見出し画像

エソラタイムズに15の質問 ─ 二人のこと、楽曲やMVについて聞いてみた。| 15 Questions

――まずは自己紹介をお願いします。
佐藤:佐藤シオンです。ボーカルと作詞を担当しています。
棚橋:棚橋タクローです。ボーカルとアコースティックギター、作曲を担当しています。

――二人で組んだきっかけは?
棚橋:僕の方から声を掛けました。それまでは相手が見つからず、一人でやっていたんですが、二人で歌う音楽をやってみたいとずっと思っていたので。

――元々知り合いだった?
佐藤:はい、同級生です。

――楽曲の制作などはどういったプロセスで進めていますか?
棚橋:まず僕がワンコーラスつくって、それを聴いてもらいます。
佐藤:直感的に「いいな」って思えたらフルコーラスをつくってもらいます。並行して、僕は歌詞を書きはじめます。歌詞と曲がおおよそ仕上がったら、あとは二人で細かい部分の調整をして完成、といった感じですね。

――なるほど。今回は初の楽曲公開となるわけですが、率直な気持ちを聞かせてください。
棚橋:嬉しいです。曲作りはずっとやってきていたんですが、本格的に誰かに聴いてもらうのは初めてなので、楽しみですね。
佐藤:ホッとしています。梅雨の時期に生まれた楽曲だったので、明けるまでに公開したいと思っていました。

――「梅雨」というのが、この楽曲のテーマになっているのでしょうか?
棚橋:テーマというよりは、きっかけですね。梅雨の時期の、雨上がりの風のにおいからヒントを得て、曲を作り始めました。

――楽曲中では、風のにおいをきっかけとして前向きになっていく主人公の様子が描かれています。ご自身にもそういった経験があったのでしょうか?
棚橋:実体験としては、前向きというよりも懐かしさの方がこみ上げてきて、少し切ない気持ちになりますね。
佐藤:僕も同じです。加えて、過去の思い出から前向きな気持ちを持てるようになりたい、ともよく思っていました。今回、主人公がその答えを見つけてくれて良かったです。

――MVからもその様子がよく伝わってきます。特にこだわったところはありますか?
佐藤:実在する場所を舞台としているところです。主人公の部屋は棚橋が、公園は僕が、それぞれ実際に風のにおいを感じた場所となっています。

――実在する場所を楽曲やMVに登場させるのは「エソラタイムズのこだわり」になるのでしょうか?
佐藤:はい。「場所を音楽にする」というのを意識しています。「誰かにとっては何でもない普通の場所だけど、自分にとっては思い入れのある特別な場所」というのが誰しもあると思っています。そういった場所を音楽にすることで「自他ともに、思い入れのある特別な場所」というのを増やしていけたら、と思っています。

――実際の場所を訪れることで、楽曲の持つ世界観もより身近に感じられそうですね。イラストも楽曲の雰囲気ととても合っているように感じます。
佐藤:ぜひ現地を訪れて、主人公と同じ体験をしてみてほしいです。イラストはフジマさんにお願いしました。手触り感のあるイラストが本当に魅力的で、楽曲の持つ世界観や魅力を存分に引き出してくださいました。

――MVには、主人公以外にも子どもや、果実の実った木が複数回登場しています。
佐藤:そうですね。このストーリーの核心にあたる部分です。

――紅茶にマドレーヌを浸しているシーンも印象的でした。これも核心にあたる部分なのでしょうか。
棚橋:これは、本楽曲のタイトルについての核心にあたりますね。小説家マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』の象徴ともいえる、紅茶に浸したマドレーヌの香りから幼少時代を思い出すシーンをオマージュしているのですが、この「香りをきっかけとしてある場面を思い出す」という現象を『プルースト現象』と呼ぶようで、ここからタイトルを「プルースト」としました。

――主人公が使用しているアロマオイルを実際に入手できる、というのも面白いですね。
佐藤:においをテーマにした楽曲なので、「香る音楽」というアプローチを試してみたいと考えていました。ストーリーに絡めることもできて満足しています。楽曲を聴くだけでは知ることのできない、主人公を前向きに変えた風のにおい、ぜひ実際に香ってみてほしいです。

――MVとは別に読み物も公開されていますね。
佐藤:はい。楽曲の持つ世界観を多角的に伝えるために制作しました。主人公の一人称視点でストーリーが展開されるので、三人称視点で展開されるMVとはまた違った楽しみ方ができるのではないか、と思っています。

――最後になりますが、プルースト、特にどんな方に届いてほしいですか?
佐藤:「今より昔の方が楽しかった」と思っている人に届いてほしいです。今を楽しむ、そのきっかけとなれたら嬉しいです。
棚橋:なんとなく毎日を繰り返し過ごして、つまらないなと感じてる人に届いてほしいです。子供の頃は隣街に行くのもワクワクしたはずです。プルーストを聴いて、その感覚を思い出すきっかけになるといいなと思います。

――楽曲やMVの持つ推進力、切なさや爽やかさを楽しむも良し。現地を訪れて、実際にその風を肌で体感するも良し。グッズや読み物など、関心のある媒体から楽曲の持つ世界観の拡がりや奥行きを更に深掘りするもよし。様々な接点とこだわりに満ちたプルースト、その世界をぜひ“体験”してみてほしい。

企画:えむソラ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?