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開催レポ|キムチと味噌は生きる術

世界に様々な食文化があるけれど、コミュニティツールとしての機能を持つ発酵食品はきっと世界中にあるんだろう。
発酵食品の歴史はそももそも「食品の保存」から始まった。

・冷蔵庫がない時代にたくさん収穫できたものを「保存」して長く食べる
・クール便がない時代に遠くまで食品を運ぶ(その過程で偶然できた発酵食品も多々)

たくさん収穫できたものは、村のみんなで仕込みをしていたハズ。味噌もキムチも。

キムチワークショップ初開催

3月12日(土)に愛知の魚醤〈しこの露〉と愛知県碧南市のカネ光水産さんのアミエビを使ってヤンニョム(キムチの素)づくり。初開催のため、作業時間などが読めずお試し企画として開催。

キムチづくりを教えてもらった時に学んだポイントは、①野菜の塩漬け(下処理)と②ヤンニョムづくり。
塩漬けは、「そのまま食べてもおいしいくらいの浅漬け」にする。
ヤンニョムに使った材料は約20種類!

ヤンニョム用の野菜やアガペの甘味、発酵調味料のうま味とコク、唐辛子の辛味、魚醤や味噌や下漬けの塩味、魚醤や塩辛の苦味・・・そして、キムチが発酵していくと、ここに酸味が加わる。
味の基本要素である五味+辛味が楽しめるキムチは、味覚形成にもってこいかもしれないなとも思う。辛いけど(笑)。

おいしくできたので、またワークショップやります。

韓国にキムチあり、日本に味噌あり。

時期が来ると、地域でオモニ(母たち)が集まって、みんなでキムチを仕込んだ、と聞いたことがある。今もその文化は息づいているんだろうか?
みんなでワイワイ言いながらキムチを仕込む。キムチは、きっと、黙々と一人で作るものではない。

これは、日本にとっての味噌づくりと同じだと思う。

現代社会は地域とのつながりが希薄になりがちで、地域行事が「わずらわしいから無い方がいい」という気持ちもわからなくはない。祭りは「あれやっちゃダメこれやっちゃダメ」と、本末転倒な決まり事ばかりだし。

そんな中、味噌をみんなで仕込むことは、コミュニティで集まる理由ができ、そのコミュニティの一員であることを実感する時間となっているのかもしれない。しかも、味噌は常温で保存でき、地域の防災食にもなる。

言葉と女性と味噌づくり

言葉は女性から生まれたという説がある。

狩りをする男性は、言葉を介していては動物に気づかれるため、むしろ言葉を発しない。家で待つ女性たちは、そのコミュニティの中で生きていく、コミュニケーションを取るために言葉が必要だった。

食事を作る時、それぞれの家庭で調理をするのではなく、みんなの分をみんなで作っていただろう。

作りながら、言葉を交わす。
調理の役割だったり噂話だったり。

キムチを仕込みながら、味噌を丸めながら、女性たちは生物的にも社会的にも、生きる術を会得してきたのかな。

食=生きること。

ここを共有する価値はとても大きい。核家族、地域コミュニティとの乖離が進む社会だからこそ、食を通じたつながりがさらに深いものになっているのだと思う。

私がワークショップでやりたいことのひとつは「横のつながり」。同じ興味を持った人で集まり、つながり、新たなご縁が生まれていく。その「きっかけ」でありたい。「生きるつながり/生きたつながり」をこれからも増やしていきたい。


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