あなたらしいリーダーでいてほしい。
世の中には、大きく分けて2種類のリーダーがいると思っています。
大学のオーケストラサークルは、冠婚葬祭でないと練習を休めない、部活のような場所でした。得たものも犠牲にしたものもたくさんあったけれど、社会人生活に一番活きていると思う学びが、リーダー像に関すること。
打楽器パートは、各学年1~2人ずつの小規模なパートでした。4年生のうちひとりがパートリーダーとなり、練習を仕切ったり演奏会の曲決め会議に出席したりします。
私がいた4年間、年によって雰囲気はかなり違いました。
雰囲気を作るのはリーダーでした。私が1年生のころと2年生のころのパートリーダーは、タイプが真逆だったのです。
①いつでも中心にいた「指令性高めリーダー」
最初に出会ったリーダーAさんはカリスマ性抜群で、リーダーになるために生まれてきた人という印象でした。当時の私は、先頭に立ってチームを引っ張るのがリーダーだと思っていたのです。
最近シーで話題のストレングスファインダーを受けたら、絶対に指令性が上位にくると思う、そんな人。各パートのリーダーが集まる会議でも、思ったことをバンバン発言していたんだろうなあ。
1年間、どんなときも中心にはAさんがいました。練習のときはもちろん、合宿の飲み会でも。Aさんを前に縮こまってしまう人が多く、Aさんが中心に「なってしまう」のです。
Aさんの楽器の腕はピカイチで、私はAさんを追いかけなきゃと必死でした。きっと、他の人もそうでした。
私が練習している横で、「早く俺くらいうまくならないかな」と小声で言われる日もありましたが、私のことを見捨てていなかった証拠だと思っています。当時は怖かったけれど、今になって気付くんですよね。
②雰囲気づくりの天才だった「調和性高めリーダー」
Aさん卒業後、私は2年生になり、パートリーダーは4年生のBさんに変わりました。
パートの雰囲気はすぐに激変したのです。
BさんはAさんとは対照的で、リーダーらしくないリーダー、そんな印象でした。
ストレングスファインダーを受けたらきっと、調和性が上位にくるはず。
練習を仕切るのはBさんでしたが、他のメンバーも積極的に意見を言えるようになりました。
それまで上下関係が絶対だった打楽器パートですが、話しているうちに自然とタメ口になってしまう人が続出。そのたびに笑いの渦に包まれる、あたたかいパートに変わったのです。
私はこの1年間の打楽器パートのことが大好きでした。
余談ですが、当時の1年生は2年後、「1年生のときのパートの雰囲気、好きだったんですよね」と言いました。彼がこの発言をしたときのパートリーダーは私です。情けないです、ごめんね。
自分に合うリーダー像を
どちらの年も、私にとって大切な時間でした。それはきっと、先輩方が自分に合うタイプのリーダーでいてくれたから。
①のリーダー像が合っている人が②を目指しても、②が合っている人が①を目指しても、悲劇が生まれるはず。
チームの大小は問わず、人の上に立つ機会って誰にでもあると思うんです。仕事で数人のチームをまとめることになったとか、バイトリーダーになったとか。そのときは無理せず、自分らしいリーダー像を追求してほしいです。
いただいたサポートは日本酒に変わります