好良さに繋がるんだけど、その中でもギタリストは自分のメロディーを聴衆に伝えなくてはならず、そのためには爆音の中でも埋もれず、ヌケの良い音を出すことはギタリスト生命を左右する重要なポイントだと思うんだよね。

そしてヌケの良さに加えてその鳴りの良さもエディの特徴だと思ってます。鳴りが良いというのは出てくる音の広がりが大きいというか、ダイナミックレンジが広いというイメージなんです。実はこれもロックバンドのライブで感じることなんだけど、ヴァンヘイレンのようなギターひとり構成のバンドによくある、ギターソロになるとバンド全体の鳴りがスカスカになる問題ってよくありますよね。バッキングで和音を弾いている時に比べて、ギターソロ部分では単音弾きが多いので、その分鳴っている音数が減るからある意味仕方ないんだけど、単音でもしっかりとギターが鳴っていれば、倍音成分も豊かで広がりのあるリッチなサウンドが出せて、そんなにスカスカ感は感じさせなくなるんだよね。エディはまさにこれが出来る。そして音の抜けも良いから、ソロでもヴォーカリスト以上に派手にビンビン伝わってくる。だから最高にカッコイイ〜!! ヴァンヘイレンがライブバンドとしてどんどん人気が出たっていうのも、ある意味当たり前だろうね。そしてそういうライブを観てキッズたちは自分もエディになりたいっ!て次の日には楽器屋へ直行するんですね。

それじゃ、ヌケの良い音、鳴りの良い音はどうやれば出せるのか、なんだよね。一般的にヌケの良いを出すためには手首のスナップを効かせたピッキングをすることなんだろうけど、これができてる、できてないの判断はなかなか難しいんだよね。しかも例えば自宅の小型アンプで鳴らしていてもあまり違いはよくわからない。ましてやパソコン直でアンプシミュレーターでも多分無理だと思う。実際にバンドでスタジオ入って大音量で演奏している中で、初めて自分の音がヌケよく聞こえているかどうかは実感できるんじゃないかな。エディもバンド練習を繰り返しながら、自分の音がどうすれば一番カッコよくバンドの中で響くのか、常にトライ&エラーを繰り返してあのサウンドにたどり着いたんじゃないかな。もちろん、ギターにしても、アンプにしても、エフェクターにしてもとにかく、自分の理想の音を出すための飽くなき追求心あってのことだと思う。弦に対してピックをどの角度で、どれくらいの力で、どれくらいのスピードで当てれば、どういう音がなるかみたいなことをそれこそ日々研究してたんじゃないかと思う。鳴りもそうで多分弦の振動のさせ方みたいなものがあって、これもピッキングするポジション、例えばブリッジよりとか、ネック寄りとか、もっと12フレットあたりで弾いたりで出音のトーンが変わってくる。もちろん左手の押し弦具合も影響するだろう。知っている人も多いと思うけど、エディはピックを親指と中指で持って、そこに人差し指は添える感じで弾いてるんだよね。一つには人差し指でタッピング(ライトハンド奏法)するエディには人差し指でピックを持つとタッピングに素早くに移行できないからだと思うんだけど、そういった演奏方法にしても従来の常識に囚われない柔軟な発想ができたこともエディのスタイルの特徴だと思うよ。

もちろん、ギター本体の素材、作り、パーツとか、エフェクター、アンプとかで音は様々に変わっていくと思うんだけど、エディの場合は特にギターの演奏面、どこをどうすれば、どういう音が出るかということを固定観念に囚われることなく追求していたんじゃなないかと思う。面白いエピソードがあって、あるギタリストがたまたまエディ本人のギターとアンプを使える機会があって弾かせてもらったらしいんだけど、自分が弾いてもあのエディの音は出なかったらしいんだよね。つまり、あのエディの音はエディが弾かないと出ないということなんだな。なるほどと思った。

とにかく、エディは自分の音作りのためにあらゆることをやってきたんだと思う。多分エレキギターがスッゲー好きだったんだと思う。だってライブの時ギター弾いてるエディは本当に楽しそう、幸せそうだもんね。去年エディが亡くなった時にラジオで追悼番組があって、その中で音楽ライターの増田勇一さんがエディがギターを弾く様子を「ギターが喜んでいる」と表現していたんだけど、まさにそうだと思った。

「ギターを愛し、ギターに愛された男」それがエディ・ヴァン・ヘイレンなのだと今改めて思っている。あ〜まだ書き足りないなぁ、続きはpart3へ!



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