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相談するにもチカラがいる、そして相談したことで傷ついては元も子もない

「ちょっといいですか」と時間をもらい、自分が担当している業務の進め方について隣席の上司に相談した時のことです。

小さな職場で、メンバーはそれぞれの役割を一人一人が果たしている中、こぼれてぐちゃっと不整合が起きていた「これ誰のシゴト?」という業務がふとしたことで目につき、チームワークやお客様への影響もあり得る「緊急じゃないけど重要な問題」なんではないか、とも思いましたし、いわゆる「チリつも」はバカにできないので、整理収納アドバイザーの方たちの発信する動画みたいに「気づいた時の5分間片付け」でスッキリしておいた方が良いとも思い、たまたま上司が隣に座っていたので軽い気持ちで相談を持ちかけたのです。

この私の「相談したいこと」はなかなか上司に伝わりません。
今思えば、私が上司に求めてたのは「私とグループのジョブはどこまで?」ということへのお墨付きなので、「お前の守備範囲はここまで、ここからは問題点を共有して××グループに任せればいい」という線引きと行動指示を仰げればよかっただけなのですが、現時点、こぼれや捩れがあって不整合でもマイナスのトラブルは起きてない、起きにくいし、このことを問題として取り上げて解決の方向に走り出したところで、売上のプラスを大きくする妙案はないことが、上司への伝わらなさ加減でだんだん理解が進みましたが、5分のつもりが20分を超える会話に。
私のまとまらない拙い話を粘り強く上司は聞いてくれましたが、「今コストかけて優先で取り組む必要のないこと」が結論で、私は徒労感、モヤモヤ、上司に無駄な時間をとらせてしまった罪悪感で自己嫌悪です。

こんな気分のとき
「何を相談されているのか分かりにくい、結論から言って」
「せめて選択肢とメリデメくらい予め整理してから話しなよ」
と上司に言われては、傷に塩を塗られているようなもの。
心が痛み、ぐぐっと落ち込みます。
「もう二度と相談しない。余計な提案は金輪際しない」なんて、もうかなりいい大人なはずなのに、極端に頑な気持ちにだってなりえます。

職場や仕事に良かれと思って部下が持ちかけた相談と、良かれと思って部下の相談に耳を貸してくれた上司。
悪意はどこにもないはずなのに、ちょっとした一言で、職場の人間関係が壊れて人も組織も苦しむことにならないとも限らないなんて、ほんとに怖い話です。

一触即発のピンチ。
頭を冷やして、相談する側だった自分のチカラを見直そうと思いました。

合理的な「問題の棚上げ」


あるトラブルを解決するために2つのグループ間で交渉が行われている時、どちらにとっても利益が出る(現状と比べて良くなる)形でトラブルを解決することができるならば、交渉をまとめるのは早いほど望ましい。
Win-winの結果をあえて先送りにしたところで、誰も得しないから。
一方、国家間の領土問題のように、交渉の結果が、どちらにとってもマイナスになるときは、交渉を通じてマイナスの結果を確定してしまうのでなく、あえて問題を解決しないことへの合意が正解かもしれない。
できるだけ解決を先送りすること、これが今回の私がうまくできなかったこと。
気づいてしまったら解決しなければ、というような妙な責任感を勝手ながら追ってしまったことに気づきました。しかも私が描いていた解決イメージは、自分も含めて誰かの仕事を増やすこと。何かコトが起こるとしても、前と後では受け止め方、対処法は違うということに思い及びませんでした。

「文系人間・完璧主義」の落とし穴。
難しい古典や英文を読むときに、わからない単語を丁寧に一つ一つ辞書でひきながら読もうとして、結局根気が続かないで、全体で何を言っているのかわからないまま時間切れ。
自分自身には、振り返ればとてもよくあることでした。

単語の意味がわからなくても、前後の文脈や、全体の内容を把握することを優先して、その単語はとりあえず飛ばして読み進める。すると、わからなかったはずの単語の大体の意味がわかってきたり、わからないまでもその意味を知る必要がなくなることが多い。
確かに。

すぐにはわからないことを後回しにして、できることからどんどん進めていくうちに、頭がまわりだし、どんな人にどう相談すればいいかなど、アイデアが浮かんでくる。
確かに。

この「棚上げ法」とともに、多少のアラがあっても、期限までに許容範囲のクオリティで全体を完成させること、という「不完全法」も取り入れたいところです。

ビジネス場面でも研究でも、一番重要なのは、計画の完璧な達成ではなく、まず期限を守ること。

仕事の質と期限のバランスを念頭に、どんな時でも、不完全にになる勇気を持つことが大切。
確かに。

じわりと効いてくる、ツボを抑えてもらったような金言です。

日常カイゼンのコツ
1.わからないところは飛ばして進む
2.不完全になる勇気を持つ
3.いい加減を「良い加減」で使いこなす

京都大学名誉教授 鎌田宏毅「ノーベル賞受賞者も実践究極の時間術 棚上げ・不完全法」PRESIDENT2010.2.1

#相談する人・される人
#職場の人間関係

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