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田代島に行ってたくさんのネコを撫でてきた

これは2023年10月21日(土)の出来事です。

はじめに

田代島、といえばネコ好きのみならず、そこが有名な場所であることを知っている人は多いだろう。

宮城県石巻市の田代島は、猫島として知られている。
行けば大量のネコがいて撫で放題だという。
宮城県在住なのに行ったことがなかったので、行ってみることにした。
なお、無職なので平日でも行けたが、こういう観光地は店が土日しか開いていないこともあるので、土曜日にした。

※ 正直、評判にあるような楽しく幸せな気持ちになったという体験談ではないので、興ざめしてしまう人がいるかもしれません、ご了承下さい。

石巻を出発

ここが船着き場
フェリーの切符売り場でもらえるマップ

JRで石巻駅へ向かい、そこから網地島ラインのフェリー乗り場「石巻中央発着所」まで徒歩で向かった。チケット販売所では、係員の人が一人一人に日帰りか泊まりか確認して、猫島マップを渡してくれた。このとき船の修理の関係で減便していて、遅い便がなくなっていたためだ。

石巻中央発着所には、自分同様ネコを見たくて行く人が多数。一部の人は、釣りの道具を持っている。民宿に泊まってがっつり釣りをする人もいるらしい。大きなザックを背負った人は、コテージで宿泊か、キャンプをするのだろう。ここにはユニークなキャンプ場「マンガアイランド」もある。

たくさんの人が乗りこみ、フェリーはほぼ満員。田代島では大泊港、仁斗田港の順に寄港する。ネコをたくさん見たい人は仁斗田港で降りる。
仁斗田港に近づくと、船から既に、ネコがチラホラ見えて乗客が歓声を上げる。釣りをしている人の足元に、遠くの岸壁に、ほんとうにいっぱいいる。
船を降りた乗客は思い思いの場所へ散らばって行った。すでにしゃがみこんで、ネコにカメラを向けている人もいる。

待合所だが、ネコの小屋と、ネコのえさカンパの容器がある
あ、ネコが落ちてる
すると目の前を別のネコが横切る

さて、どこに行こう。それにしても、ほんとうに人がいなくて猫だらけだった。人間でいるのは、わたしたち観光客ばかり。
港に近い食堂の前にネコが固まっているので行ってみた。ここは猫に水とごはんを上げているので、常にネコが溜まっているようだった。
大きいの、小さいの。元気な子、そうじゃない子。ネコはみんな人間をまったく怖がらないみたいだった。たくさんの人が寄ってきてネコを撫でまくった。

田代食堂。落ちている樋もネコの食器だ
なかよく食べている

一匹、顔の半分に腫瘍ができていて、ただ寝ているネコがいた。他の観光客もそのネコは避けているみたいだったのでちょっと気になって、しばらくそのネコを撫でた。
「おまえ、病気なのか?」
あまり動く元気もないらしく、毛も、ぼさぼさしている。ただ、まるくなってそこにいた。

移動してみる

海から、内陸へ。坂を上っていく。舗装はされているものの、狭くて急勾配だ。車では通りたくないなぁ。道沿いに古い家が立ち並ぶ。が、斜面にひしめき合うように立った家は、ことごとく廃墟だった。軒先に漁網などの漁の道具がぶさらがって揺れている。

こんなに狭くて傾斜がきつい
ネコが落ちているので撫でる、一回休み

70代ぐらいの男性が、シニアカーでゆっくり坂を上っていく。途中、同じぐらいの年の人がいて、止まって、立ち話をしていた。
カフェがあったので一休みする。
コーヒーをいただいた。レトロなかんじに素敵にリノベーションしている。かつて簡易郵便局だったらしい。

カフェの前のスペースからは海が見えてキラキラしていた。夏は最高だろうな。

カフェだ
内装が素敵
この雰囲気いいなー
カフェの前からの眺め

さらに歩く。
小さな食料品店には、カメラを持参した観光客が3人ほど立ち寄っていた。中にはたくさんの子ネコ、大きなネコ。

道を進むと、家もなくなってきて、木々の間から吹く風が気持ちいい。道沿いに家が朽ちている。
そういえば、こういう場所を歩いていると「クマがいるのでは?」と常に警戒するんだけど、ここにはクマがいないから安心して歩ける。これはいいな。そうか、ここではクマの心配をせずにキャンプができるのか。

ネコが寝てる

ときどき唐突にネコが落ちている。
そして、わたしの体によじ登ってくるから、びっくりする。なんにもあげる食べ物、持ってないのに。

島のえき

「島のえき」についた。観光客が集まっている。
ここは廃校になった小中学校なのだそうだ。ヘリポートもある。
うわあ…!

こんなにいる
島のえき、外観

敷き詰められているように、ネコ、ネコ、ネコ。
外には椅子とテーブルがあって、ひとやすみできる。本当に歩くとき踏まないように注意しないといけない。
島のえきには、レストランがあって、カレーなど食べられる。だがこの時なんだか私はお腹が空いていなかった。土産物などを見て、また外に出て、ネコを撫でるなどしていたが。

…なんだか正直、もうネコに飽きてしまった。どうやらわたしは、そんなにネコ好きではないらしい。

「きゃー!」
外のベンチで若い女性グループが、コンビニのパンを出して食べようとしていた。そこに子ネコが一直線に走って行って、テーブルの上のパンをカラスのようにひらり、と咥えて持ち去った。ほんとうに飛んできて飛び去ったかのように、あっという間だった。
「ちょっと、えー!」
女性たちは困ったように笑いながらネコを追いかける。ネコは人間が追いつけないのを知ってて、わざと立ち止まる。女性が追う、また去る。それを繰り返して、藪の中に消えてしまった。
身軽な肉食動物の動きに人間がかなうはずもない。
うーん。これは、困るな。

猫神社

「島のえき」を後にしてまた少し歩く。猫神社に着いた。

猫島の重要スポットだ。神社のそばにはネコが一匹いたが、やがて悠然と立ち去った。板で作ったネコのための小屋があった。このネコのおうちは島内至る所に、ぽつぽつとあった。

お賽銭をあげてお参りして、またしばらく歩く。

島のえきを過ぎると、しーん…と静かになる。人にもほとんど会わない。
うっそうとした竹林、整備されず斜めになっている。静まり返った森の中にただ鳥の声が響く。

竹が斜めっている
静か

大泊港

やがて、またいくつか家があるところにやってきた。小さな畑もあった。
大泊港についた。
仁斗田港の前にフェリーが寄ったところだ。車の出入りができるのはこの港だけということだ。

大泊港

「お、これは!」
海に近づいてみて驚いた、たくさんのシーグラスだ!ちょうど岸壁に阻まれ波が行き止まりで石や周辺のゴミが洗われるところがあった。石も流木もゴミも丸く削れていた。
シーグラスが好きなのでたくさん採取した。

シーグラス。いっぱいあった!

このあたりは、仁斗田ほど傾斜がきつくなくて、人が住んでいる気配があった。カフェや民宿もあるようだ。観光客はわたしの他はほとんど見なかったし、出歩いている住民も見かけなかった。船の発着の時は人がいた。
大泊の方は猫が少ないという前情報があって、そのとおりで一匹くらいしかいなかった。

さて、来た道を戻る。
ちょっと別のルートを通って、仁斗田港についた。
フェリーまで時間があったので、海沿いで座って休憩していたら。ネコが「すたすたすたすた」と、近寄ってくる。あっちからも、こっちからも。
だから、なにもあげるものないんだよ。
それでもすり寄ってくる。

このエリアにずっといる。兄弟かな
クロネコにまとわりつかれている

かわいいよ、かわいいけどさ。
「きゃー♡」「わー♡」ってならずに、「これ、増えすぎじゃないか」「遺伝子多様性が失われてるんじゃないだろうか」「観光客のパンかっさらっていくのはまずいだろう」なんて考えてしまった。

帰りのフェリー乗り場で、最後にいいものを見た。
釣りをしている人が要らない小さな魚を放ったのを、ネコがさっと咥えて歩いて行った。
魚がぴちぴち動いていて、日本ネコとはちょっと違うふさふさしたリッチな毛のネコが、咥えて歩いている。こんな、マンガかアニメみたいな光景がほんとにあるんだなと思った。ネコは近くの車の下に入ったので見えなかったが、じっくりご馳走を味わっただろうか。
その、咥えて歩いていた時のネコがすごく嬉しそうで、なんだかこっちも嬉しくなった。

IRORI石巻と石ノ森漫画館

帰りのフェリーは、なんとなく外の席にしてみたらすごく寒かった。しかもフェリーが着いたタイミングで大雨が降り出した。すぐ近くの産直にあまやどりを兼ねて入った。サンマが高いと思っていたら、ここではすごく安く、発泡スチロールの箱で買う人が次々訪れていた。ううむ、仙台まで生のサンマを買って電車で帰るのは無理だなぁ。誰か車を持っている友人に頼んで買いに来ようか。しかしそんなことを頼める友達はいないのだった。

そこから少し歩いて、むかーーし、コワーキングスペースがまだほとんどないときにコワーキングスペースめぐりで行ってみた「IRORI石巻」に。
コワーキングスペースだった頃の面影はなく、広くて素敵なカフェになっていた。

その後は、石ノ森漫画館へ。仮面ライダーの展示で時間が解けた。平成ライダーのすべてのオープニングを上映してるんだもの。

おわりに

そんな田代島と石巻観光でした。

ネコを撫でるために行くなら、わたしみたいにそんなにネコ好きではない人は3時間の滞在でいいかなと思う。
わたしとしてはクマに怯えなくて済むキャンプ場が魅力的なので、夏にテントを背負って行ってみたいと思った。

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