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中小企業診断士に1年3ヶ月で、大半を通勤電車の中で勉強してストレート合格した方法を解説します。

このnoteについて

このnoteは元々有料で配信する予定だったのですが、今年度は無料ですべてを公開します。(有料noteですが、無料で内容をすべて読めるようにしています。)もし内容が参考になりましたらお気持ちで、投げ銭いただけたら今後の活動の気力になります。

このnoteの主題

自分自身は資格勉強するときにどんな”型"で学習するかが合否を決めると考えています。​

そして、その型とはこの3つで構成されていると考えています。
① 学習教材とツール選び
② 教材の活用方法
③ スケジュール(どのタイミングでどの学習をするか)
+α:モチベーション維持の方法(時間確保)

この記事では自分自身が1年3ヶ月で中小企業診断士試験にストレート合格できた学習の型を上記の①~③に分解して共有していきます。

他のブログと特に違うのは、自分はエンジニアであり、学習方法としては以下の二点に注意していました。
1. ツールを活用し効率を最大限に高めること
2. 学習方法の再現性

エンジニアである自分は、効果的なツールは教材と同じかそれ以上に学習の効率性を高めうると認識しています。そのツールについても詳細に書いていきます。

再現性については「個人の能力が高すぎて、その方法だけで合格できる人はなかなかいない」また「そこまでやれば合格できるのかもしれないが、常人の気力では、そんな方法はまねできない」ように方法を知ったところで合格に参考にならないような方法にならないよう注意しています。
自分は理系大学出身のエンジニアで、診断士のベースの知識はほとんどないところから勉強をスタートしました。出身大学も超難関大学というわけではなく「その勉強方法は特別頭がいい人だけの、スーパーマンだけの方法だよ」というような内容にはなっていません。

またタイトルの「電車の中で」については、自分自身は通勤が片道45分ほどあったため電車の中でもできる勉強方法を意識しましたが、通勤時間がほどんどないような方は、自宅で学習する際に内容を実践していただければ十分参考になるはずです。

なぜこの記事を書いたか

中小企業診断士は、企業・事業を運営していくにあたって非常に心強い存在であり、副業やプロジェクト型の働き方などビジネスが多様化していくこの先、より必要とされると考えています。その知見を体系的に学べる中小企業診断士試験はこれからも需要の底堅い資格でしょう。

中小企業診断士の学習方法やスクールの比較は、個人のブログなどに多く点在していますが、たいていは「スクールの決定」がゴールになっており、合格までを描いた具体的な勉強方法やスケジュールなどの記事はほとんどありませんでした。

また「A教材は良かった」という情報はありますが、A教材だけで十分なのか、もしくはA教材の他に、B教材・C教材をやって初めて合格に十分な知識といえるのか、全体像が見えるレベルでまとまっている情報も少なく、結果として「どれだけやれば十分なのか?」という疑問や焦りを感じながら試験勉強を進めることになりました。

また、学習計画系の書籍やブログも参考にしましたが、教材を具体的に指定していないので、助言がふわふわしており「スクールに沿って学習しましょう」で終わっていたりもします。もちろん、スクールに通えば合格率が100%なのであればそれで問題ないのですが、中小企業診断士試験の合格率は4%ほどで、大半の受験生がwebなり大手なり何かしらのスクールに通っていることを考えると「スクールに沿って学習する」では心もとない助言です。

このnoteを通して、中小企業診断士試験の合格を目指す方々が「これだけの量をやれば十分」と把握し、計画的に学習を進め、忙しい中でも合格を勝ち取っていくことを願って情報をまとめます。

このnoteは有料化を考えているため「買って後悔した」ということのないように実際に掛かった学習時間は、具体的に赤裸々に書いておきます。

「1年3ヶ月で、大半を通勤電車の中」って具体的には?

タイトル詐欺、みたいにならないように具体的に自分の経験を書いておきます。
中小企業診断士試験は、1次試験・2次試験・口述試験の3つの試験から構成されており、1次の試験日(8月1週目)〜口述の試験日(12月3週目)だけでも4ヶ月の期間があります。今回の1年3ヶ月は私自身が「この資格を取ろう!」と思ったのが合格の年の、1次試験日の1年3ヶ月前でした。
つまり 2018年5月に思い立ち、2019年8月に一次試験、10月に二次試験に合格しました。

実際の学習期間は、2019年の1月〜3月の3ヶ月は育児と仕事が忙しかったことと、一次試験の勉強がひと段落しており学習を中断しており、
2018年5月〜2019年10月(17ヶ月)- 3ヶ月 = 14ヶ月(1年2ヶ月)程です。

「大半が電車の中」は下のような計算です。

<一次試験学習期間 10ヶ月>
平日:通勤1.5時間 + 自宅30分〜1時間(平均45分)
土日:自宅1時間

<二次試験学習期間 4ヶ月>
平日:通勤1.5時間 + 自宅1時間
土日:自宅2時間

<合計>
月間で平日21日、土日9日として
通勤:441時間(52%)
自宅:403.5時間(48%)

もちろん毎日この通りではないので厳密ではないですが、大枠こんな感じです。

自分の内訳は、ほぼ半分が通勤中の学習になっています。もちろん片道の通勤時間が45分も無いという方は自宅での比重が大きくなりますが、「首都圏の通勤時間は49分」とのことなので、多くの方が通勤中を学習時間に当てることで、自宅で確保しなければならない勉強時間の多くを削減できるのではないでしょうか。2020年は新型コロナウィルスの影響でテレワークが普及しましたが、残念ながらすべての企業が完全テレワークに移行したわけではなく、まだまだ通勤時間は貴重な学習時間の財源でしょう。

合格までに掛かった学習時間

掛かった時間は、だいたい上記した通り800時間ほどです。もしかしから、800時間よりは少ないかもしれません。というのも「平日は電車で1.5時間」はその通りなのですが、如何に強い気持ちで診断士の合格を目指しているとはいえ所詮は人間なので、「一日も休まず毎日通勤中は勉強」ってやはり難しいのですよね。なので私は「平日5日のうち、4日は頑張る。1日は気が乗らなければ休む」として、その週の学習目標まで足りない分を土日でカバーするように学習していました。
たいてい月曜日の朝の通勤は週刊少年ジャンプを読む時間に当てていたので、その分は土日の勉強時間の中でやっていました。

それではここから
【1】 学習教材とツール選び
【2】教材の活用方法
【3】スケジュール(どのタイミングでどの学習をするか)
+α:モチベーション維持の方法(時間確保)
この 3+1 の要素について、解説していきます。

【1】 学習教材とツール選び

教材(webスクール・書籍) と ツール(デバイス・アプリ)に分けて書いていきます。

【1】  - 1 教材一覧と金額

- 診断士ゼミナール 1次2次試験プレミアムフルコース:54,800円
 (3年以内合格で3万円キャッシュバックがあるので実質 24,800円)
- TAC 二次試験スピードテキスト:3,300円
- コア・ロジック思考法:535円

これら3つの教材で学習しました。
費用は合計で58,635円(キャッシュバックにより28,635円)です。

【1】  - 2 各教材の詳細

1次、2次試験プレミアムフルコース
webスクールを診断士ゼミナールにした理由は大きく3つあります。

① 価格が安いこと(実質24,800円)
 業界最安。よく比較されるスタディング(旧通勤講座)が72,900円
 後述するが、独学で教材を買い揃えると6万円掛かる。

② 教材の網羅性が高いこと 
 いろんな参考書をやらなければいけないと「結局どこまでやればいいの?」というツラミがあり「診断士ゼミナールの教材だけで合格できる」はありがたかった。

③ 動画がストリーミングではなくDLできること(ここが決め手!)
 他のwebスクールと違い、動画がyoutebeのようなストリーミング配信ではなく、事前にダウンロードできるため『wi-fi環境で動画をDLしておいてiPadで閲覧』ができます。通勤中に学習したい自分には、ここが決め手でした。電車の中で毎回ストリーミングで動画閲覧していたら、あっという間に通信制限に掛かってしまう。

スクールは大手の有名校だと30万円ほど掛かるものもあります。私は診断士ゼミナールというwebスクールを利用しました。診断士ゼミナールの1次・2次試験の両方をサポートするフルコースは5万4千円でしたが、3年以内の合格で3万円がキャッシュバックされるため、実質2万4千円でした。大手スクールの10分の1以下で、本の教材を購入しての独学よりも安いです。

第2次試験過去問題集
これはどのスクールに通っていても必須で購入すべきです。二次試験は論述形式で唯一の解答がないため、一つの模範解答のみで自分の回答を添削しようとすると「大事な観点を見落としている間違い」なのか「単にその回答とマッチしていないだけ」なのか判断できないことが多々あります。

二つの問題集で解答されている内容は外してはいけないポイント、そうでない部分は、どちらかに該当できていればいいや、くらいで勉強していくのが良いでしょう。どう反省すべきかがわからないとpdcaの回しようがないので。

コア・ロジック思考法で最速1発合格 2次筆記試験の必勝合格法!
正直自分はこの本の主題であるコアロジックや、学習スケジュールはあまり参考にしませんでした。
一方で、二次試験の「120文字で回答しなさい」の120文字の文章の作り方はとても参考になり買ってよかった本です。また「一次試験後の8月から二次試験の勉強を始めても遅くない!」という文が心を支えてくれました。また「一次試験後の8月から二次試験の勉強を始めても遅くない!」という文が心を支えてくれました。

(補足) 独学で教材を買い揃えると6万円掛かる

独学のための教材として一番有名なTAC スピードシリーズが
{ 7科目× (テキスト+問題集 + 過去問) + 二次試験 }× 2,750円
= (7 * 3 + 1 ) * 2750 = 60,500円 になります。

↓ こんなに買えませんでした。

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【1】 - 3 利用したツール

何度も書いていますが、エンジニアである自分は『ツールはコンテンツ(教材)以上に重要』だと考えています。

① iPad mini 6
重要度:高(なかったら合格できなかった)
間違いなく、これが無かったら合格できていません。
通勤学習の最強のツールです。動画を見るのもそうだし、問題集に書き込むこともできるし。これがある時代でよかったと本気で思いました。miniにペンシルが対応したのが1年遅かったら合格できていないと思います。
自分は最安の64GB wifiモデルを使っており、容量も全動画・全教材を入れても十分でした。

② Apple Pencil
重要度:高(なかったら合格できなかった)
iPad miniとセットです。学習動画を見ているときは当然不要なのですが「電車の中で問題集が解ける」のはとにかく便利の一言です。iPad mini第6世代には、第二世代のApple Pencilが対応しています。

③ Magical Gate - 動画保存アプリ
重要度:中(学習が捗った)
再生速度を3倍以上にできて、pcから動画を転送しやすいのがこれしか無かったです。2倍再生までは無料アプリでも多いのですが、インプット学習の2周目以降は2倍速だと遅く感じるので、このアプリを利用しました。広告があまりにうざいので350円払いました。

 Kindleアプリ for iOS
重要度:中(学習が捗った)

PDFをiPadに入れられたらアプリは何でもよかったのですが、kindleだと他の電子書籍と同じように読めるのでこれを利用しました。
ちなみに、診断士ゼミナールを紹介しているブログで何度か「テキストの印刷は自分でやると大変だから、紙テキストを送ってくれる有料オプションは必須」という記事を見かけましたが、通勤学習であれば大量の紙テキストを持ち歩くのは現実的ではなく、iPadの方が圧倒的に快適なので、診断士ゼミナールの紙テキストの有料オプションは不要です。

 GoodNotes 5
重要度:高(なかったら合格できなかった)
Apple PencilでPDFに書き込みをするアプリの中で、問題集など書籍単位で、ノートのように利用するにはこのアプリが最も良かったです。問題集を電車の中で解けるのはこのアプリのおかげでした。

 雑音を流すアプリ カフェティビティ(無料)
重要度:低(他のものでも代替可能)

海外のカフェの雑音を再生する面白いアプリです。自分は電車の中の雑音などがかなり気になって学習に集中できないのですが、一方で音楽を聞きながらだと曲に注意がいってしまうので、このアプリは重宝しました。耳栓でも代替可能ではあります。

⑦ 自炊サービス BOOKSCAN(ブックスキャン)
重要度:中(学習が捗った)

「二次過去問集」にはkindle版がないため、amazonで紙の書籍を購入したあと、このサービスでPDFにして、iPad miniに入れて持ち歩きました。BOOKSCANは無料会員だと申し込みから完了まで3ヶ月くらい掛かるのがネックなのですが、二次過去問集を利用するのは8月以降になるので3月くらいまでに購入しておけば余裕で間に合います。

【2】 教材の活用方法

ここからが本番の教材の活用方法です。
ここが合否を分けるのポイントだと考えています。

効果的な学習を進める上で教材選びは重要ですが、合格者と同じ教材を使えば全員合格できるわけではありません。しかし合格者の教材の活用方法を実践することは、資格学習の中で、数少ない道しるべになり得るでしょう。

【2】 - 1 解説する教材一覧

【一次試験対策】
① 診断士ゼミナール 一次科目講座(動画 + テキスト)
② 診断士ゼミナール 問題演習(動画 + テキスト)
③ 過去問(テキスト)

【二次試験対策】
④  診断士ゼミナール  二次試験基礎講座(動画 + テキスト)
⑤  診断士ゼミナール  二次試験応用講座(動画 + テキスト)
⑥ 第2次試験過去問題集(書籍)
⑦ TAC 2次公開模試

参考書はあまり買っていません。というのも診断士ゼミナールのテキストと問題集で知識は十分であり、他の参考書などは必要ありませんでした。多くの参考書に手を出すことこそ失敗の原因でしょう。
必要な知識が十分に載っている参考書があれば、それを繰り返すのが一番です。参考書は二次試験の解答の幅だしのために利用しました。

【2】 - 2 一次試験対策 の教材活用方法

ざっくり1科目1ヶ月でマスターしていきます。

① 診断士ゼミナール 一次科目講座(動画 + テキスト)
② 診断士ゼミナール 問題演習(動画 + テキスト)
③ 過去問(テキスト)

この3つで1科目を学習するセットです。7科目分あり、中小企業診断士の学習の中で、最も長い時間利用する教材でしょう。
この①〜3は合わせて1ヶ月掛けて学習する「基本セット」
2週間で一周する「倍速セット」の2通りの学習方法で繰り返し学習していきます。

【 1ヶ月基本セット】
1ヶ月で①〜③を定着するまで学習していく。
『①講義:1周、 ②問題演習:3周、③過去問:3年分2周 』する

① 診断士ゼミナール 一次科目講座(動画)
「1回分動画を見る、そこまでテキストで読む」という流れ。
たいてい講座は1科目8回構成なので、1日1回分進めると8日で1周できる。
私達も所詮は人間であり「休まず毎日」は非現実的なので、これを12日間ほどで行う

② 診断士ゼミナール 問題演習(動画 + テキスト)1周目

問題を解き、解説動画を見る。
1日2時間だと4日くらいで終えられるため余裕を持って6日間ほどで一周する。

② 診断士ゼミナール 問題演習(動画 + テキスト)2周目
もう一度、頭から問題を解く。間違った問題だけでなく、正解した問題も解く。これが結構重要。 解説を見て分かった気になっても、意外と間違えることに気がつく。

② 診断士ゼミナール 問題演習(動画 + テキスト)3周目
3日くらいで一周する。今後は2周目で間違えた問題だけ解く。
1日で終わるとは思うが、2日確保してみる

③ 過去問(テキスト)
各1年分は2回といて、3年分解く。( 2×3 = 6回解くことになる)
解くだけなら1時間半なので、1日2時間学習だと余裕がある。
さらに予備で2日つけて8日掛けて終わらせる。

1ヶ月のカレンダーに配置すると、このようなスケジュールになります。

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1時試験まではこの「1ヶ月基本セット」と
試験前に「倍速セット」を行います

【倍速セット】
『①講義:1周、 ②問題演習:2周、③過去問:1年分2周』
でざっと復習する

① 診断士ゼミナール 一次科目講座(動画)
一度見た動画だと、3倍速でも頭に入ってくることが実感できる。むしろ、それまでの2倍速だと遅く感じてしまう。詳細な単語などはテキストで拾うとして、登場する概念の関係性などを頭にいれる。
3倍速だと8回分を5日で見ることができるので、予備の日を含めて1週間確保する。

② 診断士ゼミナール 問題演習(動画 + テキスト)
改めて頭から解く。間違った問題だけ2周する

③ 過去問(テキスト) 
まだ解いていない年度の過去問があれば、それを2周する

②と③を1週間かけて行う。
これで2週間で1科目の復習をおこなう

この方法であれば、7科目1ヶ月ずつの7ヶ月で【基本セット】で学習し、3.5ヶ月で【倍速セット】で復習できるので、合計10.5ヶ月で十分合格水準に達する学習をすることができます。筆者はこの方法で、一次科目は平均75点ほど獲得することができました。

(補足)問題演習や過去問演習との向き合い方

"内容の理解" と "問題を解く力" はそれぞれ必要
診断士ゼミナールの講義動画を見た後に、問題集解くと初回の正答率は4割行けばいい方くらいだと思います。
「え、診断士ゼミナールの学習動画、その程度なの?」と思われるかもしれませんが、講義で行う"内容理解"と問題演習で身につけるべき"問題を解く力" は別物であり、焦る必要はありません。

解答を読んで「あー、そういうことね」となるなら、十分インプットは出来ていると思って問題ありません。逆に解説を読んでもピンとこなければ、講義やテキストを振り返りましょう。

問題演習で一番重要なのは「解いた問題の振り返り」
問題集や、過去問を一度解いただけで満足してしまい、丸付けをして、合格点に近ければ振り返りもしないような人がいますが、これは非常にもったいないです。というより、復習をしないなら問題演習を解いた意味がありません。
この考えは重要なので、一次だけでなく二次試験の学習でもよく覚えておいていただきたいのですが、

『問題を解く』という学習は、『振り返りを学習をするための準備』です。

自分が解いた問題の振り返り学習が資格学習の中で最も重要な学習です。資格学習とは『試験範囲の中の、分からない問題を分かるようにすること』です。テキストも講義も、あなたの分からないポイントを知りません。自分で解いた問題の結果だけが、そのポイントが詰まった宝箱なのです。

【2】 - 3 二次試験対策 の教材活用方法

【二次試験対策の教材一覧】
④ 診断士ゼミナール 二次試験基礎講座(動画 + テキスト)
⑤ 診断士ゼミナール 二次試験応用講座(動画 + テキスト)
⑥ 二次試験過去問題(診断士ゼミナール + TAC)
⑦ TAC 2次公開模試

二次試験の学習は、とにかく「過去問を繰り返し解く」に尽きます。
もちろん漠然と繰り返し解いても力はつかないのでフェーズに分けて解説していきます。

④ 診断士ゼミナール 二次試験基礎講座(動画 + テキスト)
これはさくっと見てしまいます。一次知識の中で、二次試験で使うものを教えてくれます。可能であればこの学習は、二次試験の学習が本格化する8月より前に終わらせておくとよいでしょう。

⑤ 診断士ゼミナール 二次試験応用講座(動画 + テキスト)
⑥ 二次試験過去問題
これをこれから記述する【基本セット】で「3周」します。

【基本セット】
(1) 問題を解く
(2) 解説を読む
(3) 模範解答をまるっと模写する。
  模範解答は診断士ゼミナールと、TAC両方とも模写する。
(4) もう一度、同じ年の問題をとき直す

応用講座も過去問も、初めて解くとびっくりするくらいに解けません!!
手も足もでなくてショックを受けると思います。それでも大丈夫です。全員そうなります。

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↑ 初めて解いた年の問題。左が自分の回答で右は模範解答の模写。要点が抑えられていないどころか、回答すらできていない。

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↑解説の模写は診断しゼミナールとTAC、両方ともやっておくと予見分から拾うべき回答の根拠を見つける幅が広がる

まずやったほうがよいことは、出来る限り早く応用講座・過去問演習に着手することです。というのも、両方とも想像以上に重い学習になるので、先に1年分を解く重さを知っておくと、現実的なスケジュールが立てられます

⑦ TAC 2次公開模試
必ずしもTACでなくてもよいとは思いますが、添削をしてくれる二次試験の公開模試は必ず受験すべきです。一次試験の模試は「場馴れ」くらいに思っていればよいのですが、二次試験の模試の重要度はまるで違います。
二次試験は模試の添削結果こそが最高の教材です。

先で「自分が解いた問題の振り返り学習が、資格学習の中で最も重要な学習」と書きましたが、二次試験は自由記述形式であり、自分の回答に対してただしく復習ができません。模試の添削は唯一の復習ポイントなのです。

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得点の根拠が詳細に書かれている。それまで漠然と「こんな方向性だろうな」と記述してきたものが、ポイントを抑えていないから得点にならないという悔しい思いとともに重要な教訓になる。

模試時点の結果(点数)はさほど重要ではありません。添削結果からどのような回答をつくるべきかを全力で吸収することが重要です。

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受験者の中での順位は2374人中1697位。つまり下位3割。「こんなことで上位25%しか合格できない二次試験に合格できるのか…?」と落ち込む必要はない。ここから吸収できれば受かり、できなければ落ちる。

ここまで学習してきたのであればおそらく、模試の模範解答と自分の回答を見比べるとあまり方向性が違ったことは書かれていないのではないでしょうか。しかし、"的確に要所を抑えているか"という点がシビアに採点されます。ここが合否を分ける最後のポイントでしょう。

【3】 学習スケジュール

ここからは、これまでの各学習をどのようなスケジュールで学習していくべきかを明記していきます。

【3】 -1 一年間のストレート合格を狙う場合

9月:経済学・経済政策【一次試験基本セット】
10月:中小企業経営・政策【一次試験基本セット】
11月:情報システム【一次試験基本セット】
12月:経営法務【一次試験基本セット】
1月:企業経営理論【一次試験基本セット】
2月:運営管理【一次試験基本セット】
3月:財務・会計【一次試験基本セット】
4月:経済学・経済政策 / 中小企業経営・政策【倍速セット】
5月:情報システム / 経営法務【倍速セット】
6月:企業経営理論 / 運営管理【倍速セット】
7月:財務・会計【倍速セット】※1
8月:苦手科目【倍速セット】 / 二次試験 基本講座(予習)
【1次試験 本番!】
8月:二次試験基本セット
9月:模試の復習 + 二次試験基本セット
10月:模試の復習 + 二次試験基本セット

※1 財務会計は他よりも2倍の期間をとっています。

一次試験科目には一次試験のための科目と、二次試験でも活用する科目の2つに分類されます。

【一次試験用の科目】
・経済学・経済政策
・中小企業経営・政策
・情報システム
・経営法務

【二次試験でも使う科目】
企業経営理論
運営管理
財務・会計

そのため、下の3科目は二次試験でも忘れないように後半のほうに学習し、特に「財務・会計」は時間がかかるため気をつけましょう。スケジュールでも倍速セットの復習期間を他の科目の2倍に設定しています。

私は5月から学習を開始した反面、1~3月の3ヶ月学習を中断していたので、学習月数はおよそ上記の通りになりました。それでも一次試験を本合格までに2回受けており、科目合格を取れたことは大きなアドバンテージになりました。科目合格をしておけば、極端な話その科目については忘れることができるため、期間に余裕がある場合や、学習を開始した時期が中途半端で、ここから一発全科目合格は難しいという場合は科目合格を狙うべきです。

科目合格を狙う場合は、【一次試験用の科目】の中から受験科目を選びましょう。

学習期間を1年半や2年で考えている方は、自分の予定にあわせて上記のスケジュールを希釈してみてください。

モチベーション維持の方法

最後にモチベーション維持の方法についても軽く触れておきます。
診断士試験の学習はストレートでも一年を超える学習期間になるため、長い期間高いパフォーマンスで学習を続けるためのモチベーション維持がどうしても重要になります。
モチベーションのためのコツを2つだけ書いておきます。

① 合格したあとのことを考える

月並みですが、「中小企業診断士試験に合格したら、こんなことができるかもしれない!」と思いを馳せることは、やはりモチベーション維持につながるでしょう。

私は本業は事業会社の会社員ですが、中小企業診断士として実務補修や所属する研究会で、年齢もバックグラウンドもまったくことなる優秀な人達とチームを組み、コンサルプロジェクトへ取り組むことは非常に刺激的です。

② 「切りの良い学習」にこだわらない

こちらはモチベーション維持と少しかけ離れて感じるかもしれませんが、私はとても大切なコツだと思っています。

勉強をしているとつい「切りの良い学習」にこだわりたくなってしまいます。「ちょうど章の区切りまで終えたから、もう今日はここまでにしよう」
もしくは「今から学習を始めても、こんな短い時間じゃ1章も進められないだろう」
そんな切りの良さへのこだわりが、スキマ時間の活用を阻害します。
区切りが悪くても、何も問題ありません。やらないよりずっとよいです。その小さな一歩一歩の積み重ねが、合格へ大きく近づく前進となります。

「今から勉強しようかな、おっくうだな」と悩むくらいなら、「ちょっとでもいいから進めよう」という手軽さが、学習へのハードルをさげ、継続的な学習のモチベーション維持につながっていきます。

最後に

私は中小企業診断士の学習を始めて、それまでは理系・エンジニアといわるゆ技術のことのみを仕事で扱ってきましたが、ビジネス側の強力な武器を手にすることができ、本業でも事業責任者を任されるなど自分自身の提供価値の幅を広げることができました。

これを読んだ皆様の合格に少しでも協力できましたら幸いです。
大事なことなので最後にもう一度書きますが
「自分が解いた問題の振り返り学習が、資格学習の中で最も重要な学習」です。

※このノートで分かりづらい点、補足がほしい点がございましたら、FBいただけますと幸いです。参考になったと思えたら、スキ・シェアをしていただけると嬉しいです。

冒頭で明記させていただきました通り、このnoteは現在 無料で公開しております。参考になりましたら、お気持ちで投げ銭をお願いします。

また私自身、中小企業診断士となり、中小企業の経営者や個人事業主、また企業内で新規事業開発に関わる方々の支援活動を行っています。よろしければ私のストアカ講義へ気軽にご参加ください。

https://www.street-academy.com/steachers/44854

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