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さよなら紅白

この記事のトップの写真、これは毎年大晦日の夕飯に夫が作る、クリームソースのパスタです。我が家ではこれが年越しそば。知り合ってからずっとこれなので、もう20年くらい続いてます。うちではこれが、普通。

「私の普通」は、もしかしたら「あなたの普通」とは違うかもしれない。「みんなこうしてるでしょ?」の「みんな」以外は、世界には誰もいないの?

2018年年末の紅白歌合戦で、紅組でも白組でもない枠のおげんさんが「男女を紅白に分けなくてもいいんじゃないの?」といったことを明るく言い放った日から一年。2019年の、おげんさんではない星野源さんは、渋谷のてっぺんで、赤と白を混ぜてできる色・ピンクのダウンジャケットを着ていた。この、優しくて誰も傷つけないけど一歩もひかない、やわらかな主張。お茶の間に響く「screw you 」。震えた。この人はやっぱりすごい。

そしてそのあと登場したMISIAは白赤どちらも纏い、レインボーフラッグをNHKホールに掲げ、観てる人たちも小さな虹を振った。あれも美しい光景だった。

大晦日は「そば」を食べる。料理を担当するのは女。男は白で女は紅。男女ははっきりきっちり分かれるもの。そして紅白歌合戦としてお互いが戦うもの。それが日本の当たり前で普通で、みんながしていること。
でもそれ、本当にそう?

何かが変わる時、そこには誰か、先頭に立つ人がいる。民衆を導く勝利の女神のように。今回の星野源さんとMISIAのように。
やわらかく変えていく彼らを「わー、すごいなあ」と思うけど、そのまま頼りきってただ後ろについていくだけでいいのかな、ということを最近はよく考えている。それでは結局「みんな」の位置にいるだけで…そうではなくて、「わたし」はどう考えるのか、何をするのか、そこまでいかないといけないんじゃないのかな、そんなようなこと。

とりあえず、今の「わたし」が思ってることは…さよなら紅白。

日本の「当たり前」が変わったら、きっと今の形の紅白歌合戦は終わる。でもきっとそこからもっと愛される年末の番組が生まれるはず。きっとできる。がんばれNHK。私の受信料を思う存分使って。

それにしても、Ain't Nobody Knowのビデオ! やっぱりすごいよ、星野源さん! ついていきます!(結局そうなる)

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