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酸化なのに発酵?#お茶の発酵考察①

中国茶を習う友人によると、お茶の世界では今まで「発酵」と言っていたのが「酸化発酵」という言葉に変わってきたとこのと。

発酵食品から入ると、お茶の発酵ってわからなくなる部分が多い。
友人も発酵食品を学び、中国茶の世界に入ったので、「酸化発酵」という言葉に、頭がハテナ???になったと。

そもそもお茶ってどういうもの?から始めると長くなるので、その辺は省略。私なりの考察なので、正しいとは限りません(笑)。


酸化と発酵。相反する言葉。

私たちの身の回りで起こる「酸化」は

・鉄 + 酸素 → 鉄が錆びる
・りんご + 酸素 → 腐る
・人間+酸素 → 老化(幼少期で言えば成長)

という現象。

でも、お茶が発酵しておいしくなる現象に、なぜ「酸化」という言葉を使うのか?が友人にとってクエスチョン???だったという。
だって、発酵って、「食品が微生物や酵素の力によって、人間にとって良い状態に変化すること」だから。

この疑問を私なりに紐解いてみた。

そもそも酸化とは?

酸化を細分化すると下記の3パターンある。

  1. 物質と酸素が結びつく現象

  2. 水素が奪われる現象

  3. 電子が奪われる現象

お茶の発酵については、①で考えた方がいいので、②と③については「そんなこともあるのね〜」ってくらいにして省略っ!

お茶の酸化発酵とは?

酸化をお茶にあてはめると、

茶葉 + 酸素 → 紅茶やウーロン茶になること

ですね。

「酸化」を「酸素と結びつく現象」とだけ考えれば、「酸化発酵」という言葉は何も抵抗がない。

お茶のポリフェノールの特徴

もう一つ「酸化(酸素と結びつく)発酵」と言いたい理由はここにもあるんじゃないか?と思った内容。

カテキンというのはポリフェノールの一種なんだけれど、お茶のポリフェノールは他の植物と違う特徴がある。それは、

「カテコール型カテキン」と「ピロガロール型カテキン」の2種類のカテキンが両方存在していること。

この2つが同時に存在しているのはお茶くらいなんだって。(それぞれの詳しいことは省略)

で!この2種のカテキンが含まれているからこそ、茶葉が酸化発酵すると生まれるポリフェノールがある。

それが「テアフラビン」。
ポリフェノールの一種で、紅茶に風味と赤い色を付ける。抗酸化作用が強く、抗菌作用や血糖値上昇を抑制する働きがあると言われている。

りんごなどの果実やその他の植物などに含まれているポリフェノールは「カテコール型カテキン」と「プロシアニジン」という組み合わせで、これらは酸化するとただ酸素と反応するだけで特に新しいものを生み出すわけではない。

だから、この現象は「酸化発酵」と言わずに、ただの「酸化」と呼ぶ。

まとめ

お茶の世界ではお茶の発酵を「酸化発酵」と呼ぶようになったのを聞いて、「酸化」と「発酵」という一見相反するような言葉の組み合わせだと思ったけれど、

「お茶は酸素と結びつくことで甘味やうま味、香り、色、テアフラビンなどが新たに生まれる発酵の仕組みになっている」

ということで、「酸化発酵」の言葉にも納得できた。


次回、#お茶の発酵 考察②では、お茶の発酵と酵素の関係を紐解きます ↓↓

参考文献

緑茶カテキンの酸化と紅茶色素の生成
茶カテキンの特性とその有効利用


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