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NHKスペシャル「戦火の放送局~ウクライナ 記者たちの闘い~」とTBS系「報道特集」の特集「戦時下のウクライナメディア」

8月7日のNHKスペシャル「戦火の放送局~ウクライナ 記者たちの闘い~」と13日のTBS系「報道特集」の特集「戦時下のウクライナメディア」。同じようなテーマでありながら内容は真逆とも言えるものだった。 NHKの方はそのタイトルからうかがえる。戦時下でもなければ戦下でもない「戦火の」である。被害者であることをことさらに強調している。そして「記者たちの闘い」。何と戦っているのか。簡単に言えばロシアと、である。 ウクライナの記者たちは各地で戦争の被害と人々の苦しみ、悲しみを取材

    • わがロシア

       ロシアに行ったことはない。見たことはある。  欧州へ行く航空機の中からというのもあるが、国後島と樺太(サハリン)を対岸、つまり北海道から望んだことがある。国後も樺太もロシアが実効支配しているだけで日本領と言えるのだが、国際関係上どう呼ぶかは別にして、北海道と北方領土、樺太との間にあるのはまぎれもなく「国境」である。  そんな距離感のせいか、道内には革命から逃れた亡命ロシア人とその子孫がいる。有名なのは昭和の名横綱・大鵬だ。南樺太生まれで、父親がロシア人(正確にはウクライ

      • 情の関西、理の東京と思われがちだが

         東西の噺は同じものが結構ある。どちらかと言うと、上方で作られ江戸に移植されたものの方が多い。ただ、聞き手の背景となる生活や文化が違うので、その演出は異なる。  東京で「長屋の花見」、上方で「貧乏花見」と呼ばれる噺もそうだ。題の通り、長屋一同で花見に出かける話である。  東京は大家が花見を持ちかける。酒3升、かまぼこ、卵焼きは大家持ちだ。ただし酒は番茶、かまぼこは大根の漬物、卵焼きはたくあん。大家はケチなのだ。一方、上方は長屋の住人の持ち寄りだ。もちろん金がないので、お茶

        • オンライン落語もいいもんだ

           見に行こうと思っていた落語会が次々と中止になっている。新型コロナウイルスのせいだ。感染が一定程度収まったとしても、そう簡単に落語会が復活するとは思えない。もともと落語を見る機会が少ない地方では特にそうだろう。  ということでオンライン落語会にはまった。春風亭一之輔がYouTubeで10夜連続を2回、計20夜というのは凄かった。客のいない中で演じることに戸惑いがあるようだったが、無料で人気者の一之輔をこれだけ見られるのだ。ぜいたくは言えない。ストリームだけではなく、終了後も

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          笑いに欠かせない「ボケ」の存在

           落語は笑いの芸能なので、登場人物にちょっと抜けた、いわゆる「ボケ」の存在は欠かせない。だが、その描き方は東西で異なるのだ。  上方の代表は喜六だ。友だちからは喜公(キーコ)と呼ばれる。兄貴分の清八とコンビで登場することが多い。  桂枝雀の「船弁慶」は、清八が喜六を納涼の舟遊びに誘いに来るところから始まる。女房が怖くてためらっていた喜六がようやく腰を上げたその時、女房が帰ってくる。この女房、近所では「雀のお松」「雷のお松」と呼ばれ、喜六が敵う相手ではない。  家に入った

          笑いに欠かせない「ボケ」の存在