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七尾市での災害ボランティアに仙台から行ってきました


はじめに

能登半島地震のボランティア情報を流すボランティアをIT DART(情報支援レスキュー隊)でやっているという話をしました。

で、GW以降ボランティアが減っている様子を見て、やっぱり行く!と決めて七尾市に行ってきました。なんたって無職で時間あるし。

行程

私は今回、このような行程でした。
1日目:仙台を金沢行き夜行バスで出発(だいたい9時間)
2日目:金沢で午前中観光。その後電車で七尾駅へ。テント村に前泊。
3日目:ボランティア活動1日目。
4日目:ボランティア活動2日目。終了後、七尾駅から電車で金沢へ。夜行バスで仙台へ。
5日目:仙台着

金沢から七尾まで乗った特急能登かがり火号

なお、高速バスを降りた後・そして乗る前、金沢では「アパスパ金沢駅前」でお風呂に入りました。6:00~24:00営業という、こんなありがたい場所が駅前にあるなんて最高!休憩スペースもあって仮眠もできます。料金は1,000円ですが公式サイトのクーポンで700円になります。

https://www.apahotel.com/spa/kanazawa-ekimae/

必要なもの、役に立ったもの

災害ボランティアに行くためには、ボランティア保険への加入が必要です。そして必要な装備や参加に対する心得は、こちらを参考に。

以下わたしの感想。

  • 安全靴、踏み抜き防止インソール、ヘルメット、ゴーグル、耐突き刺し手袋は必須。安全靴はJISかJSAA規格の基準を満たしているものを。私は知らずにどっちの基準にも適合していない安物を買ってしまいました。(というのを、戻ってきてから知った)
    参考:https://midori-fw.jp/knowledge/b03/

  • 踏み抜き防止インソール、ヘルメット、ゴーグル、ゴム手袋はボランティアセンターでも借りられるけど、数に限りがあるので持っていったほうがいいです。用意した時は「おおげさかな?」と思ったけど、まったくそんなことはなかったです。今後自分の周辺で災害が起きた時にも役に立つから、一揃い持っておいたほうがいいと思いました。

  • マスクはちょっと高い防塵マスクの方がいいです。ふつうのマスクは汗や雨で濡れて息苦しくなります。

  • 手拭いか薄手のタオルがあると、ヘルメットの下に巻くことができて、汗が流れず便利です。

  • 汗拭きリストバンドもあると便利でした。

  • 着替えはいっぱいあったほうがいいです。帰る直前下着類が尽きて、七尾駅前のドン・キホーテで買いました。

  • 日焼け止めも要ります。すぐ流れてしまうけれど。

  • 靴下は厚手のほうがいいと思いました。

  • 水は大量に必要、ゴミ持ち帰りを考えてコンパクトに畳める2Lのペットボトルがあるといいです。飲み物は差し入れもいただけてありがたかったです。インゼリーなどのゼリー飲料も疲労回復に便利。近隣のコンビニやスーパーを利用できるなら、地元の経済に貢献するためそちらでも買いましょう。

わたしが使ったもの

追記:noteで災害ボランティアに参加した人の記事を集めているので、その体験談を読んどくとイメージがわきますね。私のは載ってない。なんでや。

テント村を利用

6/2追記:七尾市のテント村は、5/29で閉村しました。奥能登の方でまた設置するかもしれないとのことです。

私は今回、宿泊して参加できるテント村を利用しました。岡山県総社市をはじめ7つの自治体と野口健さんのNPO法人ピーク・エイドが運営しています。

テント村は、本当にこれが無料でいいの?と申し訳なくなるぐらい充実しているので、普段からキャンプ慣れしていて、はじめてボランティアに行く人には全力でおすすめしたいです。

事前情報として野口健さんの動画を見ていました。

でも、想像以上に快適でした。テントは高さのある2人用。デッキの上に設置されていてクッションが敷いてあり、地面からの冷気は来ません。さらに厚いシェラフマットもありました。
テント村には地元の炊き出しの方が来てくれて、おいしい夕飯を作ってくれて感激でした。ごはんを食べながら、和気藹々とみんな会話していました。また共有テントで夜集まって談話している人もいました。私はすぐ寝ちゃったけど…
トイレの数が多いのは嬉しかったです。洗濯機もあるので長期滞在の人は洗って干してました。シャワーもあります。徒歩17分ほどのスポーツクラブのお風呂を400円で借りることができる(要予約)ので、私はそちらを利用しました。車の人は銭湯にも行ってたみたいです。
5月は、夕方~朝にけっこう冷えるので、持参した春夏用のシェラフでは寒かったです。2泊目は貸し出しシェラフを借りました。
あとSTARLINKが3台あってWifiも使えました。場所によってはちょっと不安定だったのですがSNSチェックする程度は問題なく使えます。

七尾市の状況

電車で金沢から移動していたとき外を見ていると、能登地方特有の黒い瓦の屋根が目立ちます。そしてその屋根の上のところ(棟と言うらしい)をブルーシートで覆った家が多く見られました。ボランティア中の雑談で聞きましたが、能登の瓦は通常より重いのだそうです。
市内を歩くと、道路のひび割れや橋桁のずれ、路肩のフェンスの傾きなどがあり、忘れていたけど、ああそうだ、こういうところはこうなるんだった、と、東日本大震災の時を思い出しました。
傾斜地の石垣やブロック、盛り土が崩れているのも見かけました。
もっとも、私が見たのはすでに4ヶ月経過していた状況で、直後はもっと大変だったのだろうと思います。既に工事した跡も多くあってお陰で道路も通れるようになっていたので。

ボランティアの一日の流れ

朝、ボランティアセンターに集まって、ミーティングをします。その後マッチングで班分けをして、班ごとに活動します。しかし、ボランティア先の状況、作業の進行具合、天候などで内容は変わることがあります。ある班の人が別の班の応援に行くことも。その都度柔軟に判断するボランティアセンターのスタッフの方々は、本当に大変なお仕事をされていて頭が下がります。
私が実際にやったことは、一日目は依頼者のお宅に伺っての片付け作業。3件回りました。二日目は「仮仮置き場」での分別作業。仮仮置き場とは、災害廃棄物をボランティアが運んで来る場所です。ここで分別して、種類ごとに、「仮置き場」に運んでいく作業もあります。
一日目は暑く、二日目は雨の中。「みなさん休憩しましょう!」と、休み休みやったので、大変だったけど肉体的にきついという印象はなかったです。
ボランティアは残業(?)はなく、時間までボランティアセンターに戻ってきます。班のリーダーが作業の報告をして、お疲れ様でしたー!と解散。だいたい16時くらいでしょうか。
ボランティアセンターは近畿など他県の社会福祉協議会等からもスタッフが派遣されて、運営しています。それに民間NPOなどの団体も加わることもあるらしいです。さらに企業からのボランティア派遣で来ている方もいました。さまざまな支えあいで運営されています。

ボランティアに参加する人たち

ボランティアというのは特別な志のある人が行くイメージがありました。ほとんどの人がそうなんじゃないでしょうか。
実際参加してみると、「ボランティア、すごいね、偉いね」っていうのとは、ちょっと違って、「自分の余ったリソースを提供しているだけだよ」という雰囲気でした。
かく言う私も「無職期間にボランティアしていたら就活で評価があがるかな」という下心がまったくなかったといえば、嘘になりますね。
でも経験したら、そういう特別なことではなく、もっと誰でも行って汗を流して参加していいものなんだなと思いました。
「楽しい」と言っていのかと思われるかもしれないけど、こちらに書いてある体験談にも「楽しいと思って帰って欲しい」と書いてあるし、実際作業は大変だけど前向きな人たちが参加しているので、楽しいです。

フレンドリーな人が多く、わからないときはちょっとしたことでも気軽に周りの人に聞くと親切に教えてくれます。私のようにはじめての人も多いし、何度も経験しているベテランさんもいます。

また、休憩中の雑談もいろんな話が聞けて楽しい時間でした。参加する人はさまざまで、遠方は九州や岡山から。大阪の人がけっこう多かったです。夫婦で車で旅をしながら滞在し参加する人、学生さんらしい若い人、親子で来ている人も。金沢在住で参加している人もいました。地元の方からは、地域の名物やグルメ情報、温泉の話などを教えてもらいました。遠くからはわからなかった能登半島地域の特色も、知ることができました。

ボランティアに行くと言ったら高齢の親に「大丈夫なの!?」「女なのに!」と心配されたけど、安全第一で怪我、熱中症に注意しながら無理なく作業を心がけるので、健康な人なら誰でも参加できると思います。女性もふつうにいるし、力仕事をいとわない人なら大丈夫です。子供だっこして歩き回った母ならぜんっぜん問題なし。

ボランティアを終えて

2日間ボランティアして、一番印象的だったのは、災害時は軽トラが最強ということです。
軽トラすごい。軽トラをすいすい運転でき、荷物をガンガン積み下ろしするシニア世代の人たちが輝いていました。尊敬しかない!
わたしは車を持っていないし、たまに借りての運転がすごく苦手なんですけど、災害時はやっぱ車ですね。
そして能登では軽トラやバン、2tトラックが不足していて、持ち込みのボランティアを歓迎しているので、行ける方はぜひ行って下さい!(そのへんの募集も後述のIT DARTの一覧に書いてます)

いい経験をさせてもらった二日間でした。現場を見た後は自分の周囲―自宅、近所、外出先―を見る目も変わります。「この地形大丈夫?」「これ、危なくないかな」と見直すきっかけにもなります。東日本大震災を経験したのに、時間が経つと忘れてるんですよね。
可能ならまた行きたい、と思っています。ただ、やっぱり仙台からは遠いです。そして能登は金沢からも遠い。
でも、とにかく、まだまだ能登ではボランティアが必要。もっとボランティアに参加する敷居が下がって欲しいと思います。被災地の状況は刻々と変わっています。今後もっとボランティアの拠点が増えて、滞在しやすくなれば、普通に働いている人も行きやすくなるのかなと思いました。
この文章が少しでもボランティアに参加する気分的な敷居を下げるものになればと思います。
というわけで、ボランティアの募集状況を知りたい方はIT DARTで作っている一覧をチェックしましょう!

おまけ。もしまた仙台から行くとしたら

輪島に日本航空学園・輪島ベースキャンプ(日本空港BC、と呼ばれる)が出来て、前泊・後泊もできるので、そこに宿泊するか、金沢に宿泊してボラバス(ボランティアバス)型の活動に参加するか。ちょっと考えてみたんだけど、

金沢発着でボラバス型に参加

1日目:仙台から金沢まで新幹線で移動、金沢宿泊。
2日目:金沢駅発着のボラバス型に参加。終了後、金沢から仙台へ新幹線で移動。
こうすればぎり土日だけでも行ける。
この場合、金沢駅に戻ってくる時間の早い輪島市や七尾市の活動に参加する。
1日目を金曜日にして、金沢に二泊して二日間ボランティアに参加するほうが良い気がする。

日本航空BC利用でボラバス型参加

1日目:仙台から金沢まで新幹線、金沢から輪島特急線バスでのと里山空港へ、日本航空BCへ移動、宿泊
2日目:日本航空BCからボラバス型に参加、1日目。終了後日本航空BCで、宿泊
3日目:日本航空BCからボラバス型に参加、2日目。終了後金沢へ。金沢宿泊
4日目:金沢から仙台へ、新幹線で移動。
これだと珠洲市や能登町の活動にも参加できる。3日目は金沢に泊まらず、高速バスで帰ってくるという手もあります。
ただ実際は、土日の活動の枠は人気で定員になりやすいです。
無職のうちに、ずらして平日に行けたらなぁ。

おまけ写真その1。最終日に金沢駅で高速バスを待ちながら飲んだ「Oriental Brewing」のビール
おまけ写真その2。仙台の高速バス乗り場近くにはひっそりとマッサージ椅子があります。バスから降りて直行しました

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